プロローグ 『ゾンビの病名が思い出せないからもう【風邪ZZ】でいい』
この作品は『夏だし、ゾンビ物やろうぜ!』という崇高な趣旨に則り始まった、多数の執筆者が織り成すリレー小説です。
隔日更新を目標に投稿される予定になっています。
参加者、執筆者が誰であるのかを予想しながら読んでいただけると、楽しく読める内容になると思います。
「やっぱりね、私はシェリルの方が素敵だと思うのよね。さっぱりしてて、自分の生き方に自信があって……それに比べて、ランカってねぇ」
2クールぶっ続けで見て、劇場版も前後篇を立て続けに見て、都合半日以上を費やして出た結論がそれか。
物事の本質が見えてない。これだから女は駄目だ。
「お前は本当にわかってねーな。いいか? 確かにシェリルの気高さとか、女としてシュッとした立ち方とかに憧れるって気持ちはわかんなくもねーよ。でもな、逆にあんだけ強いとこばっかり見せられると男としちゃー辛いわけよ。女の子には寄り掛かってほしいみたいな願望はいつだって男にはあんだよ。当たり前だろ? 強いかどうかみたいな話はお前、男としちゃ超重要なんだからよ」
「あらあら、本当にガキみたいなこと言って」
カチンときた。
論点をずらしてきやがる。
今、俺が言ったのはそういう話じゃねーだろうが。
「おつむ足りなくて反論できねーからって、口ゲンカに持ち込もうとすんじゃねーよ。そういう優位に立とう、みたいな考え方するから売れ残ってんだよ、お前」
「売れ残ってるわけじゃないわよ。慎重に、厳正な審査をして見極めてるの」
「ほれ見ろ、そういうとこが男を遠ざけんだよ。シェリルも一緒だ。遠くから自分と違う存在だーって見てる分にゃいいかもしれないけど、あんな女が隣にいたら疲れてしょうがねーよ。自分が惨めになるしな。その点、ランカちゃんはいいぞー。距離感が近い。自分の自信がないから、いつだって声かけてもらえるのを待ってる。こっちの足が止まったら、ちゃんと一緒に足を止めて待ってくれそうな女の子なとこが可愛い。甘々に過ごすならランカちゃんだね」
「甘々(笑)」
「てめー、表出ろ! お前が女だってことを腕っ節でわからせてやらぁ!」
「あら、それはやーよ。だって……」
テーブルを叩いて怒鳴った俺に、ミナミは寂しそうな声で言った。
その声に、俺も自然と窓の方を見る。窓の外の天気は馬鹿に晴れ渡っていて、お日様から降ってくる光が燦々としていた。
今日は雨の心配はゼロ。絶好の洗濯日和でしょう。
天気予報ももうずいぶんと見てないが、やることなくて空を眺めている時間も多い。経験値が溜まりまくった結果、今の俺は直感気象予報士として免許皆伝の腕前だろう。
「馬鹿なこと考えてる顔してるわよ」
む。人の顔を盗み見て、ニヤニヤしているミナミの方がよっぽど不躾だと思うんだが。
ともあれ、ミナミが何を言いたいのかはわかった。
俺もカッとなって表に出ろなんて言ったものの、用事もないのに外に出て疲れる思いするのは御免被りたい。
なんせ、ほら、外に出ると、色んな『人』と出会わなきゃいけないじゃん?
