防衛大学校を揺さぶる「中国美女学生スパイ」騒動
(SAPIO 2014年9月号掲載) 2014年8月11日(月)配信
名刺にメアドは
書き込むな
中国による自衛隊への工作活動といえば、何もスパイを使ったものばかりではない。「公然たる工作活動」と公安関係者が指摘するのが、中国政経懇談会(中政懇)だ。
「この団体の発足は1976年まで遡る。『自衛隊との対話の機会を設けてほしい』との中国側の申し出を受け、自衛隊の将官クラスOBを中国に派遣する団体として立ち上げられたものです」
中政懇の主な活動は年に一度、将官クラスによる訪中団を派遣し人民解放軍幹部と意見交換を重ねること。訪中は昨年までに36回にわたる。
「意見交換といえば聞こえはいいですが、中国側のねらいはOBとはいえ数年前までは自衛隊の中枢にいた将官クラスから情報を引き出すことにあります」(別の公安関係者)
中政懇が中国と交流を持つことに疑問を抱く防衛省幹部は少なくないが、自民党親中派の後押しや中国とのチャンネル維持を訴えるOBもいて現在まで活動が続いている。
手元にあるのは、一昨年6月に中政懇のメンバーが北京で中国側と意見交換したときの議事録だ。この年は尖閣諸島をめぐって日中の緊張が一気に高まった年である。