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職場での対立を速やかに解決する5つの質問

ビジネス・マネー Lifehacker

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99u:どんな仕事でもコラボレーションが欠かせませんが、同僚との不和は「起こるかどうか」ではなく、「いつ起こるか」です。つまり、発生に備えて、職場内の不和を緩和し迅速に解決策を見出す選択肢を用意しておく必要があります。経験上、争いを収めるうえでもっとも重要な要素は、不和の根本的原因を明らかにすること。これは、思ったよりも大変です。なぜなら、一見すると締切やデザイン、プロジェクトの役割などが議論の的になっている場合でも、隠れた緊張が背後に存在していることが多いからです。

私は長年、さまざまなコラボレーションによるクリエイティブワークに携わってきました。その中で、争いの根底にある原因を知り、解決策を見出すためには、肝となる質問があることを発見しました。今回は、そんな時に思い出すと役立つ5つの質問をご紹介します。

質問1:「相手の行動の意図に注目しているか?それとも、行動がもたらす影響に注目しているか?」


議論が熱を帯びてくると、意見の違いと同時に、個人同士の問題が表面化してきます。

私たちは、他人の行動によって感情を刺激されると、その行動と相手の意図を結びつけて考えようとします。その際、そんな意図が実際に存在するかどうかは関係ありません。例えば、自分だけグループメールを受信していないことに気づいたあなたは、意図的に宛先から外されたと思い込んでしまいます。もしくは、会議で自分だけが理解できない話題についての議論が進んでいると、皆が意図的に自分を黙らせようとしているのではないかと考えてしまうのです。

このような考え方は、私たちを間違った方向に導きます。待っているのは、激しい怒りか、あからさまな敵意のどちらかでしょう。でも、この緊張感は、意図についての議論をやめて、その行動が及ぼす影響に注目することで、乗り越えることができます。実際のところ、行動に悪影響がある場合、意図はどうでもいいのです。前に進みたければ、その影響に対処することの方が大切です。

まずはこう切り出してみてはいかがでしょうか。「あなたの発言の意図はわかりませんが、その発言によって、私には○○という影響がありました」「先ほどのXXという私の発言ですが、もしかしたら意図せぬところで、○○という影響を与えてしまったかもしれません」と。そのうえで、相手の意見を尋ねてみましょう。


質問2:「今日の目標は何か?」


目標の誤解ほど、議論を紛糾させるものはありません。1人が問題を解決しようとしていても、もう1人がその問題を把握すらしていなければどうなるでしょうか。お互いの最終地点が一致していなければ、生産的な議論など、とうてい不可能なのです。

あるデザイナー仲間が、最近この問題に出くわしました。指導している後輩のデザイナーが、何度も彼のもとに足を運んでは、こう尋ねてきたというのです。「この色で作るってのはどうでしょう?」「この技術を使うのはどうでしょう?」

その後輩デザイナーのやり方は、コラボレーションにつながるものではありませんでした。なぜならその後輩は、その提案によって解決したい問題(裏を返せば、達成したい目標)を、先輩に明示しなかったから。先に問題を明らかにしておけば、その解決策で得られるメリットを、相手も確信できていたはずです。

目標を合意できたなら、その達成に向けた共通の土台を見つけるプロセスの半分は終わったと言っても過言ではありません。


質問3:「優先順位は一致しているか?」


大局的な目標が一致していても、それぞれの責任分担、個人的なワークスタイル、仕事の負担などによって、個々のメンバー間の優先順位が異なることがあります。

プロジェクトで「納期」「品質」「価格」の優先順位を付ける際は、「Pick any two」ルール(3つのうち2つを立てるためには1つを犠牲にせざるを得ない)が成立します。さらに、Stephen Coveyが提唱する「重要度vs緊急度のマトリックス」も、耳にしたことがあるかもしれません。どちらも、同僚の優先順位をチェックするのに便利なツールです。同僚には優先順位を明示してもらい、自分からも同じく明示します。そうすることで、優先順位のミスマッチが不和の原因になっていないかを知ることができるのです。