「不毛な水掛け論はやめましょうよ。時間がもったいないわ」
「そうさなぁ。とりあえずシリーズ最新作まで見たから、お前たちが俺の翼って結論でいいってことにするか。最後の日に、言い争って終わるのもしょうがねーしな」
「……そうね」
DVDを取り出して、中身をリビングの床に放り投げる。行儀が悪いとか、あとで片付けるのが大変だとかそんな文句には興味なし。そんな風に叱ってくる相手なんてもういないし、そもそも片付けるつもりもない。汚しっぱなし上等、俺がここにいた証です。
「俺たちが、でしょ」
「おう、そうだった。悪い悪い。で、次はどうする?」
「……長編シリーズをまた見出したら、気持ちが鈍りそうな気がするのよね」
「そっか。まぁ、お前の言い分もわかる。んじゃ、大音量でアニソンメドレーだな。窓も開けて、町中に聞こえるんじゃねってぐらいバカでかい音でかけてやろうぜ」
「そんなことしてたら、また『人』がたくさん寄ってくるわよ?」
「したら、盛り上がりに乗じてダイブしようぜ。ひょっとしたらノリのいい奴らで、俺ら乗っけてウェーブしてくれるかもしんねーしさ」
ミナミが笑う。というよりは、鼻で笑った感じだ。嫌な奴だな。
いや、いいんだけど。もう長い付き合いだし、いい加減、見慣れたし。
それに俺、この顔そんなに嫌いじゃないっていうか、むしろちょっと興奮するし。
「発情しないで。……何をかけるの?」
「アルバムあったからこれにするわ。俺の押しメンは真姫ちゃんね。お前と同じで、かなりのツンデレ。後半は正直、デレデレだったけど」
「何それ意味わかんない」
「お前、実はアニメちゃんと見てるだろ?」
黙秘権を行使された。
プレイヤーにCDを入れて、ボリュームをMAXに。ついでに部屋中の窓を開け放って、宣言通りに町中に我らが歌姫の歌声を轟かせてやりましょーぞ。
うわ、景色高っ! 町広っ! こわっ! 俺、高いとこあんま得意じゃないし。
「さあ、準備は整った。いざ、傾聴――ぎゃぁっ!」
音楽の世界に没頭しようと正座した瞬間に、爆音に鼓膜を殴りつけられて吹っ飛ぶ。
家主の趣味だったのか、めちゃくちゃ金がかけられていそうだった音響設備。画面も超でかいテレビがあるのと、激烈に臨場感が出るスピーカー。ノリノリでアニメを楽しめていたから気にしてなかったが、フルMAXのボリュームはやりすぎた。設備の良さが相まって、俺の鼓膜が消し飛びかねない。
「ちょっと! 音! どうするのよ!」
「はぁ!? 何言ってんのかわかんねぇ! それより、もう部屋出ようぜ! 食うもんか酒が飲みたい! 僕ちん、喉渇いた!」
「可愛くないのよ! それに喉渇いたからお酒って余計に……ああ、もう!」
音の暴力の中、怒鳴り合うような会話に嫌気が差したミナミが先に折れた。
ボリュームを下げるという選択肢はない。なぜなら、再生ボタンを押した直後に、プレイヤー用のリモコンは俺が窓から外にぶん投げたからだ。もちろん、本体を操作すれば音は下げられるし停止もできるが、なんかそんなことする気はさらさらない。ミナミにも。
「財布と、ハンカチと、ティッシュは持った。何か他にある?」
「別に? あ、夜は冷えるから上着は忘れねーように。俺はいつもの格好だし、愛用のシャア専用ジャベリンがあればそれでいい」
「ジャベリンって、ただのシャベルでしょ。それにシャア専用だったらアンタ使えないじゃない」
「今日から俺のことは大佐って呼んでくれていいぜ」
「はいはい、大佐大佐。明日の朝には二階級特進して、中将ですね。おめでとうございます」
可愛げのないやっちゃなー、可愛げないとこがいいんだけど。
ミナミの準備が終わると、俺たちは手を繋ぐ。当たり前のようにそうして、俺たちは大音量の部屋から玄関に向かった。長居したわけじゃないが、さらばスイートホーム。
玄関口に立てかけておいたジャベリン(赤いシャベル)を回収して、肩に担ぎながら気楽な足取りで外に出る。
「1階のコンビニでいいだろ? つか、冷えてないビールとかギルティだし」
「最後の2本だけ残しておくあたりがジンの狡猾なところよね」
ミナミに褒められるのは珍しい。あれか、こいつもちょっとは感傷的ってか。
そういう弱っちい感じは似合わないけど、まぁ、そういうセンチメンタルな気分になるのもわからなくない。いい加減、体も心も疲れてきったのは俺も同じだし。
エレベーター前に到着。パネルを操作して、最上階であるここ54階までくるのを待つ。
