STAP細胞:検証実験に疑問の声 必要な透明性の確保

毎日新聞 2014年08月27日 23時33分(最終更新 08月27日 23時47分)

 STAP細胞の検証開始から5カ月近くたったが、中間報告で発表されたのは、論文通りの条件で実験しても一度もできないという厳しい現状だった。

 実験を開始した4月以降、STAP細胞の遺伝子データの解析から、STAP細胞がES細胞(胚性幹細胞)だった可能性が示唆されるなど、STAP細胞の存在は揺らいでいる。STAP細胞存在の科学的な根拠だった論文も撤回され、研究は白紙に戻った。

 このため、今なお検証実験を続ける意義に疑問の声は多い。理研は行動計画で「検証は、論文の各項目について、どの項目が再現できるか否かを明らかにすることを含む」と、論文不正の全容解明にも資するとの立場を初めて示した。

 STAP細胞の有無の判断は先送りになり、間もなく小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダーによる実験が始まる。毎日新聞の取材によると、小保方氏は5月下旬から実験に立ち会っていたが、検証チームは伏せていた。そうした秘密主義は検証の信頼性を損なう。最終報告は、不正の検証という観点からも注目される。検証実験を続けるのであれば、一層の透明性が必要だ。【須田桃子】

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