
年月も経過して心の傷も癒えて
気持ちの整理がついたのでアップしようと思います。
(問題がありそうなら指摘してください。記事を削除しますので)
この出来事の後、しばらくクルマ趣味に無気力になり活動に空白期間が開いた事も有り
自分の中では大きな事件となっている事を書きます。
ガヤルドを購入した当時、ワインディングを走らせて漠然と感じていました。
「高性能過ぎる最新鋭スポーツカーは公道で楽しむものでは無いのかも?」と
四輪駆動とはいえ500馬力オーバーのガヤルドは完全に手に余る状態で
自身の技量ではワインディングでクルマを手の内に入れて走らせると言うのは不可能でした。
簡単に言うと「速いけど面白くない。」んですね。
F355では感じたこと無いような空しさや欲求不満が募る状態だったのですね
「そろそろ別の楽しみ方もあるのかも?」と考えると、
子供のころに熱狂したスーパーカー達が頭に思い浮かんだのです。
カウンタックLP400S
ミウラ400SV
512BB(365GT4/BB)
308GTB(328GTB)
Dino246GT
すでに値上がりも始まっていたとは言え、
リーマンショックの影響で少し落ち着きを取り戻した状態をチャンスと思い、
いつものフォルムさんへカウンタックを見せてもらったりしてましたが
当然ですが、古い固体なので理想のクルマと呼べる固体には出会えない。
そこでネットで情報収集すると関東にヴィンテージカーのレストアと販売を行なってるお店がある。
アポを取ってみると「いつでも見せられます。」と社長さん心強いお言葉
旅行ついでに見に行くかぁ ってなもんで
気合入れて横浜のインタコンチネンタルのスイートを予約、美味いもの食べまくってやるぜ~。
と意気揚々と乗り込んで行ったのでした。
横浜で色々と見て回って、美味しいピッツァのお店も予約して大満足。
小雨が降ってましたが、明日はBBやDinoに会えるとウキウキでホテルに到着
そういやホテルに到着したら連絡して欲しい。と言われていたな。早速連絡すると
「今から迎えに上がります。マルーンの365GT2+2で行きますので~。」と
え、今からですか?と思ったが夕食まで時間があるので(本当はゆっくりしたかった。)
お店にお邪魔することにしたのでした。
お店までの道すがらレストアの事やクルマのことを話しながらお店に到着
え、駐車場無し?路上駐車?
365BBやDinoを道路に止めてる。(雨降ってるよ)
ペイントしたばっかりのピカピカの外装の365やDino
内装はシートを張替えしただけで、そこだけ綺麗だけど
スイッチ類やパネルのヤレもあるし、メーターの曇りとか何かとバランス悪い。
う~ん、こんなもんかぁ
「これが売り物ですか?」と聞くとお客さんのクルマらしい、え~路駐かいや~。
ん、工場はどこ?この小さい店構えの近くには整備工場が見当たらない。
「あ、工場は離れたところにあります。」って整備車両の移動とか危険やん。
じゃあ、試乗に行きましょうかって
え、お客さんのクルマって言わなかった?
「大丈夫です、そういうの気にしない人なんで」って雨だしオイラが気にするわ。
でも体験したい気持ちに負けて助手席へ、なるべく汚さないように小さく乗り込むと
社長さん無造作に出発。
すぐに首都高速(新山下って乗り口だったかな)へ乗り込み合流後 アクセル全快。
「ね、よく走るでしょ?」って怖いんですけど、社長はかまわず
車線を右に左に一般車を抜いていきます。
そしてストレート最終くらいで前走車がいなくなり
クリアになるとグングン加速させます。
目の前に左へ大きく回りこむカーブが見えているのに
減速のそぶりも見せない。
(路面はウェットですから本気で怖かった)
コーナー侵入時点でわずかにステリングを左に切り始め
そして一つ目のカーブに差し掛かると減速もそこそこに進入
この速度で曲がれるか?と思った瞬間、リヤの荷重が抜ける感覚
アクセル抜きやがった。「ヤバぃ」と思ってオイラ身体が硬直、
それなのにカウンターステアも遅い社長。
Dinoはゆっくりとフロントを追い越そうとスピン状態に、そこで社長やっと大きなカウンター
遅いわっ(心の声)
そのままスピンしながら外壁にぶち当たり、反動でイン側へ
Dinoはクルクル回りながらイン側の側壁にもぶち当たり、もう一度外側へ
最後にもう一度 外壁に当たってやっと静止したDino
壁が迫ってくるときは「あ、これ死んだ」と思いました。
何が起こったか分からない社長がハッとして「大丈夫ですか?」って
大丈夫なわけ無いやろ
とりあえず外傷が無いのを確認して車外へ 首都高速に降り立ってしまった。
スゲー状況
あ~、すでに渋滞が始まってる。そりゃそうだ 丸々1車線使えないんだもんな。
しかし、完全に見世物状態やんか これ 恥ずかし過ぎる
そこでふとDinoへ目をやると
ペイントが剥がれた中の鉄板部分が錆びてる(驚)
しかも、そのペイントすら何重にも塗ったミルフィーユ状態(驚2)
クルマの誘導に夢中の社長をほって置いて、シゲシゲとDinoを検分すると
いやぁ、ボロイ。下回り覗き込んでもエンジンルーム見ても、
フレームのペイントも総剥離したって言ってなかったかぁ
エンジン本体は綺麗けど補機類がボロ過ぎる。こりゃダメだ。
社長は「今、キャリアカー手配したのでもう少しお待ちください。」って言いつつ
積載車が来たのは軽く1時間以上経ってから、その間、首都高速の上で見世物状態
店から出て10分ほどで事故して積車来るのが1時間ってなんでやねんっ
と思ったらキャリアカーの看板はクライ○ジークの文字
ん、何で?聞くと社長さん「うちの提携工場なんです。」おいおいまてよ
自分ところで積載車持ってないの? しかも工場がクラ○スジークってどういうことよ。
整備やレストアは丸投げってことか
散々な目にあってお店に帰ると従業員が出てきて、
Dino見て「おーやっとるのぉ」って オイラの身体とかどうでもええのん?
