ここから本文です

新橋・高架下の名画座、半世紀の歴史に幕 31日に閉館

朝日新聞デジタル 8月31日(日)9時6分配信

 今月末、東京都内でも少なくなった「名画座」がまた一つ閉館する。シネマコンプレックス(複合映画館)登場から20年。都心の映画館の再編が進む中、名画座の魅力や役割を見直そうという試みもある。

【写真】「シネマヴェーラ渋谷」が入居するビル。モダンな外装の1階にはカフェが入る=東京都渋谷区、仙波理撮影

 サラリーマンの街の高架下にある新橋文化・ロマン劇場が31日、半世紀の歴史に幕を下ろす。旧作映画を2本立てで上映する名画座。かつては「にっかつロマンポルノ」専門館としても知られた。閉館はJRの耐震工事がきっかけだという。

 同館で16日に開かれた「最初で最後の舞台挨拶(あいさつ)」と題したトークショーで司会を務めた評論家・切通理作(きりどおしりさく)さん(50)は「フィルムをかける映画館が少なくなった。アナログでしか育たないものがあるのに」と閉館を惜しむ。

 8月初旬、映画館や古書店などで配布している無料情報紙「ミニシアターかんぺ」に同館のコメントが掲載された。「小さなスクリーン、ボロいスピーカー、明るい場内、止(や)まない電車音…。ここで見た映画を思い返す時、そんな劇場の記憶も共にあれば嬉(うれ)しい」。31日、最後にスクリーンを飾るのはロバート・デ・ニーロ主演「タクシードライバー」(1976年)だ。

朝日新聞社

最終更新:8月31日(日)17時3分

朝日新聞デジタル

 

PR

注目の情報


Yahoo!不動産