「思ったんだけど、エレベーターってエレベーターのどの部分を指すんだと思う?」
「何それ、どういう意味?」
「今、私たちはエレベーターを待ってるわけだけど、この目の前にある扉とか中身も含めてエレベーターじゃない? なら、到着する乗る部分はなんて名前なの? エレベーターって名前で呼ぶのが正解なのかしら」
「哲学的だな。乗る部分はすなわち、なんと呼ぶべきか……」
「あ、着いた。早く乗りましょ」
質問されたから一生懸命考えてたのに、到着したエレベーターを見たらもう忘れたような顔だ。クソが、これだから女ってやつは気もそぞろで困る。でも会心のボケが思いつかなかったから今回は許しちゃう。
エレベーターに乗って1階へ。この建物はいわゆる超高層マンションだが、搭載されるエレベーターもさすがの高性能。なにせ、ほとんど音がしないし、すごい滑らかなスピードで動いてくれる。その代わり、体感Gが結構あるので俺としては諸刃の剣。俺、浮遊感とかに超弱い。内臓がふわっとしちゃう。
「そろそろ1階だけど、シャア専用ジャベリンの準備しておいてよ」
「何それ?」
「アンタが言い出したんでしょ! 愛用のシャベル! シャベルよ!」
「わかってるよ。冗談の通じない奴だな」
余裕全開な俺と違って、ミナミは色々と不安が多いのか落ち着きがない。いい加減、慣れてもいい頃だと思うんだが、まぁ、怯えた女が横にいると思った方が俺もやる気が出る。
連中にしたって、やる気のない奴よりはやる気がある奴にやられた方が、なんかこう、よくわからんけど満足するんじゃなかろーか。お前、やるじゃないか。この先、色んなことがあると思うけど、お前らならやっていける。行けよ、俺たちの思いを連れて――みたいな。
「でも、僕ら今日でこの旅、終わる気なんスよ」
「バカ言ってないで。ほら、着くわ」
脳内青春劇場の大どんでん返しを終えて、俺はミナミの手を強く握りしめる。それから肩に担いでいたシャベルを持ち直して、軽く膝を曲げて姿勢を作った。
軽やかな音を立てて、エレベーターが1階に到着。音もなくドアがスライドして御開帳。
「――ォォァウア」
ホールを埋めてひしめくゾンビ共が、一斉に俺たちの方を見た。
その一番手前のゾンビの首を、俺は振り回したシャベルの先端で容赦なくはねた。
△▼△▼△▼△
西暦2014年、世界はなんかよくわからん病気がパンデミックして滅んだ。
社畜として朝から晩まであくせく働いていた俺は、詳しい事情についてはニュースを見る暇もなかったのでイマイチ把握していない。
ただ、ヨーロッパの方で最初に発生した病気。通称ゾナハ病。ごめん、嘘。Tウイルスでした。ごめん、それも嘘。とにかく病気。病名は知らん。風邪ZZだ。
で、そのZZに感染した人間は、なんかすごい苦しんで急死した後、むくっと起き上がって虚ろな目つきで色んな人間に噛みつき出す。エロい感じで甘噛みじゃなく本気噛み。優しく噛むのが甘噛みだから、辛噛みです。で、噛まれた奴も同じ感じで死ぬ。で、噛みつき出す。
体が死んでるもんだから、すぐにグズグズ腐り出すわけだが、それでも止まらない。歩く死体はガンガン行こうぜの戦略で仲間を増やし、151の喜び! 151の夢! ぐらいの気楽な感覚で爆発的に広がっていき、命を大事に精神で生温く戦ってた人類を駆逐した。
もう正直、すごい呆気ないスピードで人類は滅んだ。ゾンビを捕まえて研究しようとした施設が、人権保護を訴える過激団体の襲撃で穴が空いて感染爆発したりとか、テロリストが捕まえたゾンビを都会に放ってパニックを起こそうとして自分たちも噛まれるとか。とにかくドリフのコントみたいなお約束さで人類は競い合うように全滅した。すごい、ドリフ偉大。
ともかく、そんなこんなで病気は拡大し、ヨーロッパから各地へ飛散して大惨事。当然、危機意識まるでない日本にも来日したわけで、空港でハリウッドスターを出迎えるミーハーなお客さんとか、ワールドカップの年だけサッカーファンになる世間みたいな感覚で、熱に浮かされたように誰もがこぞってゾンビになった。ワールドカップで青い服着るか、ゾンビに噛まれてゾンビになるかぐらいの違いだ。
そんな中、真面目にあくせく働いていて世情に置いていかれていた俺は、その巷で流行りのゾンビ騒ぎにも乗り遅れた。そんなとこまでワールドカップとおんなじだったわけだ。
