ハンストのセ号遺族が「疑惑」に反論

事故直後、珍島体育館で朴大統領に悪口浴びせる動画が出回る

ハンストのセ号遺族が「疑惑」に反論

 旅客船「セウォル号」沈没事故に関し、捜査権や起訴権を含む特別法の制定を求めて44日にわたってハンガーストライキ(ハンスト)を行っているキム・ヨンオさん(47)が、事故発生直後、全羅南道の珍島体育館を訪れた朴槿恵(パク・クンヘ)大統領に対し悪口を浴びせる様子を捉えた動画が急速に拡散している。

 キムさんは事故で犠牲になった檀園高校(京畿道安山市)の生徒キム・ユミンさんの父親だ。動画は事故発生翌日の今年4月17日、行方不明者の家族が集まっている珍島体育館を朴大統領が訪れたときに撮影されたものだ。

 家族がステージの下に座り、朴大統領に対して「(セウォル号の船内に)空気を送り込んで」「ダイバーを早く動員して」などと求めていたとき、キムさんはその場で立ち上がり、朴大統領に向かって腕を振り回しながら「人(責任者)を変えろ」と叫び、さらに隠語を交えて悪口を浴びせた。朴大統領はその直後、顔を横に向けた。

 キムさんをめぐる疑惑が論議を呼んでいる中、キムさんは26日「私の疑惑に言及する中傷的な問題提起について、法的手段に訴える」とコメントした。

 キムさんはこの日午前、フェイスブックに「私の疑惑に言及する中傷的な問題提起について」という報道資料をアップし、釈明に乗り出した。今月24日に続く2度目の釈明コメントだ。キムさんは「経済的に極めて苦しかったときを除けば、養育費や保険料はずっと払い続けてきた。暮らし向きがよくなった3-4年前からは、前妻や子どもたちの携帯電話の料金も負担した」として、その内訳が記載された通帳の写真を掲載した。

 また「養育費を十分に支払わない一方、趣味の国弓(韓国式弓道)に金を使ってきた」という疑惑については「国弓の会費は月3万ウォン(約3100円)にすぎない。養育費を支払わないで趣味に金を使ったという主張は事実無根だ」と反論した。その上で「娘たちとは親密な関係を維持してきた」として、2人の娘とのカカオトーク(スマートフォン向け無料チャット・通話アプリ)のやりとりをキャプチャーした写真も公開した。

 一方、ある保守系団体は今月25日、インターネット上で「キムさんが娘たちを孤児院に送ると言った」などのうわさが出回っていることについて「うわさが事実でないならば、キムさんに対する名誉毀損(きそん)に当たるため、捜査を行うべきだ」として、キムさんに対する名誉毀損容疑で不特定のネットユーザーらをソウル鍾路警察署に告発した。

 政治評論家のピョン・ヒジェ氏は26日「キムさんは(来韓したフランシスコ)ローマ法王と面会した際、あたかも離婚後に男手一つで2人の娘を育ててきたかのような、うその話をした」という内容の書簡を在韓教皇庁大使館に送った。セウォル号家族対策委員会は、ローマ法王の来韓を控えた今月15日、教皇庁に送った手紙で、キムさんについて「離婚後、2人の娘を男手一つで育てた」と紹介していた。

オム・ボウン記者
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