独首相がECB総裁に説明要請、米講演での発言に不満=独誌
[ベルリン 31日 ロイター] - 独シュピーゲル誌は31日、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が8月22日のジャクソンホール会合で講演した際、欧州の成長を加速させるため財政の健全化よりも景気刺激策の方を重視すべきと受け取れる発言をしたことにメルケル独首相が不満を持っていると伝えた。メルケル首相とショイブレ独財務相がドラギ総裁に電話をかけ講演内容について質したという。
シュピーゲル誌は、情報源を示していない。
ドイツ政府の報道官は報道内容は事実と異なると指摘したものの、電話の内容は明らかにしなかった。
ドラギ総裁はジャクソンホールの会合で、ECBの金融政策と併せて財政政策がより大きな役割を果たせるなら「全般的な政策姿勢に寄与する」との認識を示した。
シュピーゲル紙によると、メルケル首相は、ドイツなどが主張する財政健全性重視の姿勢をECBが転換したのかと質した。ドラギ総裁は、講演での発言は、ECBが今、財政出動による景気刺激を成長を支援し改革を実行する策の一つとみているという意味だと説明したという。
ドラギ総裁の講演を深読みし過ぎと27日に指摘したショイブレ財務相は31日、記者団に「ECBには通貨ユーロの安定を確保する明確な責務がある」と述べ「財政の範囲内でやりくりできないと、一線を越えてECBに(融資)を求めたくなるものだ」と指摘した。
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