「歴史問題、日本の誠意足りないなら具体的に指摘を」

「韓日関係50年と未来」カンファレンスで両国の研究者が議論
「慰安婦問題めぐる韓日局長級協議、格上げすべき」
共同宣言の必要性も浮上…韓日関係の冷え込みは経済にも悪影響
韓日関係改善に向け10大提案、「歴史・安保を分けてアプローチ」

 本紙とニア財団は29日、済州島で「韓日関係50年と未来」をテーマとするカンファレンス(会議)を開催した。このカンファレンスで韓日両国の学者は、歴史・領有権問題などで冷え込んでいる韓日関係を改善するための案をめぐり知恵を絞った。

■「日本は信頼を覆してはならない」

 平岩俊司・関西学院大学教授は、歴史問題について「日本人は、誠意を示したと思っている。それでも足りないというのなら、具体的にどうすべきか言ってほしい」と語った。これに対し、シン・ガクス元駐日韓国大使は「日本は『誠意を示したのに、なぜ何度も問題にしてくるのか』と言うが、被害者の心をつかめない政策は失策」と語り「1990年代以降、河野・村山・菅談話が相次いで出るなど素晴らしい進展があったが、それを覆す行為が繰り返された。『誠意を示せ』というのは、そういう意味だ」と指摘した。新しい何かを要求しているのではなく、これまで両国が地道に積み上げてきた信頼を覆す行為をやめるべき、というわけだ。

 従軍慰安婦問題を、現在のように外交部(省に相当)の局長協議に任せることについて、両国の学者はいずれも反対した。シン・ガクス元駐日大使は「両国政府だけでなく、被害者まで含めた3者合意の帰結点を探るよう、もっと積極的に努力すべき。この作業が果たして局長級会議でできるかどうか、疑わしい」と指摘した。チョ・ヤンヒョン国立外交院教授も「双方がどこまで譲歩すべきかの問題を局長クラスで話し合うというのは、非常に無責任」と語った。

 安倍首相の靖国神社参拝をめぐり、東郷和彦・元外務省条約局長は「私は、個人的には靖国神社参拝の支持者」と述べる一方で「現在の状況で首相が靖国神社を参拝したら、国際社会がこれをどう受け止めるかを考えるべき」と指摘した。東郷氏は、靖国神社に合祀(ごうし)されているA級戦犯、東郷茂徳・元外相の孫に当たる。

 また東郷氏は「北方領土をめぐり、日本政府が(ロシアに)示してきた一貫性に比べると、竹島(韓国名:独島)はずっとソフトな問題」と語った。河合正弘・東京大学名誉教授も「日本が(領有権をめぐり中国と対立している)尖閣諸島(中国名:釣魚島)のように、竹島に戦闘機・艦船を送ることはない。韓日関係は、日中関係に比べ、はるかに調整しやすく、管理が可能」と語った。本紙の姜孝祥(カン・ヒョサン)編集局長は「今は、行き違いが生じている韓日関係を修復し、新たな時代に向かうチャンス。日本政府が慰安婦など歴史問題でもう少し前向きな措置を用意すれば、韓日関係は一段階成熟した姿になっていくだろう」と語った。

済州= 李竜洙(イ・ヨンス)記者
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