国連PKO要員43人武装集団に拘束8月29日 3時23分
シリアとイスラエルの境界に近いゴラン高原で、両国の停戦監視に当たっていたPKO=国連平和維持活動の要員43人が武装勢力に拘束され、国連などが情報収集を急いでいます。
シリアとイスラエルの境界に近いゴラン高原では、27日、シリアの政府軍が管理下に置いていたクネイトラの検問所をシリアの反政府勢力が激しい戦闘の末制圧し、その際にイスラエル側にも流れ弾が飛んできたとしてイスラエル軍が反撃し、三つどもえの戦闘となり、現在も緊張が続いています。
国連によりますと、28日、クネイトラ付近でシリアとイスラエルの停戦監視に当たっていた国連のPKOのフィジー人の要員43人が武装勢力によって拘束され、さらにフィリピン人の要員81人が戦闘で身動きできない状態になっているということです。
国連のデュジャリック報道官は、武装勢力についてシリア南部で政府軍と激しい戦闘を続けているアルカイダ系の過激派組織「ヌスラ戦線」だという情報があるものの、現時点では確認できていないとしています。
国連の安全保障理事会は28日、報道機関向けの声明を発表し、拘束を強く非難するとともに、武装勢力に対して要員の即時解放を求めました。
ゴラン高原では去年もPKOの要員が武装勢力に拘束される事件が相次いでおり、国連では情報収集を急ぐとともに要員の解放に向け周辺国と連携して武装勢力への働きかけを強める方針です。
ゴラン高原のPKO部隊は
ゴラン高原に駐留しているPKOの部隊は、UNDOF=国連兵力引き離し監視軍と呼ばれ、1973年の第4次中東戦争のあとのシリアとイスラエルの停戦を監視するため、1974年から派遣されているものです。
現在は、フィリピン、インド、ネパール、フィジー、アイルランド、オランダの6か国のおよそ1200人の要員が参加しています。
日本の自衛隊も1996年から参加していましたが、シリアの内戦が激しさを増したことを受け、去年、部隊を撤退させていました。
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