NPO法人東北開墾(岩手県花巻市)は東北の農水産物を冊子と共に会員に届ける「東北食べる通信」を発行する。高橋博之代表理事は、「都市と地方をかき交ぜることで、行き詰まった日本にフロンティアを創りたい」と語る。地縁や血縁ではなく、ソーシャルメディアでゆるやかに思いを持った人々がつながる地方と都市の新しい関係を模索する。
■生産者と消費者をつなぐ
7月上旬、岩手県山田町で「山田海賊祭り」が行われた。東北食べる通信の6月号で届けるシュウリ貝の出荷を、読者や大学生ら40人がボランティアで手伝うイベントだ。600人分のシュウリ貝を箱詰めした後は、バーベキューで交流した。宿泊費や交通費は自己負担、夜行バスで駆けつける参加者もいた。
2013年7月に創刊した東北食べる通信は、読者になると月に1度東北の農水産物と冊子が届く。会費は月1980円で、約1300人の読者がいる。冊子には生産者のインタビュー、レシピなどが16ページにわたりカラーで紹介される。さらに、生産者と運営も参加したクローズドなフェイスブックグループに招待される。
「海賊祭りの始まりはじまりー」「予定より早く終わりました」。イベントの模様がグループに投稿され、交流が進んでいく。出荷したシュウリ貝が到着すると、グループには、パエリア、パスタ、白ワイン蒸し、つくだ煮、と料理した写真が次々と投稿される。保管方法に関する疑問が投稿されると、漁師が「1度ボイルしてから、冷まして冷蔵庫に保管してください」とアドバイスする。
高橋氏も「予想以上」と驚くフェイスブックを通じた生産者と読者の交流。1カ月に約1300の投稿が行われる。読者は、ソーシャルメディア上だけでなく、海賊祭りのように出荷を手伝ったり、生産者に会いに行ったりするようになる。食べる通信の運営側でも、生産者を東京に招いたイベントを行うなど、リアルな交流を後押しする。高橋氏は「生産者の物語が主役。食の宅配ではなくて、コミュニティーサービスだと言った方が正確」と説明する。
ソーシャルメディア、ボランティア、農水産物
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