デング熱2人発覚、代々木公園で感染か 週3回ダンス練習
厚生労働省などは28日、海外渡航歴のない都内在住の男性と埼玉県在住の女性がデング熱に感染したと発表した。既に感染が確認された埼玉の10代女性と同じ学校に通っている。東京・代々木公園で蚊に刺されたとみられ、国内感染は3人となった。
新たにデング熱の感染が確認された東京都の20代男性は海外渡航歴はなく、24日に発熱、頭痛などの症状があったため、25日に病院で受診した。27日に38度の熱が出て入院した。
また、埼玉県の20代女性は18日に発熱、25日に入院したが、快方に向かっている。いずれもこの日、国立感染症研究所の検査でデング熱に感染していることが判明した。
都などによると、感染が確認された3人は今月4日ごろから週3回のペースで学園祭に向けて昼頃から数時間、代々木公園でダンスの練習をしていた。ほかに約30人前後が練習に参加。都は、ほかの生徒にも発熱がないかどうか確認するよう求めている。
都ではこの日午後5時すぎから、代々木公園の渋谷門周辺の半径75メートル、約1万7000平方メートルにバリケードを設置して封鎖した。白い作業服に帽子やマスクをつけた職員が約2時間にわたって約800リットルの殺虫剤を散布した。媒介したとみられるヒトスジシマカの行動範囲は半径50メートルという。都は26日夕から27日朝に代々木公園で蚊35匹を採取したが、デングウイルスは保有していなかった。
都は、2004年度から毎年都内16か所で定期的に蚊を捕まえてデング熱などの感染症の調査をしている。今後は調査ポイントを増やす方針だ。
東京医大教授の浜田篤郎氏は「今後も散発的に感染者が出るかもしれない」とし、「1度に大量の患者が入ってこない限り、国内で大きな流行は起きない」と指摘した。国立国際医療研究センター病院の藤谷好弘医師(感染症内科)は「インフルエンザのように急速に広がるウイルスではない」と強調。感染しても半数は発症せず、重症化するのは発症者の1%で死亡はまれという。