トップ > インプレッション >スバルWRX S4/WRX STI 【開発者インタビュー】 (2014.8.28)
「WRX STI Type S」
「WRX STI」に搭載される「EJ20」型2リッター水平対向4気筒ターボエンジン。最高出力308ps、最大トルク43.0kgmを発生する。
「WRX STI Type S」に標準装備されるリアウイング。「WRX STI」にもオプションで用意されている。

エンジンパワーをフルに使うために

――STIのパワートレインは先代からのキャリーオーバーですね。その上でシフトフィールなどを改良しているそうですね。

基本ハードウエアはキャリーオーバーです。その意味では余計なコストはあまりかかっていないのですが、細かい部分では、エンジニアがアイデアを出しあって改良しました。
EJ20型エンジンもたしかにハードウエアは変わっていませんが、例えばアクセル操作に対する“ツキ”は大きく向上しています。簡単にいうと、従来モデルでは、アクセル操作に対してエンジンのスロットルを意図的に“ジワッ”と開けるようにしていました。それはリアサスペンションに(新型WRXと比較すると)少し緩いところがあって、あまり唐突にパワーを出すと、不安定になる部分が少しあったからです。
しかし、新型WRXはシャシーやボディーを相当ハードに仕上げてあって、そういう場面でもグッと粘ってくれるんです。そのおかげで、エンジンの特性をよりフルに近いカタチで使っても、走ってくれるんです。

――最後に素朴な疑問なんですが、STIの大きなリアスポイラーは本当に効いているのですか?

もちろん効いていますよ(笑)。新型WRXはリアのトランク形状などを工夫して、なにもつけない素の状態でゼロリフトになっています。スポイラーのついたSTIではそこからさらにダウンフォースを発生させていますが、空気抵抗そのものはスポイラーがあってもなくても変わりません。
純粋な空気抵抗がもっとも小さいのは、S4にリアのリップスポイラーを追加した状態で、それですと、ほぼゼロリフトのままCd値が0.002ポイント上がっています。

(インタビューとまとめ=佐野弘宗/写真=高橋信宏)
 

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