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無月のステータスにある音波を調べてみる事にする
無月のステータスを開き音波をクリック。
しかし何も出てこない。
おかしいをと思ってヘルプで調べる。
すると、召喚モンスターのスキルは自分で調べてくださいとあった。
仕方がない。実際に使って試すしかないか。
まずは索敵する。
近くにいたのは野ウサギ。
丁度いい。こいつで試してみよう。
野ウサギに近付き、無月に指示を出す。
「無月、こいつに音波だ」
無月はキキィと鳴いた。
すると、野ウサギはよろけた。
ん?どうしたんだ?
野ウサギは体制を整えると俺に向かってきた。
「無月、もう一度だ」
再び無月が鳴くと野ウサギがふらついた。
無月の音波が原因で野ウサギに影響を及ぼしたのが分かった。
その後は無月と力を合わせて、野ウサギを倒した。
野ウサギを倒し終わった後無月に俺に向かって音波を放ってもらった。
すると、頭の中が揺さぶられて真面に立っていられなくなった。
どうやら、音波の効果は脳か、もしくは平衡器官を揺さぶり平衡感覚をなくすことらしい。
これはかなり使える。
生きている物、いや、脳もしくは平衡器官がある生物と言ったほうがいいか、に対して効果的だろう。
無月には音波を使って戦闘補助をしてもらおう。
その後何回かモンスターと戦いアイテムがいっぱいになった。
さて、一旦町に戻るか。
手に入れたアイテムを売るためだ。
最初の町アルトに戻る。
町に入ったはいいが、何処でアイテムを売ればいいのか分からない。
町の入り口にいる人に聞いてみる。
「あのー、すみません。アイテムを売りたんですが、何処で売ればいいですか?」
「なんのアイテムだね?」
「モンスターから手に入れたアイテムなんですが」
「ああ、それなら冒険者ギルドだね」
「冒険者ギルド、ですか?」
「おや、知らないのかい?町の中央にある建物だよ。デカいから分かるはずさ。行ってごらん」
「分かりました。行ってみます」
今話をした人物はゲームのキャラクターのNPCだ。
俺みたく人間が操っているキャラクターはPCと言う。
区別の仕方は簡単だ。
キャラクターに表示されている文字が緑色の人物はNPCで、白色で表示されている人物がPCだ。
メニューウィンドウからマップを開きこの町の地図を見る。
それを見ながら中央へと向かう。
中央へと向かっている最中、PCだと思われる人物にじろじろ見られたり、何やら言われていた。
中には態と聞こえるように言っている者もいた。
「おい、あいつモンスターを連れているぜ」
「本当だ。ってことはサモナーかテイマーって事か」
「連れているモンスターが1匹ってことは、サモナーだろ」
「マジかよ。地雷職の中の地雷職じゃねえかよ。まだテイマーの方がましだぜ」
うるせーっつうの。
俺だって、地雷職だって知ってたら、サモナーなんてしなかったっての。
こうなったら、サモナーが使えるって見返してやる。
そう思いながら道を進んだ。
町の中央付近まで来るとNPCが言っていた冒険者ギルドらしい建物が目に入った。
付近の建物と比べてかなり大きい。
これは確かにすぐに分かるわ。
中に入っていく。
冒険者ギルドの中はかなり広い。
カウンターがあり5人の受付嬢がいる。誰もが美人だ。
そして広場には掲示板があり何か張り出されていた。
取り敢えず、受付嬢に聞いてみるか。
「すみません。アイテムを売りたんですが」
「アイテムの買い取りですね。どんなものでしょうか?」
「これです」
取り出したのは、スライムの欠片が27個、ウサギの毛皮(小)が13個だった。
「鑑定しますので少々お待ちください」
受付嬢はアイテムを1個1個手にして鑑定していく。
「鑑定が終わりました。全部で265Gになります。よろしいですか?」
「はい、お願いします」
「では、こちらになります」
265Gを受け取った。
「お客様は初めてお見えしましたが、こちらのご利用したことはございますか?」
「いいえ、今が初めてです」
「それならば、ここのご利用の説明をしたいと思いますがよろしいでしょうか?」
「はい、お願いします」
「ここは冒険者が集う、冒険者ギルドです。ここではクエストを受けたり、アイテムの買い取りを行っています。クエストはあちらに張られてある張り紙のから選んでいただきます」
そう言って指し示したのは広場にある掲示板だった。