ちなみに俺はいわゆるブルーカラーのお仕事。ワールドカップには乗り遅れてるけど、日常的に青い服を着て働く側の人間だった。で、俺が世間の熱気に気付いたのは、ちょっと町を離れて山中のダムの補修工事を終わらせた頃だった。うん、人里を離れて一週間ぐらい泊り込んでたから気付かなかったんだよね。
運ばれてくるはずの資材が届かなくなって、会社に連絡がつかなくなったあたりでこれはいかんと、俺がでかいトラックを運転して資材会社に直接出向くことになった。で、町の近くまでいったらあーた、そりゃもう大変だったわけですよ。
もうね、あたり一面がゾンビだらけ。右見てもゾンビ左見てもゾンビ。で、例によってあいつらって生きてる人間大好きだから、もう超群がってくる。こんなにモテたことなんて、あたし学生時代にもなかったのにってぐらいモテモテ。
全力でトラックを走らせて、もう百人ぐらい撥ねたり轢いたりしたと思ったんだけど、これまたお約束、タイヤにゾンビの体が引っ掛かって車が動かなくなった。
そこで諦められてたら楽だったんだろうけど、俺は楽にはならなかった。後部座席に乗っかっていた、片付け忘れのシャベルを握って外に飛び出して――ゾンビパラダイスだ。
それから、色々あった。
病院に駆け込んでみて、他のところより被害状況がひどいことに呆然。そりゃあーた、怪我人からどんどんゾンビになるってんなら、病院が一番、ゾンビが多くて当たり前ですよ。
病院を爆破して飛び出し、今度はショッピングモールに向かった。ゾンビといえばやっぱりショッピングモールだ。食料とかもたくさんあるだろうし、悪い選択肢じゃないはず。
甘かった。甘々だった。ショッピングモールの中には、俺と同じ発想をした連中がめちゃんこいっぱいいた。っていうか、たぶん同じゲームをやった奴らだ。メガネをかけた運動不足そうな奴らが多かったからきっとそうだ。で、お約束の人間同士の派閥争いですよ。俺はなんかモールの中でも動いて戦えるタイプだったので、わりとどちらの陣営からも重宝されつつ危険視されてる微妙なポジション。これは間違いなく破綻フラグ。なので、食料をちょろまかして適当に離脱。なんかバリケード崩される音が聞こえたけど、そんなの関係ねぇ! そんなの関係ねぇ!
それから先も、まぁ、色々とあった。
あちこちの避難所を転々としてみたり、人生の師と仰ぐ人と出会ってシャベル術を習ったり、奥義を会得するためにその師と殺し合ったり、それを見られて頭のおかしい奴ら扱いされて避難所を追われたり。ちょっとの間、山で暮らしてみたりもしたけど無理だった。人恋しいとかじゃないけど、やっぱり人間は滅んでても文明の傍じゃないと生きられない。
そんなことを繰り返してる間に、どうにか抵抗していた人々も徐々に徐々に数を減らし、希望の見えない毎日に見切りをつけてサヨナラする人も多くて、気付いたら俺は孤独だった。
師匠がくれた赤ジャベリンと、ミナミがいなかったらとっくに投げ出してただろう。
別に俺も生きる理由があったり、希望があったりして生き延びようとしていたわけじゃないが、それでもゾンビにやられて死ぬのはなんか違うだろう。違うんじゃね? と思ってた。
死ぬにしても、死ぬときぐらいは選びたい。ゾンビに負けて死ぬのは、なんかしょぼい。
自家発電機能の生きていた超高層マンション。
たぶん、それなりの人数が閉じこもっていたんだろうが、それらもすでに全滅。俺は1階から順番に一軒ずつ突撃隣の晩御飯をして、憂いを絶って最上階を占拠。それなりに豪遊して、お金持ちの気分を味わって、投げ出すことにした。
ゾンビに食われて死ぬのは御免だ。
最初の病院からくすねてきて、いまだに持っていた睡眠薬。薬局で処方されるのより、なんかたぶん危なくて強力なやつだと思う。いっぱい飲めば、死ぬだろう。そうしよう。
ミナミも反対はしなかった。強いけど、疲れてんだろう。しょうがない。
△▼△▼△▼△
「くぁー! この一杯のために生きて殺してるのよね!」
コンビニの地べたにだらしなく座って、俺はビールの最初の一口に感激していた。
労働の対価、働いている喜び、世界一の幸福。疲れた体に沁みるビールの味というやつは、それら全てを兼ね備えている最高の快楽だ。
「ちょっと、全部飲まないように気をつけなさいよ。薬、飲むんでしょ」
「わかってるよ。でも、これが俺にとって最後の最高の瞬間だと思うとなぁ」
ビールは、一口目にだけ神が宿るのだ。
