理研:再生研の規模半減の解体的出直し 改革行動計画発表

毎日新聞 2014年08月27日 10時02分(最終更新 08月27日 13時06分)

理研の「発生・再生科学総合研究センター」の建物=神戸市中央区で、本社ヘリから後藤由耶撮影
理研の「発生・再生科学総合研究センター」の建物=神戸市中央区で、本社ヘリから後藤由耶撮影
研究不正再発防止をはじめとする高い規範の再生のためのアクションプラン
研究不正再発防止をはじめとする高い規範の再生のためのアクションプラン

 ◇11月までに「多細胞システム形成研究センター」に再編

 STAP細胞の論文不正問題を受け、理化学研究所(野依良治理事長)は27日、論文作成の舞台となった発生・再生科学総合研究センター(CDB、神戸市)の「解体的出直し」などを柱とした改革のアクションプラン(行動計画)を発表した。CDBは規模を現在の半分程度に縮小し、今年11月までに「多細胞システム形成研究センター(仮称)」に再編される。

 野依理事長が同日、下村博文文部科学相に報告した。行動計画は、CDBの実質的な解体のほか、ガバナンス(組織統治)の強化▽研究不正防止策の強化▽計画実施のモニタリング−−の4本柱で構成される。

 CDBには現在、約40研究室あり、所属する研究者は約450人。その研究室を半減する。まず5種類の研究プログラムのうち、ベテラン研究者を中心とした「中核プログラム」とセンター長直轄の「センター長戦略プログラム」を廃止する。STAP論文の筆頭著者の小保方(おぼかた)晴子研究ユニットリーダーはセンター長戦略プログラムに所属していた。残る研究室は一部を理研の他のセンターに移すなどして再編する。所属する研究者の雇用は維持する。iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った臨床研究に取り組む高橋政代プロジェクトリーダーは残り、「網膜再生医療研究開発プロジェクト(仮称)」として推進する。

 2000年の設立当初からセンター長を務めてきた竹市雅俊氏は交代させ、外国人研究者を含む外部有識者の委員会で新センター長を選ぶ。CDBの「グループディレクター」と呼ばれるベテラン研究者による運営会議は廃止する。

 理研組織全体の改革としては、外部の意見を組織運営に反映させるため、産業界などの有識者が委員の過半数を占める「経営戦略会議」を新設する。今年12月までに初会合を開催する。

 STAP問題発覚後に設置された外部識者による改革委員会(委員長=岸輝雄・東京大名誉教授)が6月に提言をまとめ、CDB解体や人事の刷新など大胆な改革を求めた。理研本部についても、理事の交代や増員を求めていたが、今回の行動計画には入らなかった。

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