防衛大学校を揺さぶる「中国美女学生スパイ」騒動
(SAPIO 2014年9月号掲載) 2014年8月11日(月)配信
公安関係者は
「フタをされた」と
先ほどの和田議員の質問に防衛省は、防大では学生が渡航するたびに申請を出させており、無断で海外に渡航した学生の存在は確認できないと答えるばかりである。だが、防大関係者は、「本来は義務づけられている渡航申請は有名無実化している。学生は提出しないし、大学はチェックしていない」と内実を明かす。
さらに、この女子学生が問題とされたのは“無断渡航”だけではなかった。
「彼女が防大の外で借りていたアパートには、教官や複数の男子学生らが頻繁に出入りしていました」(同前)
この部屋の中で何が行なわれていたかは定かではない。しかし、“スパイ疑惑”が報道されるや、防大はすぐさまアパートを解約させ、幕引きを図った。冒頭で公安関係者がいう「フタをされた」とは、このことを指す。
「じつは今回の国会質問の以前から、我々の間で彼女の存在は知られていた。疑惑を解明すべく動いていたのですが、こうした形で露見してしまい、幕引きされると、仮に本物のスパイだったとしても中国も手を切らざるを得ない。防大に中国の魔の手がどの程度及んでいるかは不明です」(同前)
今回の騒動について防大広報に、取材を申し込むと、「全学生についてパスポートをチェックし、渡航歴を確認しており、特に問題はありませんでした。なお、学生に対して、アパートを解約する等の指導をした事実はありません」との回答が寄せられた。