それ以降のビールは神の後光を拝するのみ。もちろんうまいが、やはり質が違う。
「そんなもんなのかしら」
「そんなもんなんだよ。ギリギリ、電源が残ってて助かったよ」
冷えてないビールなど、まさしくギルティだ。
自家発電機能のついたマンションだったが、地下にあったその機械は破壊してしまった。正直、俺の未練を断ち切るためという利己的な理由で壊してしまったのだが、許してもらいたいと思う。電気が、つまりは文明が残っていると、縋りたくなってしまう。
先延ばしに先延ばしに、弱い俺がそうならないように、必要な処置だったのだ。
「――――」
「――――」
無言の時間。ミナミが何を考えているのか、俺には何となくわかる。
どうせこれまでと同じように、俺と同じことを考えているのだろうから。
何も言わないまま、俺は持ち出した薬の束を床に放り出す。一つずつ袋を破り、錠剤からカプセルから粉薬まで、ポテチの袋にぶち込んで混ぜた後で口に入れた。ビールで一気に流し込む。味はわからない。ただ、終わりの味はほんのりコンソメの香りがした。
「ミナミよぉ……今まで、ありがとうな」
「やめてよ。そんな風に言われたら、どう答えていいのかわからなくなるから」
「へへ、らしくねーや。それにしても……アニソン、聞こえねーもんだなぁ」
葬送曲に相応しいと思ったわけじゃないが、せめて明るい気持ちで旅立とうと思ったのにこれは誤算。やっぱり54階は高すぎたか。
ほんのりしか聞こえないアニソンを枕に、ぐったりするのも一つの選択か。安らかに眠って死ぬのか、寝てる間に食われて死ぬのか。まぁ、寝ちまえば一緒だろう。
「んじゃ、バイバイ……だな。またあとで、ミナミ」
「ええ、そうね。またあとで、ジン」
気取った風に言って、目をつむる。
ミナミとは手を握ったままだ。最後に繋がりがあると信じられる。そんな終わり方ができるだけ、他の人たちに比べたら上等ってもんだ。
ゆっくり、ゆっくりと、意識が遠ざかっていく――。
そのまま意識は、夢の彼方へ――。
それではさようなら現世――。
こんにちは天国――。
――――。
「――――せんか!」
――――。
「――か! お願い! 誰か!!」
――さようなら来世、こんにちは現世。
「誰か! 誰かー! お願い、誰か助けて!!」
遠くから甲高い声が聞こえた。
もちろん、俺の寝言でもないし、ミナミの寝言でもない。
「甲高い子猫の声と、甲高い子犬の声が聞こえたわね」
俺の横で、同じ声を聞いて反応したミナミが言った。
その顔が「どうする?」とでも言いたげにしているように見えて、俺は立った。
「そりゃお前……助けてって叫んでんだし、生きたいってことだろ。それは、超立派だよ。こんな場所で、まだ生きたいってんだ。なら、助けてやろう」
「ショッピングモールを見捨てた人の台詞と思えないわね」
「俺はあそこにいた奴ら嫌いだったんだよ」
でも、助けを求めてる声はまだ好きか嫌いかわからないし、女の子だし。
そんならまぁ、ちょっとぐらいは頑張ってみてもいい。
コンビニを飛び出して、足下を転がっていたゾンビの死体を蹴りつける。マンションの入口に横づけしてある黒いSUVは、適当なところでかっぱらってきた現在の愛車だ。なんか変な撮影機材とか色々乗ってたから、たぶんAV撮影かなんかに使われてた車が乗り捨てられてたものだと思う。俺も素人の街頭インタビューから始まるタイプ、好きだった。
「バカ言ってないの! ほら、早く乗って!」
助手席に先に飛び込んだミナミがうるさい。運転できないくせに態度がでかい。
「そう言えば俺、薬は飲んでるし酒も飲んでるんだけど、運転して大丈夫?」
「撥ねられて告訴してくる人間が残ってる世界で気にしたら?」
「やだ、ミナミたんたらワイルド」
尋常じゃない眠気が襲いかかってきてるが、それを無視して車に乗り込む。エンジンをかけて速攻でバック。死体を二、三体ひいたが関係なし。
「アムロ、行きまーす!」
「さっきまでシャアって言ってなかった?」
ミナミの突っ込みはシカトして、声の聞こえた方に向かって車を走らせる。道中、エンジン音に気付いたゾンビが建物の陰から出てきたりするが、容赦なく撥ねる。撥ねる。ちなみに撥ね方にもコツがあって、タイヤに絡ませて撥ねるのは素人。玄人はど真ん中ぶち抜いてボンネットの上に跳ね飛ばす。これを獲得するまでに、ゾンビを千体はたぶん撥ねた。ロックマンバスターが手に入ってもよくね? おかしくね?
