トップ > 愛知 > 8月31日の記事一覧 > 記事

ここから本文

愛知

秀吉の好物ゴボウを名物に 12店が新メニュー提供

「とぅるり」で提供しているゴボウ入りナゲット

写真

 豊臣秀吉の生まれ故郷とされる名古屋市中村区にある十二店の飲食店が、秀吉の好物だったというゴボウの料理を出すフェアを繰り広げている。各店とも個性あふれる一品を用意。地域の活性化も見据え、秀吉ゆかりの新名物を売り込む。

 秀吉の生誕地にあたるとされる豊国神社(中村区中村町)にほど近い居酒屋「ゆるり酒房 とぅるり」は、刻んだゴボウ入りのナゲットを出す。豆腐とひき肉を合わせたまろやかな生地の中で、ゴボウの食感と香りがアクセントになっている。

 フェアは昨年に続いて二回目。今年は前回の二倍の十二店が参加し、七月から十月末までの期間限定でゴボウ料理を出している。「とぅるり」店主で発案者の辻耕作さん(32)は「中村は秀吉の故郷なのに、それを生かし切れていない。秀吉が好きだったゴボウを名物に育てたい」と意欲をみせる。

揚げたゴボウを手羽先揚げにトッピングした「TEBA」の一品

写真

 辻さんが着目したのは、中村の農民たちが地元で取れたゴボウを秀吉に献上したという言い伝えだ。初心を思い出させてくれる古里の味に秀吉が喜んだという逸話を基に、知り合いの飲食店主らに声を掛けた。

 他店もゴボウを生かした献立を一品ずつ用意。名古屋駅西の「ナゴヤめしと樽(たる)生ワインの店 TEBA」では、手羽先揚げに、揚げたゴボウをトッピングした「手羽先のピリ辛ゴボウまぶし戦国風」を出す。

 「TEBA」店主の寺尾武嗣さん(41)は「名古屋駅から豊国神社方面には太閤通が延びている。次からは(秀吉を指す)太閤の名前を持つこの通りで参加店を増やしたい」と話す。

 辻さんには「秀吉の力で地元を元気づけたい」という思いがある。活気ある店が多い名古屋駅周辺に比べ、辻さんの店や豊国神社がある中村公園かいわいは商店主の高齢化が進む。「このままでは先細りになる。秀吉のお膝元として中村の魅力を発信したい」

 さらにフェアの収益の一部を使ってゴボウの種か苗を買い、地元の小学校に贈る計画も検討している。地域を巻き込んで、「秀吉とゴボウ」キャンペーンを盛り上げていく考えだ。

 (佐藤航)

写真
 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo
地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索