宇宙航空研究開発機構(JAXA)は31日、今冬にH2Aロケットで種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げる小惑星探査機「はやぶさ2」の機体を公開した。地球から約3億キロ離れた小惑星に2018年に到着して岩石のかけらや砂粒を採取し、20年末に地球に戻る計画だ。生命のもととなった物質の由来の解明などを目指す。
はやぶさ2の本体の大きさは縦1.25メートル、横1メートル、奥行き1.6メートルで、重さは約600キロだ。小惑星に到達した後、約1年半かけて探査し、砂粒などを3回採取する。6年間かけて往復52億キロメートルを飛行する計画だ。
目的の小惑星「1999JU3」は大きさ約900メートル。生命の原材料となる有機物や水を持つ可能性があると推定されている。太陽系の誕生や進化、生命の原材料となる物質の生まれ方などの解明に役立つと期待されている。
10年に帰還した初代の「はやぶさ」は度重なる故障を乗り越えて、小惑星「イトカワ」から微粒子を持ち帰った。国中均はやぶさ2プロジェクトマネージャは「宇宙の現場も甘いものではない。気を引き締めて新たな航海を目指したい」と力を込めた。
JAXA、はやぶさ