定価:380円(税込)
表紙:小栗 旬
発売日:2014年8月26日
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九州在勤当時、会社のロッカーには常に雨がっぱと長靴、懐中電灯などをセットで置いていた。豪雨や台風に伴う災害取材への備え。残念ながら、一度も使わない年はほとんどなかった。
30代まではヘリ当番が多く、しばしば夜明けとともに現場に向かった。画板に住宅地図のコピーを挟んで膝に載せ、上空から土砂に埋もれたり水没した戸数を確認する。時には、集落すべてに斜線を引くことも。93年8月、鹿児島大水害の時もそう。古里の変わり果てた姿に声も出なかった。
実は幼い頃、親戚を土砂崩れで亡くしている。敷地は草木に覆われ、家の跡形もない。正直、普段思い出すことはないが、水害取材当時や今も水害報道に接すると、田舎道の晩夏の葬列がよみがえる。広島の悲しみを思う。
(潟永秀一郎)