メルセデスの出来事はF1にとってよいこと 2: クルサードのF1コラム
David Coulthard column: Mercedes incident is good for F1
世間は、日曜日の出来事の後、そしてレース後の発言を、ふたりの対立が始まったモナコ予選での出来事に結びつけている。
2014年05月24日
F1第6戦モナコGP予選 ロズベルグPP
だが、僕は、ニコ・ロズベルグがルイス・ハミルトンのタイヤをパンクさせようと考えたとは全く思わない。彼は単に不器用だったのだ。
ロズベルグは、ハミルトンに対して強硬な態度をとることを証明したかった。これは彼の最初のチャンスだったが、やや不器用で、事態は悪い方に進んだ。
なぜか? それは彼がハミルトンほどホイール・トゥ・ホイールのレーサーとして優秀ではないからだ。
損得勘定ができ、冷静さを維持し、知的にレース週末を管理して、チームメイトにプレッシャーを与えるドライバーが必要なら、ロズベルグを選ぶだろう。
しかし、難しいトラックでグリッド後方から先頭まで追い上げるようなドライバーを選ばなくてはならないのなら、ハミルトンを選ぶだろう。
ロズベルグは速いドライバーで知的な人間であり、ワールドチャンピオンシップ首位に立っているが、彼はハミルトンとこのようなバトルをしたら勝てないだろう。自分の強みになるような戦い方をしなくてはならない。そして彼の強みは一対一のレーシングではない。
それでも、レース中ペナルティを与えなかったレース・スチュワードの判断は正しかったと思う。ドライバーに激しく戦ってほしいのなら、このような状況ではそれが正しい。だからスチュワードは何もしないことを決めた。
2014年08月21日
エマニュエル・ピロ、F1ベルギーGPのレース・スチュワードに
しかし、日曜日の出来事は、ハミルトンに大きな影響を与えた。だからおそらくスチュワードは代替案を出さなくてはならないだろう。
タイトル争いをしているライバルの間でこのような状況が起きた場合、スチュワードは違う見方をするべきだっただろうか? おそらく イエスだ。
ロズベルグは事故を起こし、ハミルトンのタイトル獲得チャンスに悪影響を与えた。このシナリオでは、特にチャンピオンシップがかかっている場合、結果を中和する何かがあるべきだろう。
そうしなければ、ふたりのドライバーが最終戦に臨んだとき、ポイントでリードしているドライバーが相手をリタイヤさせることができる。
ワールド・チャンピオンシップは非常に重要なので、誰かがそうするかもしれない。過去にも起きているし、また起きるかもしれない。もちろん、誰もそんなものは見たくない。
ロズベルグはハミルトンに、自分を押し出すことはできないと証明したかったと言うべきだったのだろうか? 彼がそう感じているのなら、チームの中で言うべきだ。
ハミルトンは、日曜のレース後、話し合った内容を世間に話すべきだったのだろうか? チームのためには、おそらく話すべきではなかった。しかし、チームのために、ロズベルグはあの時点でハミルトンとレーシングをするべきではなかった。
ドライバーは、チームに対して完全に正直でなければならない。それがたとえ誰かを喜ばせたり、誰かを悲しませたとしても、そうしなければチームは機能しない。
僕がミカ・ハッキネンにぶつかった時、マクラーレンではまさにそうした。
僕はミカとチーム代表のロン・デニスに、本音を話した。僕らは議論した。しかし、その部屋から公の場に出ると、ミカは何も言わなかったし、僕もチームの方針に従った。
今回の重要な違いは、チームの観点から、ミカや僕に比べ、ハミルトンの方が管理が難しくなっている、ということだ。
数年前、彼はスパでマクラーレンのチームメイトだったジェンソン・バトンに予選で負けたとき、テレメトリに関する機密情報の写真をツィートしたことがある。
2012年09月03日
ハミルトンのTwitterが大騒動に
2012年09月03日
マクラーレン、ハミルトンのテレメトリ・ツイートは「判断ミス」
2012年09月04日
クルサードのコラム: スパの事故とハミルトンのツイート
ハミルトン以外にチームに損害を与えるようなことをしたドライバーは、マクラーレン時代のフェルナンド・アロンソである。メルセデスは、ハミルトンがそのようなことをする可能性があることを知らなくてはならない。
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-Source: bbc.co.uk
markzu at 12:17│Comments(0)│デイヴィッド・クルサードのF1コラム
2014年08月27日
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