タイタニック号の沈没というと、救命ボートの数が足りないなどのヒューマン・エラーが定説とされて来ましたが、ここに至って新説が現れて話題になっているのですって。
何と、当時は例年にない寒さの為に、本来なら航路に現れない筈の巨大氷山が流れてきてタイタニックに衝突したのですって。
アジアン・ニュース・インターナショナル(2014年8月19日付け)等によると、新説を提唱しているのは英国のシェフィールド大学のグラント・ビッグ教授(地球システム科学)。
当時の記録などから、それまでに例が無いほどの氷山の出現(1038個)が報告されたのが事故の起きた1912年。ちなみに、1980年以降は地球温暖化によって逆に出現数が再び増加の傾向にあるのだそうです。
しかも、この年は例年よりも早く氷山が南の方向に流れてきていた事も、教授の調べで明らかになっています。北緯48度の南下限界ラインを大幅に突破し、事故海域を漂っていたのだそうです。
つまり、「まさかこんな所に氷山が」となってしまったのですね。油断もまたヒューマン・エラーではあるのでしょうが…。
前年にグリーンランドから放たれた「刺客」
また、ジャーナル・シグニフィキャンスの報道(2014年7月号、PDFです)によると、タイタニック号と衝突した氷山が、どこから来たのかも教授らによって分かっているそうです。1911年にグリーンランド西南の氷河から分離したものだろうとの事です。コンピュータによる起動分析で、分離したときには500メートルあったのが数ヶ月の間に徐々に溶けていったそうですが、衝突時には125メートルの大きさだったと推定されていますから、いくらタイタニックが巨大でも衝撃は凄まじかった事でしょう。
教授は、タイタニックの悲劇は今の遠洋航海に重大な意味を持つかもしれないと総括しています。
「夏は氷山が経るだろうからと、北極圏を利用しての航行が将来特に増えるようになれば、衝突の危険性が増えるだろう。極地の氷床が同様に減っていくとなれば、氷山が増える事になるからだ。そして温暖化が続くと、こうした傾向に拍車をかけるだろう」としています。
102年を経た今も、要注意って訳ですね。
南如水・記
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