「やばい! 超眠い! どうしよう! 歌でも歌おうか!?」
「ええ!? それで寝ないなら仕方ないけど、大丈夫!?」
俺の提案にミナミが笑った。あらやだ、この子もだいぶクレイジーだわよ。
こんな状態で笑う気力が残ってるなんて素敵すぎる。俺も素敵、お前も素敵。
ならもうこれは、歌うしかない。
「あるー日!」
「あるー日!」
「町のーなーか!」
「町のーなーか!」
「ゾンビどーもーに!」
「コングラッチレイション!」
「でーあーーった!」
「キャトルミューティレイション!」
「血の花咲くあーすーふぁーるーとー!」
「MOTTOMOTTO!」
「ゾンビどーもーにーでーあーーったーー!」
「エビバディセイ、HO!」
だいぶアホだ。こいつだいぶアホの子だ。
でもアホの子のおかげで、寝ないで辿り着いた。
交差点の十字路で、ゾンビに群がられる車の中で立ち往生している人間が見える。人間だ。ゾンビとは違う。長年、ゾンビと戦ってきたゾンビの第一人者である俺にはわかる。ゾンビと人との違い。まず、腐ってない。あと、なんか知的。それと靴履いて日本語喋る。でも前にゾンビのふりしてゾンビから逃げようとしてる人を間違って撥ねたことはある。ごめん、第一人者ではなかった。
とにかく、たぶん人間。それも女の子。しかも二人。イエス、守りましょう。
「ヒーーーーーハーーーーー!!」
ご機嫌な声を上げながら、俺は立ち往生する車の先端にノンブレーキで車をぶつける。中にいた女の子たちが『マジかこの人』みたいな顔をしてたが、そんなの関係ねぇ! そんなの関係ねぇ!
っていうか、群がるゾンビが今の一発で吹っ飛んだんだしお手柄じゃね?
「はいどーも! お車を一台、お届けにあがりました! 撮影機材と、あとナンバープレートも折ってあって実に機能的な一台! スモークガラスの暗さが半端なくて、中でナニしててもわからない優れ物だよ!」
ちなみに俺のSUVは無事。車に車をぶつけて逃げるテクニックもあるのです。避難所によっては廃車でバリケードを作ってるとこもあって、逃げるときにそれをうまく崩せないとBADENDってタイミングも紙一重でありましたのよ。経験豊富ですの。
車から飛び降りて、俺は吹っ飛んだゾンビ共の首をジャベリンで次々とはねる。
ちなみにゾンビ共はこれまたゾンビのお約束だが、頭を潰すか切り離すでもしないと動きが止まらない。まあ、動かなくなるぐらい首から下を潰しても死ぬだろうけど、そんないらん労力よりは細い首を力任せに吹っ飛ばす方が効率的だ。
交差点にいるゾンビは、ざっと数えて二十体前後。酔っ払いとやるなら十分な数だ。
転がっていた奴らの処刑タイムを一通り終えて、俺は千鳥足でジャベリンを構えた。寄ってくる奴らを見定めて、一匹だけ動きの違う奴を狙う。
「あの、赤いTシャツの男よ!」
「わかってますとも、ミナミちゅわーん!」
手を繋いだままの頼れるヒロインの声に、俺は近付くゾンビを突き飛ばしながら目的のゾンビを狙う。赤いTシャツのゾンビを守ろうと他のゾンビが集まるが、ジャベリン流は力と技とスピードと精神力とスタミナと誰かを大切に思う心が命だ。命多いな。雑すぎるだろ。
とにかく、なんかもう身体能力がとにかく大事な流派なので、とろ臭いゾンビ共の動きでは俺の狙いは邪魔できない。
「おらぁ! 江頭アタック!」
素早い身のこなしで赤Tに追いつき、俺は尻からぶつかる必殺の一撃でゾンビを吹っ飛ばした。転がる赤Tは、しぶといことにまだ動く。俺の必殺江頭アタックを受けてまだ動けるとは見事。今までに一匹も仕留められたことがねえ。江頭アタックは封印だ。この間も封印してたのに出てきちゃうあたり、エガちゃんはやっぱりすげーや!
