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「Ferguson暴動」で米ハフポストのクラウドファンディングがうまく行ってない理由

FacebookのフィードをALSのアイスバケットチャレンジが埋め尽くしていた先々週から先週にかけて、米国で「Ferguson(ファーガソン)」暴動の話題がTwitterを中心に超絶に盛り上がりました。

Why Facebook is for ice buckets, Twitter is for Ferguson

これは一言で説明すると、今月9日、ミズーリ州ファーガソンにて丸腰の黒人青年が警官に撃ち殺されたことへの抗議運動のことです。店への襲撃など運動は過激化し、一時非常事態宣言が出される事態にまで発展しました。
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(NYTのトップページよりキャプチャ。推奨記事をほぼFerguson関連が占める。)

アサルトライフルを持つ警官、米警察の過剰な軍事化

この暴動はジャーナリズムのあり方にも深い問いを投げかけています。すなわち収拾をつけたい現地の警察はジャーナリストの動きを制限しようとし、中には逮捕される者も出たのです。そのため数多のメディア、ジャーナリストがどう伝えるべきかの模索をしていました。

米ハフポストがクラウドファンディング実施ーー「ファーガソンの暴動」の継続的報道に向け - メディアの輪郭 

そんな中、ハフポストはクラウドファンディングによって資金を集めて継続的報道を試みるプロジェクトを立ち上げました。
暴動そのものは落ち着きましたが、問題の警官の進退や発砲の背景、暴動中に振るわれた民衆への暴力など掘り下げるべきテーマは確かに多々あります。

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(・THE FERGUSON FELLOWSHIPよりキャプチャ)
しかしこれほどの話題性の高さにも関わらず、このプロジェクトの雲行きは怪しいです。

調達額は目標の4万ドルに対して3日前に1.3万ドルで現在1.6万ドル。1日1千ドルのペースのままでは期日までに達成できないし、スタートダッシュで躓くとクラウドファンディングは尻すぼみになりがちです。

なぜうまくいってないのか?僕が考える理由は明白なもので、共感を得られるストーリーではないから、ということです。 
このプロジェクトの説明文はハフポから支援を受けることになるジャーナリストのMariah StewartやRyan Reilly の人物紹介に大半が割かれ、肝心の調査内容についてはほんの数行しか触れられていません。
これではなんでわざわざお金を出してハフポを応援するのか読み手にはわかりません。CNNあたりが放っておいても やってくれるのではないかと思ってしまいます。

ハフポが新興メディアとして出発したころは、(その時の様子を僕が直に見たわけではないですが)たとえばLGBTなど、他の大手メディアがやろうとしてもやりにくい、しかし話題性のあるものを取り上げたことで注目を集めました。

そのエッセンスは大メディアとなった今も変わらないはず。ハフポにしかできない、ハフポにやってもらいことだという読者の共感を得て初めてお金は集まるのだと思います。 

多くのものに当てはまりそうですが、メディアはとりわけテーマそのものに共感を集められるかどうかが鍵なのだなと改めて実感しました。

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