防衛大学校を揺さぶる「中国美女学生スパイ」騒動
(SAPIO 2014年9月号掲載) 2014年8月11日(月)配信
「P-3C」乗員の妻も
中国人
もちろん、帰化した学生に問題があると決めつけているわけではない。だが、帰化学生の家族間の接触や情報交換は、第三者によるチェックや制限のしようがない以上、その入学は極めて慎重に判断しなければならない。米国の場合、陸海空の士官学校に入学するには、正副大統領や上下院議員の推薦状がなければ認められず、FBIなどによる入念な身辺調査が行なわれる。
それに比べて防大のチェックは甘いと言わざるを得ない。
「今回の防大の件だけではない。防衛省や自衛隊の中国に対する警戒が十分でない事例は、少なくありません。例えば、イージス艦の情報漏洩疑惑事件がその典型です」(前出・公安関係者)
この事件は、海上自衛隊の二等海曹が特別防衛秘密(特防秘)に指定されるイージスシステムに関する情報を基地外の自宅に持ち出していたとして07年に神奈川県警が摘発したもの。イージスシステムとは、同時に10個以上の目標をミサイルで迎撃できるイージス艦の根幹となるシステムで、米軍が開発した。
「この事件の摘発にあたっては、前段となる問題がありました。摘発の前年に海自上対馬警備所勤務の一等海曹が内部資料を隊舎に持ち帰っていたことが発覚したのです。海上自衛隊の内部調査で、この一等海曹が中国の上海に無断渡航を繰り返し、市内虹橋地区のナイトクラブに通っていたことが判明しました」(神奈川県警関係者)
*このナイトクラブには、04年に中国公安当局から外交公電などを提供するよう脅されて自殺した在上海総領事館員も出入りしていた。15ページの囲み記事参照。