さらに従業員、「うちの社長飛ばしますからねぇ~。」だって
もはや会話する気力も失せる。
そこへ妻が「遅かったね。どこまで走りに行ってたん?」と、
え?この反応はもしかして事故のこと知らない?従業員からの説明は?
「え、何もなかったよ。遅いなぁって思って待ってた。」
事故にあった事を伝えるとビックリして「え~~っ」ってこっちがビックリやわ
・・・・・・・。 ここまで来ると怒りが沸かないもんなのね。自分でもビックリ。
もうどうでも良いからホテルまで送って欲しい。疲れ果てた
そうこうすると社長がやってきて
「いやぁスミマセンでしたぁ。こんな事は初めてです。Dinoってもっと素直なんですよ。」
って
そんなこと どうでも良いわ。
早くホテルまで送って欲しいと伝えるも、
「いやぁこのままじゃ悪いのでもう一度試乗行きましょう。」
はぁ?「いやもうエエんで送って下さい。」
「大丈夫ですよもう高速は乗らないので」ってお前の運転が怖いんじゃ
このままじゃ帰せないですよ。ってな感じで引かない。もはや無気力なオイラは
言われるがまま 無理やり365BBに乗せられて そこら辺を一回り、
社長は「キャブの12気筒は素晴らしいでしょ。」ってオイオイ
メチャクチャ濃いから低速でカブッてるし、同調も狂ってるがな。
オイラのほうがウェーバーの調整上手いぞ。と思いつつも早く帰りたいので
適当に相槌
やっと開放されてホテルまで送ってくれた。
せっかくのスイートにもテンション上がらず、晩御飯を食べに中華街に行っても
テンション上がらず。すぐにホテルへ戻り死んだように寝ました。
翌朝、朝一番に社長から電話。「お時間ありますか?」って
もともと午前中にお店に伺う予定でしたから空いてましたが、何か?
「どうしてもお見せしたいものがあるので迎えに行って良いですか、お詫びもありますし」
と
断ろうと思ったが、しつこく食い下がってくるので会うことに
そして連れて行かれたのは どこかのタワーパーキング
「ここはうちの提携駐車場なんですよ」って
え~、タワーパーキング保管?自社倉庫とか自社工場内とかじゃないの?
そこから出てきたのは黄色の275GTBロングノーズ。
え~と、これを見せてもらって何か?希少なクルマなのは知ってますが
それが何か?
社長は「これは希少なんですよ。うちの技術力だから扱えるのですよ」って
いや丸投げでしょ。
「見せたいものはこれですか?」
もう一箇所、行きましょう。ってもうエエですよ。
それでも強引に連れて行かれて(もはや無気力なんで抵抗できない)
次に着いたのはクライスジー○ ええええ~。
まさかの別の会社。
ここで整備中のミウラ見せられて、「これ売り物ですか?」いえお客さんのです。
お客さんのクルマばっかり見せられて売り物は無いのかい?と伝えると
何が欲しいですか?って、オイオイ、伺う前に512BBだと言うとるやろ~が
大丈夫です有りますんで、一緒に行きましょう。と(無気力なので抵抗できず)
喫茶店へ連れて行かれてコーヒーとワッフルを注文されて
「どうぞ食べて下さい。お詫びです。」って これってお詫びなの?(心の声。無気力なので)
そしてクリアファイルから512BBの写真出してきて
「これ今、ヨーロッパに有るんですけど、買うなら引っ張ってきますよ」って
現物無いんやん。
パソコンからプリントアウトしたような写真を二枚ほど見せられて誰が買うねん。
だがこの社長しつこいしつこい、BBはこれから値上がりして手に入らなくなりますよ。って
いやもう、あんたからは絶対に買わないし、もう今は何も考えられないんだってば
中身が錆びてるようなボディのクルマ売ってるのをバレてるのに買うと思ってるか?
しっかし、あのDinoどうするのだろ?
丁重にお断りして横浜から逃げ帰るように姫路へ帰ってきました。
都会は怖いわ(笑)
さて、こんな事を体験したオイラ
もはやヴィンテージカーにも夢を持てず、さりとて最新鋭のスーパーカーは公道で面白くない。
完全に無気力となったオイラ
ここから3年以上クルマへの情熱は失われ、新型車への興味も失ってました。
この事件の翌年に458が発売されたのも しばらく知りませんでしたし、
その2年後F12が発売されたのも昨年まで知りませんでした。
昨年くらいから徐々にクルマへの情熱が戻ってきて、458を購入し今は幸せですが
なぜかまたヴィンテージカーへの興味が沸いてきています。
あんな不幸を味わったのにです。
バカは死ななきゃ治らないですね。ちなみにこのお店、まだ営業されてます。
これ、全て事実なのですが、
営業妨害になるとかで、問題があるようなら削除しますのでご指摘宜しくです。
実は書ききれない事もあるのですが、まあそれは秘密と言うことで
吹っ切れたはずだったけど思い出しながらブログ書いてたら気分が沈んできた。
やっぱBBは夢なのかな