あなたが高品質を追求しようとしているのに、チームメートが安価な材料の調達を主張していたら、緊張が高まるのもうなずけます。両者の優先順位の違いを明確にしておくことで、価格か品質かでお互いを非難し合うのではなく、より生産的な対話ができるはずです。


質問4:「成功の定義は?」


目標と優先順位がそろっているのにうまく行かない場合、成功の定義に不一致があるのかもしれません。相手に、成功のビジョンを語ってもらいましょう。できるだけ詳細に話してもらえるとベターです。定性的な結果も定量的な結果も、どちらも非常に重要です。理想的な将来像を明確にすることで、不和の中核をなす領域が少しずつ分かってくるかもしれません。相手の描く理想郷が、あなたにとってはそれほど輝いて見えないこともあるでしょう。そんな場合、両者の間に不和が生じるのは当然のこと。それでも、相手にとっての理想を把握できたことで、Win-Winのアプローチを交渉しやすくなるはずです。

ひょっとすると、表彰や上司の理解などによって相手を称賛するだけでも、プロジェクト予算を抑えつつ、相手のモチベーションを上げられるかもしれません。このように、根底にある(多くは無意識の)思い込みをあぶりだすことで、誰にとってもうまく行く解決策が見つかる可能性が高まるでしょう。


質問5:「もし私の立場だったら、あなたは何をしますか?」


単に相手があなたの意見を尊重していないと感じられる場合は、柔道の礼儀正しさを持って、このように尋ねてみるのはどうでしょう。これは、私の友人、Brooke Allenが提唱している方法です。

ステップ1:相手に問題を説明する。 ステップ2:「あなたが私だったらどうする?」と尋ねる。 ステップ3:黙る。ここで何を言ってもあなたの立場は弱まるだけ。

共感を得るための、鮮やかな方法です。もし失敗しても、あなたの優先度への賛同者とそうでない人をはっきりさせることができるでしょう。


さらなる質問


誘惑、後押し、おだてなどの方法を尽くしても、不和の根本的原因にたどり着けないことがあります。その場合、どうしたらいいのでしょうか? 以下に、私が過去に成功した対応をいくつか紹介します。


1. 「それの何が重要なんですか?」

これは、相手の理由や目標を掘り下げたいときに効果を発揮する、魔法の質問です。どんどん使いましょう。目標、優先順位、成功の定義を聞き出す際の補足質問としてもかなり効果的。もちろん、本当に何が重要なのかを知りたいときにも便利です。あなたの質問に表面的な回答が返ってきたら、この質問を投げかけて、相手の出方を試してみるといいでしょう。


2. 会議室で最大のバカになることを恐れない

自分の知っていることでも、敢えて知らないふりをして聴いてみるのもひとつの方法です。相手の敵意を取り除くような言葉を使いましょう。「バカげた質問かもしれませんが、どなたか、我々がこの機能を追加しようとしている理由を説明してくれませんか?」「このロゴを採用する余裕なんてあるんでしたっけ?」「発売予定日に間に合わせるために重要なことは何でしょう?」というように。基本事項を敢えて繰り返すことで、目的意識を高めることができるでしょう。


3. 「ほかには?」

明らかな要素の裏に隠れていた予期せぬ要素が出てくることがあります。


4. 沈黙を認める

気詰まりな沈黙でも、深く考えるには必要なことです。


5. 「お客さんからこの質問があったら、どう答えるべきだと思いますか?」

こう尋ることで、各自がそれぞれに考え込んでいた状態から、クリエイティブで共感的なモードに意識が切り替わるはずです。


以上のように、不和の根本的原因を掘り下げることができれば、双方にとって満足のいく解決策に迅速にたどり着ける可能性が高まるでしょう。


5 Questions You'll Need to Settle Workplace Disagreements|99u

Lauren Bacon(訳:堀込泰三)
Photo by Shutterstock.

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