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旧・サモナーは最弱?いいえ、チートです 作者:佐藤辰也

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 さて、今日は何をするかな。
 そういえば、昨日採った薬草が1つ残っていたか。
 調合スキルを使ってみるか?
 しかしどうすればいいんだろう。
 適当にやっても失敗するだけだろうし。誰かに聞いてみよう。
 街の中を歩いて、薬草を調合していそうな場所を探す。
 目についたのは、薬局の様なお店だ。
 ここで聞いてみるか。
 店内に入る。
「いらっしゃいませ」
 店員、いや、店主か?が声を掛けてきた。
 声を掛けてきたのは30過ぎの男性だ。
「あの〜、聴きたい事があるんですが」
「はい、何でしょうか?」
「薬草を1つ持っているんですが、どうやって調合すればいいか、分かります?」
「なんだ、客じゃねえのか。……調合のスキルは持ってるか?」
「はい、持ってます」
「道具は?」
「道具、ですか?」
「その様子だと持ってなさそうだな。……ほら、これだ」
 男性が取り出したのは木箱だった。
 蓋を開けると中には、乳鉢やら擂り粉木、メスシリンダーなどが入っていた。
「こいつは初心者向けの安いやつだ。これを持って無ければ調合など出来ねえぞ。買え」
「いくらですか?」
「500Gだ」
「はい、500G」
「おう、毎度あり」
 木箱を手にし、鑑定してみる。

 初級調合セット 品質 F+ 重量 5
 初心者向けの調合セット。簡単な物しか作れない。

「で、薬草の調合だったな?」
「はい、お願いします」
「薬草の調合は簡単だ。薬草を適当にちぎりそれをよくすり潰す。潰し終わったら水を入れてよく掻き混ぜる。これで出来上がり。後は容器に入れて完了だ」
「成る程、分かりました。ありがとうございました。後、容器は売ってますか?」
「ああ、有るぞ。1つ10Gだ」
「10個ください」
 100G取り出す。
「はいよ、10個だ」
 1つを手にして鑑定する。

 ガラス容器 品質 F+ 重量 0.5
 ガラスで出来た容器。100ccまで入れられる。

「因みに薬草を調合した物ってなんですか?」
「ポーションだよ。これがそうだ」
 店主が取り出した物は先程購入した容器と同じ物に緑色の液体が入っていた。鑑定してみる。

 ポーション 品質 E 重量 1
 回復薬。HPが10%回復する。

 これがNPCが売っているポーションか。
 PCが売っていた奴だとF~F+の品質だったな。
 Eにするの、意外と難しいのか?
 まあ、やってみれば分かるか。
「ありがとうございます。後は自分で作ってみます」
「おう、難しいだろうが頑張れよ」
 店を出たのはいいが、何処で作るか決めてない。
 それどころか、薬草が1つしかないからもっと集めないとな。
 まずは、薬草を取るために手シャベルでも買うか。
 売っている場所は農芸品が置いてある場所、雑貨店に行けばいいか。
 アルトの町、中央付近にだいたいのお店があるから、外からお店の売っている商品を見て目的の品を探す。
 見て回ること3軒目に目的の店が見つかった。
 雑貨店と言うよりか、農具店と言った方が近い。
「いらっしゃいませ、何をお探しですか?」
「薬草を取るのに手シャベルを使おうと思ってるんですが」
「手シャベルですか。でしたらこちらになります」
 店主の言う所を見ると手シャベルが何種類かあった。
 鑑定で見た結果、木と銅と鉄と鋼の4種類で木<銅<鉄<鋼の順で品が良くなっている。
 値段も同じで安い方から50G・150G・300G・700Gとなっていた。
 鋼のを買う事は出来るが、買ってしまうとお金が殆ど残らない。
 これも先行投資として鋼を買うか、それとも節約して木を買うか。迷うな。
 長い目で見れば木より鋼の方がお得なんだろうな。
 そう考えると無理してでも鋼を買っておくべきか。うん、決めた。
「この鋼の手シャベルを下さい」
「はい、700Gになります」
 お金を払い鋼の手シャベルを手にいれた。
 鋼の手シャベルの詳しい鑑定は次の通り。

 鋼の手シャベル 品質 C- 重量 2
 鋼製の手シャベル。より固い地面も掘り起こすことが出来る。
 採取補正(小)

 採取に僅かだが補正が付くみたいだ。
 これでより良い品が手に入れられる。
 後は薬草を手に入れるだけだけど、どうせならクエストを受けるか。
 冒険者ギルドに立ち寄った。
 掲示板に張り出されているクエストは昨日とほとんど変わらない。
 なので、スライム、野ウサギ、バット、薬草のクエストを受けた。
 内容は昨日と同じだ。
 いっちょやったるか。
 まずは討伐のクエストを済まそう。
 スライム、野ウサギ、バットをランダムで狩っていく。
 10匹ほど狩った所でインフォメーションが鳴る。

