みわさんが「生活保護のよくある誤解に答えてみました」という記事を書いているのですが、コメント欄が安定のYahoo!ニュースクオリティでうんざりします。みなさんにもこのうんざりを共有したいと思いますので、一緒にうんざりしましょう。うんざりバイラル。
生活保護のよくある誤解に答えてみました(みわよしこ) - 個人 - Yahoo!ニュース
ネトウヨデマを信じる人
まずもっともレベルが低いところからでいうと、未だに「在日外国人64万人中34万人が受給している」というデマを信じている人。実名で投稿しちゃうんだから、ちょっと心配になります。
だれも全員が生活保護時給者が悪いと言っていない。このライターも一部分を大きく報道しているが本来はこう言う方が受給するもの。しかし現実は、酒、たばこ、ギャンブル、働かずに家でネット三昧。在日外国人64万人中34万人が受給している現実。なぜ外国人に生活保護が適用されるのか。
生活保護の話をすると、一定確率でネトウヨが涌くのは興味深いです。
日本人じゃない 密入国した成れの果てどもが 日本で人生を謳歌している! これは絶対許さん!今まで日本が肩代わりした分は返済対象だろう 有償円借款や2002年W杯の300億も1円たりとも返済していないのだから。
自己責任だ!
典型的な自己責任論も多いですね。
はたらけ!似た年の連中が年末炊き出しに並んでるのに驚愕した。
給料が安いなんていってるやつはただの怠け者でしょ? 年収300でマンション買いましたけど。
お金ないことをいろいろ言い訳する連中が多すぎ!
年収300でマンション…。ローンがまだまだ残っているでしょうし、身体を壊したりなさらないことを祈っております。こういう人は困窮状態に陥ったとき、「恥だから!」と言って生活保護の受給を避けるのかもしれないなぁ、と心配になります。
これもひどいですねぇ。実名でよく書けるな…。
生活保護受給者の実態をわかってないとしか思えない…
法に該当するかどうかだけで判定されるから不正ではないけれど、自らが生きてきた負債を社会に押し付けていることを理解していない受給者ばかりです。
「感謝」の心を持たず、わがままばかり。
受給開始時には生活歴を確認しますが、現在の境遇が本人の責任ではない受給者は1割もいないと思いますよ。
きちんと生きてきた人は、他の制度、支援でなんとかなるものです。
自分のせいで他の制度も使えず、親族から見捨てられても仕方のない生き方をしてきた人間が、大きな顔をして当たり前の権利だと主張する制度、それが今の生活保護制度の実態だと思います。
「きちんと生きてきた人は、他の制度、支援でなんとかなるものです」というのはちょっと唖然とするコメント。200万人を超える受給者の方々(高齢者、母子家庭、傷病者、障害者が大半)は「きちんと生きてこなかった」ということですかね…。
こういう意見を書く人って、結局は「自分は何があっても生活保護には頼らない」というよくわからない自負があるんだと思います。突然事故にあって働けなくなる、うつ病になって働けなくなる、難病を発病して働けなくなる、とかそういう不安はないのでしょうかね…。
刑務所を少しマシにしたような施設を作り、それを『生活保護村』として、保護を受ける人をそこに収容すればいい。食事は大量に給食を作りコストダウン。娯楽部屋を設けてテレビを数台設置しておけば、チャンネル争いもなく少ないテレビで大人数を満足させられる。図書室も用意し、放送医学も無料で受けられるようにして勉強の意思がある人は勉強すればいい。そして職業訓練校も設置しておけば、そこで技術を習得できる。そして就職の斡旋もしてやればいい。刑務所ほど酷くはなくとも、刑務所に毛が生えたレベルにしておけば、みんな出て行きたくなる。出た場合は保護打ち切りだから働くしかない。
弱者が弱者を叩いても仕方ありません
典型的な「弱者が弱者を叩く」という構図があります。
私の知り合いは、生活保護を貰いながら夜の仕事をし、給料は申告していません。もう一人は、生活保護のお金で酒や煙草をたしなんでおります。仕事をしないのかと聞いたところ、ビタミン不足と自律神経失調症とヘルニア?で、仕事ができないと言ってました。しかし、これは今まで昼間から仕事模せず酒を浴びていたばつなのではないのでしょうか。その頃も生活保護をもらっていました。精神疾患やヘルニアを抱えながらも仕事して、給料が生活保護のお金より少ない中、税金や保険を支払い四苦八苦しながら生活している方々もいると思うんで、なんか腹が立ちました。こんな人達の為に税金を払ってる訳じゃないのに。 ちなみに私の手取額は13万しかありません。
手取額13万円で生活に困窮しているのなら、それこそ生活保護制度の利用を検討するといいかと思われます。こちらのチェックシートが便利ですのでおすすめしたいですね。
また、アルコールを始めとする薬物中毒は、この人にとっては完全に自己責任であるというのも気になるポイントですね。浴びるように酒を飲むというのは、病気です。そのまま本人のせいにしていても解決することはありません。
運用コストを度外視する人々
違反者が極小数?何馬鹿言ってんだ?
