英語とはすこし離れた話ですけど。 「日本人と西洋人では脳の使い方が異なる。」 もう20年も前に読んだ本。 角田忠信さんの本だったと思います。 思い出しながら書くと、 右脳が感情や芸術、左脳が理性や論理 っていうところは同じなのですが、言語について、日本人は右脳を使うということだったと思います。日本語では、英語よりも母音がたくさん使われ、その母音が感情野で処理される。 だから言葉によって感情的になりやすい性質があると、そんなことが書いてあったと思います。 なんとなく納得がいく気がします。 でも疑問が。 同じように母音を多く使うイタリア人やスペイン人は? 日本人の感情が「陰」に向かうのに対して、ラテン人は「陽」に向かっていくのかなあ。 --- 英語と日本語、構成する周波数が違うなどとよく言われます。 これには母音と子音の構成比も関係あると思うし、英語での子音を出す手段も関係していると思います。英語ではs, t, p, k などの「無声子音」や、f, th, v など摩擦を使う子音など、日本語にはない音があります。 人間、子供のとき言語を習得する過程で、自分の言語にない音を聴かなくするようなフィルターが、脳内に構成されて行きます。 それによって、上で言ったような母国語にない子音は、そのフィルタにかかってしまって、意識に届かなくなってしまいます。つまり、母国語にない音はノイズとして認識されてしまって、言語を思考する脳の部分に届く前に消されてしまうのです。 そのフィルターは生後一年くらいでできはじめ、12歳くらいで完成するそうです。英語の勉強ははやく始めた方が良いという根拠は、ここにもあるようです。 v, th, f というような「ぶるぶる」「しるるる」系の音や、母音を伴わないs, t, p, kのような「クスプク」系の音は、日本語脳にとっては余計なノイズであるのに対して、英米人にとっては言語の重要な部分です。 フィルタのかかりかたが日英で異なるんです。 native speakerが英語で話すのを離れてよーく聴いていると、「しるるる」「クスプク」系の音が目だって聴こえてきますよね。 あの音が日本語脳のフィルタにかかってしまっているんです。 おもしろいと思うのは、和楽器と洋楽器の違いです。 和楽器には、三味線や尺八、琵琶など、「しるるる」「しゅるしゅる」系の複雑なアタック音を出すものが多くあります。日本人のこころは、その「雑音的」な音を、脳の芸術野で楽しむようです。 反対に、西洋音楽では「しゅるしゅる」系よりも、よりクリアに純粋に聴こえる楽器が多く使われます。言語で言えば「母音」のような音の楽器です。 それが芸術野に入って行くのでしょう。 言語を聴くときのフィルタのかかりかたとはちょうど反対ですね。 音楽は、言語とは反対の方の脳に届くようにできているように思えます。 日本語のフィルターが、完成してしまった大人になってからでも、英語を受け入れるためのフィルタ修正はできると私は思います。 好きになれば、聴こえてきます。 見たいものが見えるようになるように、好きな音楽が聴こえるように。 すずきひろし |
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内 容 | ニックネーム/日時 |
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日本人は右脳を使う。 |
雫。 2012/03/05 05:40 |
雫。さん、 |
すずきひろし 2012/03/11 21:32 |
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