小さい頃は「恥ずかしいからやめなさい」と母親や学校の先生からよく怒られました。
そのたびに「なぜ恥ずかしいからやめなくてはいけないの?そもそも、オレとあなたの恥ずかしいは違うじゃん?」と思っていました。実際に口に出してひっぱたかれたこともある。
「恥ずかしいからやめろ」という言葉は、どうも人の行動を制限するのに便利に使われすぎているような気がします。
とりあえず「恥ずかしいから」と言っておけば、もうそれ以上の説明は必要ない。とにかく「悪いこと」「やってはいけないこと」の説明になっている、というね。
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しかし、新しいことに挑戦する時、人前に出て何かをするときには、どうしても「恥ずかしい」ことは避けられない。
自分が恥ずかしいことでも周りが喜んでくれる、というケースならば恥ずかしくてもどんどんやった方がいいし。
「恥ずかしいことはするな」と言う教えは積極性や行動力や楽しみを奪うと思うので、好きになれない。そもそも「悪い」理由になってないし。
世間は神か?
とは言え、日本では「恥ずかしい」という言葉の持つ魔力はかなり強力であることも事実。
アメリカの人類学者、ルース・ベネディクトが戦時中の研究を元に発表した日本文化論「菊と刀」では
欧米が「神の目」を強く意識する「罪の文化」であるのに対し
日本は「世間の目」を強く意識する「恥の文化」である、ということが説かれています。
神という絶対の存在に近いほど、世間の目というのが力を持っているJAPAN。
日本は「空気を読め」の国ですけど、それも「周囲の人間」という名の世間が強い力を持っているという考え方の文化だからでしょう。
実際、親や学校の先生が「恥ずかしいからやめろ」という言い方でものを教えたり、「恥ずかしい」という言葉が批判や中傷として一般的に使われますよね。
それが欧米で「神」を引き合いに出すのと同じくらい威力をもっているってことなんでしょう。
「恥をかかない○○」がそんなに大事か?
書籍のタイトルでも「恥をかかない○○」「知っていると恥をかかない○○」というのはスゴク多くて、オレはこの手のタイトルを見るたびに何かイヤ~な気持ちになるんですけどね。
でも、世間体を気にする人はああいうタイトルに釣られて、買ってしまうんでしょうね。たくさんあるってことは売れているってことだから。
こんな方もいますけど。
「若い人とコミュニケーションをとりたいのですが…」/リクナビNEXT[転職サイト]
↑この記事は超オススメ。ルーさんの人生相談。少し引用させていただきます。
時代は常に変化してるんだからさ。バリアを壊して、要らなくなった昔のものは捨てるの。そして、恥を恐れないことだね。俺はいくつになっても「恥かけ、汗かけ、涙しろ」って思ってるよ。ピエロになることだって必要なのさ。
泥の水たまりを「汚いから入るな」と教えられても、自分で足を入れてみたら、もしかするとヤゴを見つけたり、5円玉を拾ったりするかもしれない。固定概念を押し付けることは、子どもから大事な経験を奪って、弱くウイークにしてるよね。
「世間体」なんて本当にイヤな言葉だ……
神はともかく世間の常識なんて間違いが多いからね。
恥に強く、恥に寛容な人になりたい
「恥をかいてはいけない」という意識が強すぎるのは、正直もう弊害のほうが大きいと思っています。
「恥ずかしい」と言われることを避けて生きてったら、人前ではとにかく当たり障りの無い言動に終始するしかない。
挑戦心もなくなるし、臆病になるし。人前に出て何かをやる、リーダーシップをとるような人には絶対になれないと思うよ。
それよりも、平気で恥をかける人間のほうが強い。
それに、他人の恥に寛容である人間は「恥ずかしい」「恥だ」といって他人を非難する人よりずっと優しい。
「人より何倍も恥をかいてきた、そしてそれを誇りに思う」という人がいたら、「恥をかけ、恥ずかしいこともやるんだ」と人に自信をもって言える人がいたら、それはきっと本当に強い人だと思う。
恥をかけ 好きなだけ好きなように
一時期ラジオでかかりまくっていた、NICO Touches the Wallsの「手をたたけ」という曲がとても好きなんです。
元気が出る。
恥をかけ 恥をかけ
好きなだけ 好きなように
NICO Touches the Walls/手をたたけ
恥ずかしさに鈍感になることが挑戦心を産む
おもいっきり恥をかく、という経験は早いうちから積んでおいたほうがいいと思うね。恥ずかしさに慣れれば、恥ずかしさに対して鈍感になれる。
笑われても、失敗しても、へこたれずにどんどん挑戦していける人間は、恥に対して鈍感なんでしょう。
周囲から見ればそれが奇異に見えることもあるだろうけど、恥をかくことに鈍感であることは、ハッキリと長所だと思う。
なにより「恥ずかしい」と言われることは物凄い楽しいことだったりするしね。
楽しいことをするのに二の足を踏む人が、思いっきり楽しんでる人を見て「恥ずかしい」なんて言っている光景は、よく目にする。
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