「ジン! 遊ばないの!」
「ういうい、おらぁ!」
寝転がる赤Tの頭をシャベルで叩き潰して完全撃破。
その途端、徒党を組んでいたゾンビ共の動きが止まり、それから互いを敵だと認識したように隣にいた奴に襲いかかり始める。
これだよ。なんかわからんけど、ゾンビは一つの集団ごとにトップがいるらしく、その統率する奴をぶち殺してやると、互いが仲間だと認識できなくなるらしい。
ゾンビの集団をぶち割ってる間に学んだ、『ゾンビ学級崩壊』だ。てっぺんがやられると脆いあたり、人間はゾンビになっても性根が変わってないらしい。
ともあれ、この状態になるとゾンビ共は人間とゾンビの区別もつかないので、仲間同士で齧り合ってるところを後ろから一つずつ首を撥ねていく。
あーもう、超眠いしかなりだるい。とっとと終わらせますわ。終わりました。
「一仕事終わったな。ビールがうまい時間だぞぅ」
「あ、ごめん。残ってたビール、コンビニに置いてきちゃった」
「てめー、亭主が帰ってきてビールの一杯もないとか舐めてんのか、あぁ?」
「誰が亭主よ」
「あ、あのー」
などと、ミナミとゾンビ漫談を繰り広げていたところに、おずおずと声がかかる。
振り返ると、そこには二人の少女がおっかなびっくり俺たちを見ていた。
髪の毛の短いショートカットの少女と、長い髪の毛をポニーテールにした少女だ。どっちも若い。幼い。中学生? 高校生? その間ぐらい。なかなか美少女でオジサン照れる。
「無事だったみたいだな、アスカ、レイ」
「は、はい。ありがとうござ……え? アスカ? レイ?」
「そう! アスカとレイだ! 髪の毛短い子と髪の毛くくってる子が二人でいたらなんかそんな感じだろ? メガネかけてるマリはいないの? おいおい仲間はずれはよくねーぜ。それともアレか? 鋼鉄のマナ派? いいよ! 俺はどっちもカバーできるし!」
きょろきょろと周りを見回してみるが、残念ながら幻の三人目は見つからない。アスカとレイはドン引きした顔で俺を見ていた。あかん、これいかん奴や。
「もう、調子に乗るからこんなことになるんでしょ」
そんな風に中高生女子をビビらせていた俺を、手を繋いだままのミナミが怒る。ミナミは俺の代わりに前に出て、アスカとレイににっこりと笑うと、
「ごめんなさい。この人、色々あってちょっと心が荒んでるの。許してあげてね」
「――――」
ミナミの言葉に、少女二人は目を丸くしている。
とはいえ、こちらに二人を傷付ける意図はないのだ。それは信じてもらっていい。残念なことに今の世の中、他人が他人に対して優しいばかりじゃないのが悲しいことだが。
日常系アニメでも見て、みんなにはほのぼのした心を取り戻してほしい。
「やばい、あーいまーい3センチとか頭の中で歌ってたら眠くなってきた!」
セーラー服が持ってかれちゃう歌を回想してたら、俺の睡眠欲がそろそろラストバトル。眠すぎて耐え切れなくなって地べたに寝っ転がる。ささっと少女二人が自分たちのスカートの裾を押さえた。違うよ! そんなつもりじゃなかったよ!
