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保護が必要な魚は、国際問題になっているクロマグロやニホンウナギだけでは…
保護が必要な魚は、国際問題になっているクロマグロやニホンウナギだけではない。
水産庁はこの秋、太平洋でのマサバ漁で、個々の漁業者に漁獲量を割り当てる「個別割り当て」制度を試験的に始める。
日本では、マサバを含む7魚種について、年間漁獲量の上限を設ける「漁獲可能量」制度を実施してきた。資源を守る観点から許される漁獲量を科学的に推計し、決める。
ただ、総枠だけでは「早く取った者勝ち」になりやすい。漁業者の不満を抑え、市況をにらみながら計画的な操業を促すのが、個別割り当ての狙いだ。
漁業関係者には、役所がかかわる公的管理の強化への反発が根強い。地域や漁協ごとに自主的に操業を規制し、魚を守ってきた例が少なくないからだ。規制がどんどん強化されると減船や廃業に追い込まれかねない、との不安も背景にある。
実際、日本型の自主管理について、「合意があるからこそ守られる」「担当職員が必要な公的管理より安上がり」といった利点が指摘されている。とはいえ、漁協中心の管理では、ときどきの豊漁・不漁で漁獲上限が決められるなど、科学的な根拠を欠きがちなのも事実だ。
自主規制と公的管理をうまく組み合わせ、効率的に水産資源を守る視点が重要だろう。
まずは、マサバの個別割り当てを通じてその利点と問題点を見極めたい。その上で、日本海北部でのスケトウダラ漁や、関係府県が20に及ぶトラフグ漁など、マサバと同様に保護の強化が必要な魚種でどんな対策をとるか、早急に検討すべきだ。
限られた「海の幸」を保護しつつ食べ、漁業者も安定した所得を得るために、漁獲量の制限は必要な対策のごく一部にすぎないことも忘れてはなるまい。
藻場の整備など魚が住みやすい環境を整える。さまざまな分野の知見を生かして養殖を強化する。漁業者は魚を取るだけでなく、消費者が手軽に食べられるよう加工し、販売まで手がける「6次産業化」によって所得を増やす。課題は山積みだ。
太平洋でのクロマグロ漁では、最大の消費国であるわが国が30キロ未満の未成魚の漁獲量をかつての半分に減らすことを決め、9月の国際会議で同様の対策を呼びかける。「絶滅危惧種」に指定されたニホンウナギは将来、国際的な商取引が禁止されかねない状況だ。
後手に回ると対策は大がかりになり、手遅れになる恐れも高まる。食卓を守るためにも早め早めに動くことが大切だ。
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