「魔法の指輪」が登場、もはや点字は不要に?

<動画>MITメディアラボが開発した新技術

指輪で本を読み上げる仕組みとは?

アメリカとシンガポールの研究者たちが開発した指輪状の新型デバイスのフィンガーリーダー(FingerReader)は、通常の文字を読み取って合成音声にしてユーザーに伝えるシステムだ。

このシステムを使えば、視力に障害を持っている人でも文字を素早く読み取り、内容を知ることができる。視覚障害者のために特別に作られた点字の書籍でなくても、難なく読むことができるのだ。いったいどのようなものなのか、詳しくみていこう。

指で本を読むことが可能に

メン・イー・ウォン氏は視力に問題があるにもかかわらず、指に取り付けたフィンガーリーダーを利用して、全く新しい方法で本を読んでいる。

ウォン氏はフィンガーリーダーを使いながら、こう述べる。「奇妙な感覚です。視覚障害者は文字を読むことになれていないので、変に感じます」。

フィンガーリーダーは、視覚に難のある人のために開発されたデバイス。シンガポール・ユニバーシティ・オブ・テクノロジー・アンド・デザイン (以下SUTD)の研究者で助教授のスランガ・ナナヤッカラ氏は、アシスティブテクノロジー(障害を持つ人々を支援するための技術)と視覚障害者の間にはギャップがあると述べる。

ナナヤッカラ氏は次のように話す。「目が見えない人でも使いやすく、ユーザーフレンドリーだと宣伝するスマートフォン用アプリが非常に多く公開されています。しかし実際は、目が見えない人がスマートフォンを利用するためには非常に退屈で長い手順を踏まなければならないのです」。

次ページカメラで文字を読み取り
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