エボラ出血熱:感染者2万人超の恐れ WHOが対策行程表
毎日新聞 2014年08月28日 21時00分(最終更新 08月29日 07時03分)
【ヨハネスブルク服部正法】世界保健機関(WHO)は28日、西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱の感染拡大を食い止めるためのロードマップ(行程表)を発表した。WHOはこの中で、感染者数が、現在把握されている数の7倍に近い2万人を超える可能性を警告、収束には今後6〜9カ月かかるとの見通しを示した。
WHOが同日発表したまとめ(26日現在)によると、疑い例を含むエボラ熱の感染者数は▽ギニア▽リベリア▽シエラレオネ▽ナイジェリア−−の4カ国で計3000人を超え、3069人となった。死者数は1552人に達した。
感染者の4割以上が過去3週間での発症とみられ、WHOは「感染(拡大)が加速し続けている」と指摘した。さらに、いくつかの感染地域では実際の感染者数が報告件数の2〜4倍に上ると推測し、感染者数が2万人以上になる可能性にも触れた。
感染が確認された4カ国で感染を封じ込め、他国への感染拡大を食い止めるためのロードマップの実施には、約4億9000万ドル(約508億円)が必要になると推計した。一方、ロイター通信などによると、ナイジェリア政府は28日、南部ポートハーコートでエボラ感染により1人が死亡したと発表した。最大都市の南部ラゴス以外で死者を確認したのは初めて。ナイジェリアはアフリカ最大の産油国で、ポートハーコートは油田地帯の中心都市。