それが2万人が全体の少数だったして1人あたり月に23万もらってるなら
23万円*人間のクズが2万人=みんなの税金が46億円が月に使われてるだぞ!!
年間ならクズのために552億円が消えていく!!
そこを強調しろ!!
「一人当たり月に23万円」というのはどこから涌いてきたのかわからないデマですが、言いたいことは「保護費の不正受給を取り締まれ」ということだと思います。
こうした意見に関しては、不正受給を取り締まるコストについてもぜひ研究・言及してもらいたいと思います。不正受給は金額にして全体の0.53%にすぎず、またその中身としても大きな悪意のない軽微な違反(子どものアルバイト料を申告し忘れたなど)が含まれています。不正受給=クズというのは、あまりにも安易なレッテル貼りです。
「不正受給を取り締まれ!」というのは「犯罪を取り締まれ!」という主張と同義の原始的でナイーブなものだと思います。犯罪をゼロにすることができないのと同様に、悪意ある生活保護詐欺をゼロにすることはできません。
受給開始前・受給中の審査を厳しくすればするほど、人件費が増大し、漏給や水際作戦の問題が大きくなっていくので、その社会的なコストを考慮する必要があるでしょう。犯罪をゼロにしろ!と叫んだところで、問題は解決しませんし、むしろそれによって国や制度への不信と怒りが蔓延し、社会自体が劣化していくでしょう。子どもばかりだと、そうなっちゃうんでしょうね。
ぼくは今の生活保護行政はしっかり頑張っていると思いますよ。むしろ生活保護を受けられるのに受けていない人が多い(=補足率が低い)方が問題でしょう。これ以上不正受給を取り締まると、漏給、冤罪が増え、結局は社会的なマイナスの方が大きくなると考えています。
太っているから何?
先日「あの人が「デブ」なのは「自己管理ができていない」からではなく、「遺伝子」のせいかもしれない。」という記事を書きましたが、相変わらずこのような意見も見受けられます。
そもそも、生活保護受給者や、生活保護に肯定的な方ほどフクヨカ(太ってる)なのはなぜ?
障害があって運動ができなかったり、精神的な病で自己管理が難しかったり、薬の副作用だったり、所得水準が低いから野菜を買いにくかったり、むしろ社会的な弱者であればあるほど、太りやすいと思いますけどね。
ご存知の方も多いと思いますが、各国でも同様の調査は出ています。
2010年のロイター通信の調査では、年収5万ドル以上の成人の肥満率は24%ですが、1万ドル以下の成人では35%になっています。また、白人よりも黒人やラテン系に肥満の多い州が40州に上ることも分かりました。
食材を買うお金がなくて痩せているのではなく、お金がない人ほど肥満になっています。背景には、低所得層の人たちが、食費を節約するために、値段が安くカロリーの高い食品を買い求める傾向があることなども挙げられています。
というかそもそも、ふくよかだったら何なんでしょうね?体型で人を判断するとか、ちょっとぼくにはよくわからない感覚です。
みわさんはYahoo!ニュースの方に続きを投稿してますので、あわせてぜひ。
こういう人たちもいるのが社会ですね。
まぁ、彼らには悪気はないのでしょう。色々情報を得る機会がなかったり、日々を苦しんでいるから、こういった意見になってしまうんだと思います。環境に恵まれてきた人は、誰かを一方的に「クズ」とか詰ることはないでしょうからね。
というわけで、生活保護制度を設計するにおいては、こういった人々が存在することを前提とすべきなのでしょう。
この文脈ですでに語られていますが、ぼくは「マイナンバー制度+給付付き税額控除」という仕組みがいいのではないか、と期待しております。この仕組みなら、不正受給の取り締まりコストも下がり、受給にまつわるスティグマも軽減することができると思われます。
1年半ほど前に書いた記事:国連勧告に逆行する日本の生活保護と「マイナンバー」の可能性
問題に関心がある人はここら辺から読んでみるといいかと。
posted with ヨメレバ
みわよしこ
日本評論社
2013-11-15
posted with ヨメレバ
稲葉 剛
岩波書店
2013-11-21
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