小寺陽一郎
2014年9月1日07時30分
個人が商品を売り買いするネットオークションの大手3社が、利用者が個人情報の削除を求めても応じず、取引履歴やクレジットカード番号などの情報を保存している。トラブルなどに対応するためといい、個人情報保護法違反ではないが、利用者からは「ベネッセの事件もあり、情報漏れの可能性はゼロではない」と心配する声もあがっている。
「登録情報については削除しておりません」
大阪府の30代の女性は7月下旬、オークションサイト「モバオク!」からの返信メールに驚いた。
2年前から「小遣い稼ぎに」と化粧品などを出品し、多くて月4、5点売れた。だが7月、長女(7)と次女(4)の個人情報が漏れたとベネッセホールディングスから手紙が届き、不安になった。モバオクにも住所やクレジットカード情報を登録していたからだ。すぐに個人情報の削除を求めたが断られた。「個人情報が漏れることはあり得ない話ではない。そうなる前にできることをしたいとお願いしただけなのに」
モバオク運営会社の親会社ディー・エヌ・エーは取材に「(個人情報の保存は)偽物の販売などトラブルが起きた時に対応するため」と回答。偽物の売り抜けを防いだり、トラブルを起こした利用者の再入会を把握したりするためだという。ただ、モバオクは、個人情報の利用目的についての規約にある「アフターサービス、問い合わせ、苦情対応のため」が該当すると説明するが、個人情報を削除できないことは記していない。
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