夏の全国高校野球大会は大阪桐蔭が2年ぶり4度目の優勝を果たした。

今年も熱戦の連続となった甲子園だが、高校野球が抱える問題点の一つとして今年も至るところで議論になったのが「投手の投球数」だろう。

「肩は消耗品」と言われているが、まだ身体が出来上がっていない高校生であれば尚更。投球過多はその後の野球人生に大きな影響を及ぼす。実際に高野連でも球数制限や延長戦ないし再試合の有り方などが検討されているというが問題も多い。

26日、TBS「NEWS23」では、「ピッチャー“投げすぎ”問題 今大会も800球超が・・・影響は?」と題し、野球解説者・桑田真澄氏が見解を述べた。まずは同番組が話を聞いた二人の指導者のコメントから。

●帝京高校・前田三夫監督
「球数を100球と決めますと、まず(相手投手に)やっぱり100球を投げさせちゃう。今までですと1球目から真剣勝負ですからそれが一つの醍醐味。まずそれがなくなる。三者連続三振でもいいから(球数を)投げさせろと」

●横浜高校・渡辺元智監督
「高校野球だけで終わるという子も結構多い訳です。色々な社会の中で“あの時踏ん張ることができたから今があるんだ”という中で(経験が)活かされている。感動を与えてきた野球が薄れる可能性は十分ある」

続いて、同番組で述べた桑田氏の見解は以下の通り。桑田氏は日本学生野球憲章を遵守した上で球数制限の導入を訴えている。

●桑田氏のコメント
「道具も戦術も技術もすごく進化してきている。指導方法だけが進化していない。時代とともにルールを変えていくというのも非常に大事。

(あえて提言するなら)小手先の改善策よりも改革が必要。僕は球数制限しかないと思ってます。できれば小学生のころから変えていく。どんな調子悪くても“いけるか?”と言われれば“いけます”と答えるのが選手。ルールを設けて皆で守っていくというのが大事。

やらせることばっかりが指導者と思いがちですけど、実は止めることが大事な要素なんですね。日本学生野球憲章が大事だと思う。神棚に上げているんじゃなくて実践していく。

(球数制限を導入すれば)球数を投げさせる戦法って言われてましたけど、学生野球憲章に“フェアプレー精神の理念”というのがあるんですね。卑怯なプレーをしてはいけないということ。“部員の健康維持・増進”そして故障しないための“障害予防”です。これらを掲げているわけですから」