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旧・サモナーは最弱?いいえ、チートです 作者:佐藤辰也

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 ログインした。
 なんか体がだるい。
 ステータスを見ると空腹によるマイナス補正が出てる。
 宿屋の食堂に赴き食事を取る。
 食事が済んだのでポーションつくりを始めようと思うが、部屋に居られるのが10時までなので更にお金を払っておく。
 どうせ、暫くはこの宿に泊まるので10日分纏めて支払った。
 1泊100Gだから10泊1000Gの出費となった。
 これで安心してポーションつくりに専念できる。
 部屋に戻る前に、女将さんにある頼みをする。
 それは、ナイフを借りれないか、と言うこと。
 薬草を手で千切っていたが、かなり大きいのですり潰すのに時間が掛かってしまう。
 そこを改善するべくナイフで細かく刻んでからすり潰してみたらどうかと考えたのだ。
 女将さんは渋っていたが粘って何とか承諾を得た。
 借りられたナイフを鑑定する。

 ブロンズナイフ 品質 F+ 重量 1 種類 短剣
 銅で出来たナイフ。それ程切れ味は良くない。ATK+5。

 まあ、こんなもんだろうな。
 ナイフを手にして部屋に戻る。
 薬草を1つ取り出してナイフで切り刻む。
 なるべく細かく刻んでから乳鉢に移す。
 そこからの作業は同じだったが、すり潰す時間が大幅に短縮できた。
 今まですり潰すのに10分くらい掛かっていたが、今回は約半分の6分くらいで済んだ。
 そして完成した物を鑑定してみる。

 ポーション 品質 F+ 重量 1
 回復薬。HPが8%回復する。

 いきなりF+か。幸先良いな。
 この調子で頑張ろう。
 その後も薬草をナイフで細切れにしてからすり潰すという方法で調合していく。
 5個くらい作ってみると、何とF+が4つ、E-が1つと言う結果が出た。
 どうやら、薬草をナイフで細切れにしてから作った方が品質が良くなるみたいだ。
 これは思いがけない良い結果になった。
 時間も短縮できる上に品質も良くなるとはな。
 気を良くして更にポーション作りに精を出す。
 全部を作り終わるのに約180分、3時間程掛かった。
 昨日と比べて約120分、2時間の短縮が出来た。しかも品質は向上しているので実に気分がいい。
 出来上がった品は、E-が4個、F+が26個になっていた。
 しかも作った物を鑑定している最中にインフォメーションが鳴った。

 《鑑定のレベルが上がりました!》

 鑑定か。
 鑑定のレベルが上がってもあんまり実感を感じないんだよな。
 今の所鑑定できない物は無いし、レベル上げる意味があるのか?
 そう思いはしたものの、上がって損するわけではないのでスルーすることにした。
 出来上がったポーションを持って、冒険者ギルドに向かった。
 勿論、宿を出る前に女将さんにナイフを返しておいた。
 冒険者ギルドでポーションを納品し、940Gの報酬を貰った。
 おう、宿屋代ぐらい稼いだな。かなりの収益だ。
 さて、もう一度ポーションのクエストを受けるか、それとも討伐クエストを受けるかどっちにするかな。
 ポーションのクエストを受けるのはいいが、今の俺だと30個のクエストしか受けられないんだよな。
 もっと受けたいところだが、それ以上になると鞄に入れられないからな。
 そのためにレベル上げをするか?
 レベル3にすれば80個までのクエストを受けられるし、レベル4にすれば最大の100個まで受けられる。
 取り敢えずはレベル3に上げとくか。
 となれば討伐クエストを受けるか。
 スライム・野ウサギ・バットの討伐クエストを受ける。
 討伐数をもう少し増やして各20匹にした。
 各討伐の数は最小が10匹で、そこから5の倍数で上がっていき最大30匹まで受けられる。
 30匹にしても良かったが、レベルが上がらなければ途中でドロップアイテムを持ちきれない恐れがあったので止めた。
 多分30匹づつ倒していれば途中で上がる気がしたが、念のため。
 さて、クエストを受けたから早速討伐に行かないとな。
 召喚モンスターはレベルが上がるまでラビットのままでいいか。
 上がった後はリンと交代させよう。
 町を出てモンスターを探す。
 近くにいるのは、スライムか。
 さっさと倒すか。
 初っ端から火魔法のファイヤーボールを放つ。
 スライムだとファイヤーボールがよく効く。
 レベル1のスライムだと7割から8割近く削ることが出来る。
 そこへラビットが攻撃をする。
 ラビットは動きが早いためスライム相手だとヒット&アウェイ、と言う戦法が取れる。
 そのため、殆どダメージを受ける事無くスライムを倒すことが出来る。
 これは実に楽だ。
 俺は最初にファイヤーボールを放てはいいだけだで、後は観戦していればいい。
 前に手を出そうとしたが、その前に片が付いてしまってからは手を出すことはしないようにした。
 野ウサギ相手だとこうはいかない。
 ファイヤーボールを放っても、偶にだが躱す奴もいる。
 喰らっても、ダメージは6割強くらいでラビットが攻撃をしてもなかなか倒せない。
 だから、その時は俺も杖で叩いて攻撃をする。
 俺とラビットで攻撃すれば相手に反撃をする暇が無くそのまま倒せる。
 客観的にみると動物虐待に見えるだろうな。
 けど、これはモンスターであって、動物ではない!
 だから動物虐待には当たらない!
 なんてな。
 まあ、他の奴等も数人がかりで攻撃しているから、そんなことを言ってくる奴はいないけどね。
 ただ、バットと戦うのだけは一苦労する。
 空を飛んでるから、魔法で攻撃するか、攻撃してきた所を叩き落とすかしないといけない。
 無月の時は空中戦が出来たけど、それ以外だと叩き落とさない限り攻撃が出来ない。
 魔法も迎撃も上手くやらないと打ち落とす事が出来ないから、バットの討伐が一番面倒だ。
 他のプレイヤーを見ると同じような戦法を取っているのを見かけた。
 弓を使っているプレイヤーは撃ち落としているのを見かけたけど。
 弓か。
 スキルポイントあんまり無いし、取ったとしても上手く扱える自信が無いな。
 暫くはこのままのスタイルで行くしかないな。
 その後も順調にモンスター退治をしていく。
 その途中でインフォメーションが鳴る。
 来たか?