 《杖のレベルが上がりました!》
 《召喚魔法のレベルが上がりました!》
 《「無月」の体術のレベルが上がりました!》

 お、召喚魔法のレベルが上がったか。
 次は野ウサギと契約を結ぶか。
 野ウサギと契約するためにまずは探す。
 近くにいるのはスライムで、少し離れたところに野ウサギがいる。
 スライムはスルーして、野ウサギに近付く。
 余り近くに行くと攻撃されるから程々の距離にして、と。
 うん、これくらいかな。
 それじゃあ早速。
「コントラクト」
 《対象を選んでください》
 野ウサギを選んで、と。
 《野ウサギに使います。よろしいですか?》
 Yes。
 《コントラクトに成功しました!名前を付けてください》
 よし、成功。
 さて、何て名前にするかな。
 兎だからラビットかバニーにするか。でも、ちょっと安直すぎるか。
 うーん、浮かばないな。
 もういいや、ラビットにしよう。
 さて、ラビットのステータスは?

 種族 野ウサギ ラビット Lv1

 筋力 5
 耐久 5
 敏捷 10
 器用 5
 知力 4
 精神 5

 スキル
 体術 1 危険察知 1

 敏捷特化か。

 《召喚できる数を超えています。送還します》

 ラビットが送還されて消える。
 ラビットだけレベルが1だからラビットのレベルを上げるか。
 無月を送還しラビットを呼んだ。
 ラビットは、見た目はただのウサギ。
 近寄ってラビットを抱き上げる。
 おお、可愛いな。しかも、モフモフしてる。
 撫でていると何か幸せな気分になりました。
 こういう事をしてるとこれ目当てにサモナーかテイマーになる人がいてもおかしく無い気がする。
 実際、其の内出てくるかもな。
 もう1つのアカウントを作成してでも。
 モフモフを十分堪能できたので、ラビットを地面に下ろした。
 これで良し。さて狩りを続けるか。
 残りの数はスライムが6匹、野ウサギが6匹、バットが8匹だ。
 今の所解体スキルは活躍せず。
 スライムの欠片が3つ、ウサギの毛皮が2つ、蝙蝠の牙が1つ、手に入った。
 その後も順調に狩りを続け、全てが片付き、アイテムを鑑定していたときにまたインフォメーションが鳴った。

 《鑑定のレベルが上がりました!》

 今度は鑑定か。
 アイテムはスライムの欠片を4つ、ウサギの毛皮を3つ、蝙蝠の牙を5つ、蝙蝠の翼を6つを更に手に入れた
 討伐は済んだから、今度は薬草を採取しないとな。
 草の生えている茂みに入り、薬草を探す。
 薬草を見つけると、購入した鋼の手シャベルを取り出す。
 慎重に根を傷つけないように手シャベルで掘り起こす。
 掘り起こしたら根に着いた土を払い鑑定をする。

 薬草 品質 E- 重量 0.1
 薬の原料。調合すれば薬品になる。調合せずに使ってもわずかに回復する。HPが1%回復。

 僅かだが、品質が上がってるな。
 これもこの鋼の手シャベルの効果だな。
 残りあと9個でクエスト完了。
 それプラス、調合のために9個。合わせて18個だな。
 その後は薬草を見つけては手シャベルで掘り起こすという事を繰り返す。
 そして、全部で19個の薬草を手に入れた。
 おし、これでクエストは完了だな。
 町に戻ろう。
 アルトの町に戻り冒険者ギルドに入る。
 受付嬢にクエストカードと薬草10個を渡す。
「確かにクエスト完了ですね。薬草の質も良いですので報酬は少し高めです」
 そう言って、報酬400G渡された。
 それプラス、手に入れたドロップアイテムを売却する。
 後は薬草を調合するだけだけど、何処でやるかな。
 受付のお姉さんに聞いてみるかな。
「済みません。薬草を調合したいんですが、どこかいい場所がありませんか?」
「そうですね。店を持っていない方だと道端で行っている方もいますけど、大体の人は宿で行っていますね」
「宿で、ですか。分かりました」
 さすがに道端で行う気にはなれないので宿屋に向かう。
 宿屋で部屋を借り、部屋に入ると調合を行うため準備をする。 
 調合セットと薬草を取り出し、桶を借りて水を汲んできた。
 まずは昨日取った質の悪い薬草から試してみるか。
 F-の薬草を手で千切って乳鉢に入れる。
 その後はすり鉢で丁寧にすり潰す。時間にして大体10分ほど。
 潰し終わるとメスシリンダーで水を90CC量り、乳鉢に注ぐ。
 それをすり鉢で掻き混ぜ、よく混じったところでガラスの容器に入れる。
 これで完成。鑑定で見てみる。

