2014年8月29日08時28分
岩手県は、東日本大震災で壊れた宮古市田老(たろう)の防潮堤の一部を、取り壊さずに残すことを決めた。津波の脅威を伝える震災遺構として保存活用する市の要望を受けた。
田老の防潮堤は、1933年の昭和三陸津波を機に造られ、78年に完成。高さ約10メートル、総延長約2・4キロと国内最大級の二重防潮堤だったが、東日本大震災では最大で16・3メートルの津波が乗り越え、181人が犠牲になった。
残されるのは海側と陸側の二つの防潮堤がX字に交わっていたうち海側の約60メートル。県は新しい防潮堤を建設中だが、工事に支障がないことから取り壊さないことを決めた。
近くでは、津波で1、2階の鉄骨がむき出しになった「たろう観光ホテル」の保存が決まっており、市は防潮堤と合わせ防災教育の拠点とする。市は「防災意識の風化を防ぐことにもつながる」とし、保存方法や費用は今後詰めるという。
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