「受けたいクエストを決めましたら、その張り紙に張られてある番号をお伝えください。そうすると此方にあるこのカード、クエストカードをお渡しします。このカードには受けたクエストの種類と内容、達成度が表示されます。失くされるとクエスト失敗と見做されるのでお気を付け下さい。クエストが完了しましたら、このカードを私共に提出してください。クエストの種類によっては品物も一緒にお願いします。カードを確認、クエストによっては品物も確認して完了していることが認められましたらクエストは成功です。クエスト通りの報酬を差し上げます。これがクエストの流れですが、分からないことはございますか?」
「いいえ、特にはありません」
「買い取りについては先程行ったのでお分かりかと思います。買い取れる品物は、モンスターから手に入ったアイテムだけですので、お気を付け下さい」
「はい、分かりました」
「何かほかにございますか?」
「うーん、そうだな。戦闘とかについても聞いてもいいか?」
「ええ、分かる範囲でしたら」
「それじゃあ。モンスターが落とすアイテムだけど、もっと良い品を落としたりするスキルとかって無いか?」
「良い品を落とすかどうかは分かりませんが、「解体」と言うスキルがございます」
「どんな効果?」
「モンスターが落とすアイテムの質が良くなるというスキルです」
「質が良くなるとどうなる?」
「買い取り額が上がります。同じアイテムでも、品質がFの物とEの物では、Eの方が高い値段をつけさせて貰ってます」
「成程。持っていた方が良いスキルだな」
「そうですね。身に付けておいた方が宜しいかと」
「他に役立ちそうなスキルってある?」
「その人がどうしたいかによって違いが出ますので、どれがいいかは一概には言えません」
「それなら、そこに張り出されているクエストで役立ちそうなスキルは?」
「それでしたら。クエストには大きく分けて3種類あります。1つ目は討伐クエスト、これはモンスターを倒すクエストですので戦闘スキルが役に立ちます。2つ目は採集スキルです。例えば薬草を集めて欲しいとか、鉱石を集めて欲しいと言ったクエストです。その目的にあったスキルが無いとこのクエストは達成できないでしょう。3つ目は生産クエストです。これも専用のスキルが無いと生産が出来ません。ポーション作成なら調合。剣や鎧ならば鍛冶。杖や弓ならば木工。と言ったスキルが必要になります」
「成程。分かった」
「他にはございますか?」
「今の所は無いな」
「では、また何かございましたらお声をおかけください」
「分かった」
カウンターから離れ、広場にある掲示板の前に来た。
どうせなら、クエストを受けようと思ったのだ。
クエストには色んな物があった。
クエストの種類は先程聞いたとおり、討伐、採集、生産の3種類だが、それぞれに沢山のクエストがあった。
その中で受けられそうなのは討伐のスライム、野ウサギ、バットくらいだ。
その討伐も10匹から始まり最大30匹までとなっていた。
スライムの討伐は1-Aから1-Eまで、野ウサギは2-Aから2-E、バットは3-Aから3-Eとなっていた。
取り敢えずは最小の各Aを受けようと思った。
他にできそうなクエストは……。
探してみると採集にある薬草と言うのが良いかもしれない。
これも10個から始まり最大は100個だった。
さすがに100個は持てないだろう。
これも最小のAを受けよう。
他は、ちょっと無理そうだな。
んじゃ、この4つを受けてみるか。
先程の受付嬢の元に向かった。
「あのー、クエストを受けたいんですが」
「はい、どのクエストでしょう?」
「複数でも大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ」
「それなら1-Aと2-A、3-A、そして10-Aをお願いします」
「……はい。ではこちらをお持ちください」
受付嬢は1枚のカードを差し出した。
カードには受けたクエストの内容と右側に数字があった。
スライムの討伐0/10と言う風に。
カードを受け取ると、冒険者ギルドから出た。
時刻は夕飯時。
ステータスを見ると満腹度が30%を切っていたので食事を取ることにした。
近くにある食事処に入り、定食を頼んだ。
料金は50G。
高いのか安いのかよくわからない。
料理が来るまで暇だったので、取得スキル一覧を見ていた。
スキルには色んな種類があった。
その中で今回のクエストに役立ちそうなものを取得しようと思った。
まずはこれ、解体スキル。
これが無いとモンスターの落とすアイテムの質は良くならないからな。
