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「Amazon Zocalo」正式サービス開始、企業向けDropbox的なファイル共有サービス。本家Dropboxも同日にビジネス向けを1人1テラバイトへ拡張

Amazon Web Servicesは、企業向けにファイル共有やデバイス間同期などを実現するサービス「Amazon Zocalo」を正式なサービスとして提供することを発表しました。同サービスは7月から限定プレビューとして提供されていたもの。

Amazon Zocaloは、企業向けにActive Directoryと連係するユーザー管理機能を備え、ファイルを安全にクラウドに保存し、関係者と共有できるサービスです。

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クラウドに保存したファイルは、PCやMac、iPad、Kindle Fire、Androidなどさまざまなデバイスに同期できます。

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ファイルのプレビュー機能やバージョン管理機能も備えています。料金は1ユーザー当たり月額5ドルで200GBまで。

Amazonとの価格競争に絶対勝てないDropboxだが

オンラインストレージのサービスで先行するDropboxは、このAmazon Zocaloの正式サービスインが発表された同日(米国の8月27日)に、企業向けのDropboxであるDropbox for Businessの容量を、それまでの5人で1テラバイトから1人あたり1テラバイトへ拡張すると発表しました。Dropbox for Businessは1ユーザー当たり月1500円。

同時に、個人向けの有償プランであるDropbox Proも月1200円で1テラバイトへと容量が拡張されました。

DropboxはAmazon S3上で実装されているいわれており、Dropboxはいわば仕入れ元であるAmazonと単純な容量単価における価格競争をしたところで勝てる見込みはありません。Dropboxは今後、プラットフォーマーであるAmazonが提供するAmazon Zocaloと戦うために、低価格なだけではなくより付加価値を指向したサービス作りに走るでしょうし、それは他のオンラインストレージベンダーの動向にも影響するでしょう。

これは、かつてOSベンダだったマイクロソフトがアプリケーション分野にも進出し、Officeのような重要なアプリケーション分野において、先行していたWordstarやLotus 1-2-3といった競合と戦ったことにも似ています。プラットフォーマーは成長のためいずれアプリケーション分野にも進出し、その際にはプラットフォーマーの立場を利用することもあるでしょう(マイクロソフトも一時期、OSベンダの立場を利用して社外には公開されていないAPIを使っているのではと指摘されたことがあったはずです)。アプリケーションベンダやサービスベンダは結局、そうした巨大なライバルとなったプラットフォーマーとも共存していかなくてはなりません、クラウドにもそういうタイミングがやってきたのだといえるのではないでしょうか。

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