「車はやるよ。好きに使うといい。頑張って生き残るんだ、ホワイト、ブルー」
「その色の呼び名は、何を見て思いついたんでしょうか?」
「企業秘密です☆」
舌を出してとぼけてやって、俺は本格的に訪れる眠気になんかもう全部委ねる。
路上で寝るなんて自殺行為丸出しだが、まぁもはや構うまい。二人にとってはちょっと見捨てるみたいで気分悪いかもしれないが、今の世の中、時には切り捨てるべきものを切り捨てなくては生きられないのだ。少女たちよ、俺の屍を越えてゆけ。
そんなこんなで、俺は呆気なく眠るのであった。
ゾンビをガッシボカ、スリープ。
△▼△▼△▼△
目の前で本当にいびきを掻き始めた男を見て、少女たちは途方に暮れた。
「どうする?」
「どうするって言われても、置いていけるはずないじゃない。助けてくれた恩人なんだから……そりゃ、変な人だけど」
悪い人ではない、と弱々しい声を出すショートの少女。彼女の言葉にポニーの少女は周囲を見渡して、その惨状に軽く身震いした。
「悪い人じゃないかもしれないけど、危ない人なのは間違いないと思うよ? あたし、ちょっとその人のこと恐いもん」
シャベルを振り回し、次々とゾンビを薙ぎ払っていった男の暴れぶりを思い出す。
少女たちも当然、今の世の中が甘いことを言って生き延びられる世界ではないことを理解している。それでも、これまで少女たちが見てきたゾンビとの戦いでは、ゾンビを殺す側にも必死さや悲壮感があった。殺すことへの躊躇、人間らしい葛藤というものが。
それが振り切れてしまっているのか、男の行動にはそれがまったくなかった。まるで作業のような気軽さで、男はゾンビをあっさりと始末した。雑草を摘むような勢いだ。
人型のものを躊躇いなく殺す姿に二人が恐怖するのも無理はない。ましてや、
「人形遣い……」
「え?」
「思い出したの。隣町の……ほら、この間、壊滅しちゃったコミュニティがあったでしょ? 活人テニヌ使いの三上さんが仕切ってたコミュニティ」
「ああ……あの、打つ球がなくなって『ゲームセットだ』って通信が最後になった」
それなりの交流のあったグループだった。正直、活人テニヌというものが何なのかについてはさっぱりわからなかったが、拳より小さなテニヌボールがゾンビの体を吹き飛ばす光景には悪夢めいたものがあったことは確かである。
そんな異能者軍団も、内輪もめのテニヌボールの奪い合いで壊滅した。辛い話である。
「で、そのテニヌ男がどうしたの?」
「活人テニヌの三上さんが有名みたいに、二つ名を持って生き延びてる人もいて、その中に人形遣いって名前のジャベリン使いがいるって聞いたことがあったの」
「ちょっと、まさかそのジャベリン使いって……『ブラッディサンタクロース』『終わりを告げるアニソン』『地上最後のラブライバー』って言われてる、あの?」
音に聞こえた伝説。否、伝説というほどには年月を経ていないが、それはこの世界で生き残るものたちにまことしやかに伝わっていた伝説だった。
伝説に曰く――『赤いシャベルを担いだ男は、なんかすごい』と。
「とにかく、連れて帰りましょう。みんなのところに薬も持っていかなきゃいけないし……それにこの人、噛まれてるのにゾンビになってない。貴重なキャリアみたいだもん」
「えー、それでもあたし恐いなぁ。だって……」
ショートが男の足を掴んで引きずるのを見て、ポニーは嫌々それを手伝う。そして、幸せそうに眠る男の両手、左のシャベルと、右手に繋がれたテディベアを見て、
「クマのぬいぐるみで裏声出しながら一人二役してんだもん。すごい恐い」
相方の不安に内心では同意しながら、ショートは男を車に乗せると、SUVのエンジンをかけた。
執筆者:鼠色猫/長月達平
『Re:ゼロから始める異世界生活』 http://ncode.syosetu.com/n2267be/
一言『リメンバー・レイスの王(レイスの王の悲劇を忘れるな!)』
評価は受け付けておりません。
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