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何でもパワハラと言えばいいわけじゃない

確かに、これまでの法体系ではなかなかどれにもぴたりと当てはまりそうもないある何かに「パワハラ」と名付けて、批判する根拠にしていくということそれ自体は、当然の戦略だと思うし、全然悪いとは思いませんが、それにしても、

http://withnews.jp/article/f0140828001qq000000000000000G0010401qq000010751A(たかの友梨氏がパワハラ?「あなた会社つぶすの」 録音データ公開)

エステサロン大手「たかの友梨ビューティクリニック」を経営する「不二ビューティ」(本社・東京都)の女性従業員が加入するブラック企業対策ユニオンは28日、同社の高野友梨社長(66)から、組合活動をしていることを理由にパワーハラスメントを受けたとして、宮城県労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てた。記者会見も開き、「パワハラ時の録音」とされる音声記録を公開した。

・・・未払いが問題になった残業代については「残業代といって改めて払わないけれども、頑張れば頑張った分というのがあるじゃん。そうやって払っている」と、支払いが適正ではない可能性を認めた。弁護団によると、月間77時間の残業に対して12万円が支払われるべきところ、3万5千円ほどしか支払われないケースがあり、こうした事例が横行している可能性があるという。

 また、女性従業員が労働環境の改善を訴えてることについては「つぶれるよ、うち。それで困らない?この状況でこんだけ働けているのに、そういうふうにみんなに暴き出したりなんかして、あなた会社潰してもいいの」と迫った。

 さらに、残業や休日労働をさせる場合には、労使で書面による協定を事前に結ぶ必要があると定めた36協定(労働基準法第36条)については「みんな各店うやむや」「うかつだった。知らないもん」などと述べた。「法律どおりにやったらサービス業は上昇しない」とも話した。

これって、端的に、労働基準法をわかっていて平気で違反して、不当労働行為をしているということなんであって労働法の基本中の基本なんであって、なんでわざわざこれに「パワハラ」なんていう最近ぽっと出の言葉を使わなくちゃいけないのか、さっぱりわからない・・・、

というか、実はわかるので、要するにそれほど、「パワハラ」といえば何か悪いことだな、と世間もマスコミも感じるけど、労働基準法違反だとか、ましてや不当労働行為だとか言われても、何それ食えるの?おいしいの?というのが世間のフツーの感覚であると、みんなが思っているからこういうことになるわけです。

強制わいせつと言っても何も悪いことだと思っていない世間で、一生懸命これはセクハラだけしからんでしょと言ってるような、妙な徒労感を感じさせる記事ではありますな。

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