 《回避のレベルが上がりました!》

 回避かよ!
 くそ、まだレベルは上がらないのか。
 まあいい、どんどん狩って行こう。
 暫くモンスターを買ってると再びインフォメーションが鳴る。
 今度こそ来たか?

 《レベルが上がりました!》
 《任意のステータスを1つ上げてください》
 《スキルポイントが2つ入りました!》
 《解体のレベルが上がりました!》

 漸くレベルが上がったか。しかも解体のレベルまで。
 しかし、あんまり活躍してないんだよな、解体。
 レベル3になったから少しは良くなるのか?
 まあ、試してみれば分かるか。
 さて、何のステータスを上げるかな。
 前回は筋力を上げたから今度は知力でも上げとくか。

 種族 人間 性別 男 Lv3 (+1)
 職業 サモナー J.Lv2

 筋力 16
 耐久 14
 敏捷 14
 器用 15
 知力 22 (+1)
 精神 20

 これで、魔法の威力が少しは上がったかな。
 試してみれば分かるか。
 スライムが近くにいたのでスライムにファイヤーボールを放つ。
 ファイヤーボールはスライムに命中。
 そして、ダメージはなんと、9割近くまで減った。
 おお~。威力が上がってるな。
 これなら戦闘がもっと楽になるな。
 このクエストが終わったらもう少し強めのモンスターと戦ってみるか。
 クエストカードを確認すると後スライムが5匹、野ウサギが8匹、バットが7匹でクリアとなる。
 あと少しだ頑張ろう。
 その後スライムを立て続けに3匹倒すとインフォメーションが鳴った。

 《火魔法のレベルが上がりました!》
 《召喚モンスター「ラビット」のレベルが上がりました!》
 《任意のステータスを2つ上げてください》

 火魔法とラビットのレベルが上がったか。
 さて、ラビットのステータスは何を上げるか。
 敏捷を上げるのは確定だから、もう1つは何を上げるか。
 攻撃を優先するか、其れとも防御を優先するか、どっちにするかな。
 うーん、よし、攻撃を優先しよう。
 敏捷と筋力を上げよう。

 種族 野ウサギ ラビット Lv2 (+1)

 筋力 6  (+1)
 耐久 5
 敏捷 11 (+1)
 器用 5
 知力 4
 精神 5

 これでよし。
 ラビットがレベル2になったから、入れ替えるか。
 ラビットを還して、リンを召喚っと。
 リンを久しぶりに見た気がした。
「リン、頼むぞ」
 するとリンはプルプルと震えた。
 リンを引き連れて狩りを始めた。
 リンとは久しぶりなので、初めは上手く連携が取れなかったが、2戦目・3戦目となると上手く連携が取れるようになった。
 連携が取れるようになると戦闘はスムーズに済むようになった。
 残りのモンスターを狩り、各20匹倒した。
 この時、漸く解体が活躍した。
 レアアイテム?のウサギの肉を3個手に入った。
 他にも僅かだけど品質が良い物も手に入った。
 手に入った物はスライムの欠片が12個、ウサギの毛皮が9個、ウサギの肉が3個、蝙蝠の牙が11個、蝙蝠の翼が10個だった。
 その内のスライムの欠片2個、蝙蝠の牙1個、蝙蝠の翼1個がF+の品質だった。
 クエストを完了したので町に戻り冒険者ギルドに向かう。
 冒険者ギルドに向かう途中、武器屋に立ち寄った。
 理由はポーション作成に使うナイフを購入するためだ。
 薬草を切り刻んでから作成すれば品質が若干だがよくなることが判明したからな。
 宿屋に借りっ放しにするわけにはいかないだろうから、購入するわけだ。
 しかし、ナイフと言ってもかなりの種類があるな。
 ダガーやマインゴーシュなどあるが、普通のナイフでいいな。
 そのナイフも何種類かある。
 種類は銅・鉄・鋼・ミスリルの4種類。
 値段は銅から100G・250G・500G・2500Gとなっていた。
 鑑定した内容は次の通り。

