朝日新聞:「核心変わらず」慰安婦問題記事取り消しで見解

毎日新聞 2014年08月28日 22時14分(最終更新 08月28日 22時37分)

 朝日新聞は28日付朝刊で、一連の従軍慰安婦報道のうち「強制連行した」と証言した吉田清治氏の記事を取り消したことに関し、「慰安婦問題 核心は変わらず」との記事を掲載した。

 記事は、慰安婦問題で謝罪と反省を表明した1993年の河野洋平官房長官談話を策定した際、政府は「吉田氏をヒアリングの対象としたものの、その証言内容を談話に反映しなかった」と指摘。韓国政府についても「最も重視しているのは、元慰安婦自身による多くの証言だ」と強調した。

 また、現役の韓国政府関係者の見方として、吉田氏の証言は「韓国では一般的に知られているとは言えない」と伝えた。

 しかし、96年に国連人権委員会に提出された「クマラスワミ報告」は、強制連行の証拠として吉田氏の証言に言及し、日本政府に国家賠償を求めた。今回の記事はこうした事実には触れていない。

 朝日新聞は今月5、6両日に掲載した特集記事で、韓国・済州島で「慰安婦にするため女性を暴力を使って無理やり連れ出した」と証言した吉田氏について、「証言は虚偽だと判断し、記事を取り消します」と訂正した。【古本陽荘】

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