必要スキルポイントは1か。
1なら問題ない早速取得、と。
次は、戦闘に役立ちそうなものは特にないか。
なら薬草の採集に役立ちそうなものは……。
お、これなんかいいんじゃないか。
採取スキル。
効果は、採集する品物の品質を向上させる、か。
うん、これにしよう。
必要スキルポイントは2。
これも取得。
後は何かあるか。
うーん、これと言うのが無いか。
そうだ、薬草を採取するなら、それから何かアイテムが作れそうだな。
そういうスキルだと……。これか、調合スキル。
必要ポイントは3か。
これを取ると残りは4ポイントしか残らないな。
まあ、いいや。取っちゃえ。
後は、また今度にしよう。
スキルを取得し終わった頃に料理が運ばれてきた。
食事が済むと、街から出てクエストをこなそうとした。
時刻が18時を回って夜になっているためモンスターを見つけるのが大変だった。
特にバットが厄介だった。
夜の背景に紛れ込んで見つけにくいのだ。
何とか見つけ出すと無月の力を借りて何とか倒すことに成功した。
バットが落としたアイテムはこれだ。
蝙蝠の牙 品質 F 重量 1
蝙蝠の牙。加工すれば武器になる。
蝙蝠の翼 品質 F 重量 1
蝙蝠の翼。加工すれば装飾品になる。
どちらも加工すれば装備品になるが、そのためのスキルを持っていない。
他のモンスターも何とか見つけ出し、無月の音波を使って問題なく倒していく。
解体スキルは働いているのか、と疑いたくなるほどアイテムの質に変化が無い。
何匹目かの、野ウサギを倒したら、いつもとは違うアイテムを落とした。
それはこれだ。
ウサギの肉 品質 E 重量 3
ウサギの肉。料理すると結構美味しい。
ほう、料理が出来るのならばいいアイテムだ。
しかし、俺には料理が出来ない。
よって冒険者ギルドで買い取ってもらうしかないな。
何匹目かのモンスターを倒すとインフォメーションが鳴った。
《解体のレベルが上がりました》
これで少しは品質が良くなるか?
結果から言うと全く変わらなかった。
その後も順調に狩りが進み、全部の討伐クエストが完了した。
残るは薬草だけだ。
薬草は気が生えている近くにある草むらにあった。
最初は葉を掴んで引っ張って採取した。
すると品質がF-だった。
品質が最低のF-だったのは、採取の仕方が悪かったのだろう。
次に採取する時は根っ子を傷つけないよう杖で土を掘り起こして採取した。
すると今度は品質がF+になった。
やはり、最初の採取の仕方が悪かったようだ。
最初の奴は数に入れないであと9個薬草を採取した。
最初の以外は全部F+になっていたのでよかった。
今回は杖で掘り起こしていたが、スコップやシャベルで掘り起こせばもっと質は良くなったかもしれない。
これで全部のクエストは完了した。
時刻は22時を過ぎていた。
やっているかどうか分からないが、冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルドに着くとどうやらまだやっていた。
中に入りカウンターに向かう。
受付の人は受付嬢ではなくおっさんになっていた。
多分交代したんだろう。
受付のおっさんにクエストカードと、採取した薬草を渡した。
報酬金額は380Gとなった。
ついでにアイテムも買い取ってもらう事した。
買い取ってもらうアイテムは、スライムの欠片が5個、ウサギの毛皮(小)が6個、ウサギの肉が1個、蝙蝠の牙が6個、蝙蝠の翼が5個だ。
その合計金額は、223Gになった。
受付のおっさんに冒険者ギルドは何時までやっているのか聞いてみると、「冒険者ギルドは24時間、365日やってるよ」と言われた。
休みは無いのか?と聞くと「無い」と答えた。
コンビニと似たようなものか。
時刻もだいぶ遅くなったので、今日はここまでにしようと思う。
ログアウトするには宿に泊まらないとできないので、宿を探した。
見つかった宿は「宿り木」と言う宿だった。
取り敢えず、そこに泊まってログアウトした。
種族 人間 性別 男 Lv2 (+1)
職業 サモナー J.Lv1
筋力 16
耐久 14
敏捷 14
器用 15
知力 21
精神 20
スキルポイント 4
スキル
杖 2 回避
召喚魔法 2 火魔法 1
錬金術 1 採取 1(NEW) 調合 1(NEW) 解体 2(NEW) 鑑定 2
+注意+
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