 ブロンズナイフ 品質 F+ 重量 1 種類 短剣
 銅で出来たナイフ。それ程切れ味は良くない。ATK+5。

 アイアンナイフ 品質 E- 重量 1 種類 短剣
 鉄で出来たナイフ。ATK+12。

 スチールナイフ 品質 F+ 重量 1 種類 短剣
 鋼で出来たナイフ。ATK+19。

 ミスリルナイフ 品質 E- 重量 1 種類 短剣
 ミスリルで出来たナイフ。ATK+27。MPを使うと切れ味が増す。魔法の阻害をしない。

 ミスリルは高いだけのことはある。
 調合、ポーション作成だけに使う物なのにこんな高い物をなぜ見るのかって?
 なんとなくだ。
 ここには売っていないが、他にはダマスカスやオリハルコンで出来た物もあるらしい。
 金額的にはギリギリ、何とかミスリルナイフを購入することが出来る。
 しかし、これを買うとお金は無くなってしまう。
 が、ポーション作成80個のクエストを受ければ多分だが取り戻すことが出来る、はず……。
 それに今完了したクエストの報酬があるから使い切っても問題ない。
 うん、そう考えればミスリルナイフを買っても問題ないな。
 それに、安物だとすぐキレ味が悪くなりそうなんだよな。
 こういう物はお金を出し惜しみしない方がいい。
 そうと決まれば早速購入しよう。

「ありがとうございました」
 ミスリルナイフを買っちゃった。
 ミスリルナイフは腰に差した。
 これで粗0Gだ。正確には38Gだけだ。
 まあいい、冒険者ギルドで報酬を受け取ろう。
 冒険者ギルドのカウンターに向かった。
 受付嬢にクエストカードを提出。
 受付嬢はクエストカードをみて、完了していることを確認した。
「確かに完了してます。ではこちらが報酬になります」
 そう言って渡してきた金額は720Gになった。
 10匹で倒した時より金額がいい。なぜだ?
 聞いてみると、「よりたくさん倒していただくと報酬が良くなります」だそうだ。
 つまり30匹の討伐クエストの方が報酬が良いという事。
 次は30匹の討伐を受けよう。
 それよりアイテムを売るか。
 受付嬢に手に入れたアイテムを売る。
 その合計金額は400Gを超えた。
 これで所持金は1000G以上になった。
 そして、ポーション作成80個のクエストを受けた。
 概算だが、品質が最低でもF+なら2400Gになる。E-の品があればもっと高くなるわけだ。
 そうだ。
 ナイフを使うんだから、それに伴うスキルでも取得するか。
 ナイフは短剣の種類だからスキル名も短剣か?
 お、あった。やっぱり短剣だ。
 必要スキルポイントは2か。
 これくらいならいいか。
 後は何かいいのがあるか?
 スキル一覧を上から見ていく。
 武器スキルは今はいいや。
 魔法、生産、補助スキルで役立ちそうなものは……。
 そこである物が目に付いた。
 それは付与魔法だ。
 付与魔法を召喚モンスターに使えば戦闘がより良くなりそうな気がする。
 それと、調合って器用が関係しているよな?調合の時に器用が上がるような付与魔法を使えば品質が良くなるかも。
 取って置いて損は無さそうだ。
 必要ポイントは4か。ギリギリだな。
 よし、そうと決まれば、早速。
 新しいスキルは短剣に付与魔法か。
 役に立つことを願うぜ。
 さて、ポーション作成のために宿に戻るか。
 種族 人間 性別 男 Lv3(+1)
 職業 サモナー J.Lv2

 筋力 16
 耐久 14
 敏捷 14
 器用 15
 知力 22(+1)
 精神 20

 スキルポイント 0

 スキル
 杖 3 短剣 (NEW) 回避 2 (+1)
 召喚魔法 3 火魔法 3 (+1) 付与魔法 (NEW)
 錬金術 1 採取 1 調合 2 解体 3 (+1) 鑑定 4 (+1)

 種族 野ウサギ ラビット Lv2 (+1)

 筋力 6  (+1)
 耐久 5
 敏捷 11 (+1)
 器用 5
 知力 4
 精神 5

 スキル
 体術 1 危険察知 1
+注意+
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