 ポーション 品質 F 重量 1
 回復薬。HPが7%回復する。

 質が悪いな。
 今度はE-の薬草で作ってみよう。
 工程は先程と全く同じ、で完成品がこれ。

 ポーション 品質 E- 重量 1
 回復薬。HPが9%回復する。

 だいぶ良くなった。後は数をこなして調合のレベルを上げれば品質Eになりそうだ。
 その後は残りの薬草を調合し、E-が2つ、F+が6つ出来た。
 F+は8%回復する品になっている。
 そうそう品質の段階だけど、最低がF-で最高がS+の21段階評価だ。
 けどSクラスはまず出ない。
 良くてBクラスで運が良ければAクラスになるかどうかという感じらしい。
 今の俺じゃあ、当分無理だな。
 出来上がったポーション、E-を残して他は売るかな。
 どこで売るかな。冒険者ギルドで聞いてみるか。
 一旦宿を出て、冒険者ギルドに向かう。
 冒険者ギルドに着くとカウンターにいる受付嬢に聞いてみる。
 すると、クエストにポーション作成があるそうだ。
 数は最低で10個で次に20個。その次が30個とプラス10個で増えていき、最高が100個。
 材料の薬草と容器はギルドで揃えてくれるそうなので、後は作るだけ。
 取り敢えず今ある10個のポーションをクエストでクリアしたことにする。
 E-を3個、F+を6個、Fを1個を提出する。
 報酬は420Gとなった。
 これは容器の代金も含まれている。
 更にポーション作成30個を受けた。
 薬草と容器を各30個受け取る。
 薬草の質は全部がF+だった。E-以上の物は腕のいい職人さんに渡しているそうだ。
 宿に戻ると、早速ポーション作りに励む。
 薬草の質が悪いせいか、それとも俺の腕が悪いのか、もしくはその両方か。
 どんなに丁寧に作ってもFの品しか作れない。
 偶にF+の品が出来るが偶然の品としか言いようがない。
 ポーションを作っているとインフォメーション鳴った。

 《調合のレベルが上がりました!》

 おっと、調合のレベルが上がったか。これで少しは品質が良くなるといいな。
 調合のレベルが上がった為、ポーション作りの作業手際が若干良くなった気がする。
 その後もポーション作りを続けた。
 出来上がった品はF+が3個、後の27個はFの品になった。
 全部が出来上がったのは夜遅くになった。
 なんせ1個当たり10分掛かっているから、全部で300分、5時間掛かったことになる。
 そろそろログアウトするべきだが、その前にポーションを納品して来るか。
 再び宿を出て、冒険者ギルドに向かい、カウンターでポーションを納品した。
 報酬は430Gになった。
 討伐系のクエストを受けるより報酬はいいな。けど、掛かった時間を考えると討伐系のが効率がいいか?
 でも、ポーションの品質が良くなれば報酬も良くなるからな。
 調合のレベルを上げるためにしばらくはポーション作りのクエストを受けるか。
 ポーション作りのクエストを再び受けた。
 数も同じく30個にした。
 薬草と容器を30個づつ受け取った。
 材料を受け取ったので冒険者ギルドを出て、宿屋に戻った。
 部屋の中に入って時間を確認すると23時を過ぎていた。
 今日はここまでにしてログアウトするか。
 ベッドに横たわり、ログアウトする。
 ログアウトする時、明日の事を考えた。
 明日は、ポーション作りを中心に行動するかな。
 それとも、レベル上げに専念するか。
 さて、どちらにするか。
 ま、明日決めればいいか。
 種族 人間 性別 男 Lv2
 職業 サモナー J.Lv2 (+1)

 筋力 16
 耐久 14
 敏捷 14
 器用 15
 知力 21
 精神 20

 スキルポイント 4

 スキル
 杖 3 (+1) 回避 1
 召喚魔法 3 (+1) 火魔法 2
 錬金術 1 採取 1 調合 2 (+1) 解体 2 鑑定 3 (+1)

 種族 バット 無月 Lv2

 筋力 6
 耐久 6
 敏捷 6
 器用 6
 知力 5
 精神 6

 スキル
 体術 2 (+1) 音波 1

 種族 野ウサギ ラビット Lv1 (NEW)

 筋力 5
 耐久 5
 敏捷 10
 器用 5
 知力 4
 精神 5

 スキル
 体術 1 危険察知 1
+注意+
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