秋田県と仙台市は、規制緩和などを通じて地域の成長戦略実現や課題解決を目指す「国家戦略特区」の指定を目指す。秋田県は27日、人口減少対策をテーマにした規制緩和を盛り込んだ提案をまとめた。仙台市は女性や若者の起業促進を柱とした「ソーシャル・イノベーション創生特区」を提案した。地域経済の活性化に役立てる考えだ。
秋田県の提案の柱は、雇用の場確保のための産業振興、シニア回帰の促進、国の人口減少対策の先行実施の3項目。29日までに国に提案する。
産業振興では、農業の6次産業化に向けて他産業からの資本投入を可能にする農業生産法人の要件緩和や、再生可能エネルギーの発電所や送電網整備のために土地利用規制の緩和を求める。
シニア世代の回帰では介護人材の育成・確保のための外国人材の技能実習期間の延長などを盛り込んだ。佐竹敬久知事は「ハードルの高い規制緩和もあるが、全国に先駆けた実証の場となるよう指定を目指す」とした。
仙台市が25日に提案した特区の具体的な内容は(1)NPO法人の早期設立を可能にする(2)起業家への相談や開業手続きを簡素にする「起業ワンストップ支援センター」の設置(3)上場企業への男女別の育児休業取得率の公表義務付けなど。
仙台市の奥山恵美子市長は「震災後、社会変革を志す起業家が増え、女性の起業意欲も向上している。日本の新しい経済成長モデルを提案したい」と話している。
佐竹敬久、奥山恵美子