使用条件限られ売れ行き不調 京都・舞鶴市の交通割引券
高齢者の外出を支援するため京都府舞鶴市が7月から販売している公共交通割引チケットの売れ行きが不調だ。市内の移動のみなど使用条件が限られているのが理由とみられ、改善を求める声が出ている。
75歳以上の市民を対象に販売。バスと北近畿タンゴ鉄道(KTR)は乗車券18枚1セットで3600円、タクシーは1500円相当で使える券が12枚1セットで6千円。
しかし、販売1カ月の実績はバス182セット、KTRとタクシーは各5セットで、販売期間中(12月26日まで)の売り上げ目標の達成率はバス12%、KTR8%、タクシー2%にとどまる。
利用低迷の原因は利便性の低さ。KTRは市内の西舞鶴-丹後神崎の4駅間(210~320円)に限り1回200円相当で乗車できるが、ほぼ同制度の京丹後市などは全線が対象。例えば久美浜から福知山まで1580円のところ200円で利用でき、売れ行きは好調という。
タクシーも3千円以上乗った場合に限り使えるが、利用の多い市内東西間は昼間料金で3千円を超えることは少ない。一方、バスは東西間で300円のところを200円相当で乗車でき、比較的利用が多いようだ。
市老人クラブ連合会の増山寛一顧問(85)は「使い勝手が悪い。高齢者や交通実態を踏まえた制度に変えてほしい」と要望。市高齢者支援課は「本年度は試行的な販売。利用者や周辺市町の状況を見て改善を考える」としている。
【 2014年08月29日 11時21分 】