福島みずほのどきどき日記

原発の防災計画、避難計画について

8月26日(火)原発の防災計画、避難計画について

皆さんこんにちは。お元気ですか?
この猛暑の中、私たちは原発なくても大丈夫です。原発が動いてなくても脳症に私たちは炊いています。原発がなくても天気は何やっています。このことをまず確認をしたいと思います。

原発再稼働に断固反対です。
第1に、大飯原発34号機の差し止め判決が言ったように、耐震指針を根本的に見直す必要があります。基準値振動という考え方は根本的に取ることができません。

第2に、川内原発については、火山活動の問題点があります。予知し、対策をとることが可能なのでしょうか。
原子力規制委員会が25日に開いた火山の巨大噴火リスクを検討する専門家会合では、噴火を事前予知することが極めて困難という指摘が相次いだ。
川内原発の審査の中で、火山の専門家から意見を聞いていれば規制委員会の判断は違う展開になった可能性は十分にある。川内の審査結果案を変更をすべきである。

第3に、防災計画、避難計画についてです。
まず、防災計画、避難計画が、十分でなければ、原発再稼働はありえません。
しかし、政府は、自治体まかせであり、自治体で、実効性のある避難計画など作ることはできません。
結局、実効性のある避難計画であるかどうかを自治体も政府も責任を取らないまま再稼働をしようとしているのです。

3月10日、予算委員会で、田中俊一原子力規制委員長に対して質問をしました。
「田中委員長、新規制基準と防災が車の両輪と発信をされています。住民が安心できる防災計画、避難計画がなければ原発が安全はないということでよろしいですね。」
これに対して、田中院長の答弁は次の通りです。
「おっしゃるとおり、私自身は車の両輪だと認識しております。防災・避難計画を策定するのは、これは内閣防災の方が所掌ですし、それを実行するのは地方自治体で、住民の方が安心できなければ稼働には結びつかないだろうという意味で車の両輪であるというふうに申し上げております。」
住民の方が安心できなければ稼働には結びつかないという点はそのとおりです。しかし、実行するのは地方自治体ということで、自治体まかせにしている点が問題です。

避難計画の作成について、次のように質問し、安倍総理が答弁しました(3月10日、予算委員会)。
・福島みずほ:防災計画、避難計画を作るんだって自治体任せなんですね。でも、自治体ができるんでしょうか。それが実効性あるという判断は誰がやるんですか、総理。
・安倍内閣総理大臣:地域の防災計画や避難計画は、地域の様々な事情を踏まえて作成されることが適当であると考えています。政府としては、各省庁を挙げて自治体の取組への支援を行っておりまして、原子力防災会議において各地域の進捗状況を確認してまいります。避難計画ができていない地域に対しては、策定支援とそのフォローアップをしっかりと進めてまいります。
・福島みずほ:結局、自治体任せなんですよ。原発再稼働して、事故が起きて、防災計画、避難がきちっとできないということであれば、住民は安心できないですよ。

次に、避難計画で問題なのは、要援護者のことです。この点についても次のように質問し、安倍総理が答弁しました(3月10日、予算委員会)。
・福島みずほ:避難についてお聞きします。要養護者、例えば寝たきりの人やハンディキャップがある人、そういう人たちはどうするんですか。病院や老人施設の人たちは、しばらくたったら迎えに来るから待っておれというんでしょうか。
・安倍内閣総理大臣:福島第一原発事故の際の住民避難における様々な出来事を十分に参考、反省しながら、無理な避難をせず屋内退避できるよう、病院や福祉施設の建物に換気用エアフィルターなどを設置する放射線防護対策をしているところでございます。
・福島みずほ:福島原発事故のように建屋がぶっ壊れるようなすさまじい核事故の場合に残っておれなんて言えないですよ。若い介護者の人だって被曝するということですよ。それはもう見直してください。

要援護者は、「無理な避難をせず屋内退避できるよう、病院や福祉施設の建物に換気用エアフィルターなどを設置する放射線防護対策をしている」と答弁をしているが、結局、要援護者はおいていくと言うことです。
こんな残酷なことがあるでしょうか。
エアフィルターなどをつけても、それはどれほど持つのでしょうか。水や食べ物を置いていてもそれがどれほど持つのでしょうか。また要援護者には、援護する人が必要です。要援護者も、援護する人も被曝をしてしまうことになるのではないでしょうか。結局、苛酷事故が起き、放射性物質が高くなれば、迎えに行くことが極めて困難となります。

東海第二原発の2.4キロのところにある特養老人ホームを訪問をしたことがあります。そこの理事長さんは、高齢者一人一人をしっかり避難させることは、不可能だとおっしゃっていました。だから、原発再稼働反対、原発を廃炉にと主張されていました。それは高齢者の命を預かる者として、長期に、命を大事にし、避難をさせることが不可能だということです。

昨年10月に発表された政府の「共通課題についての対応方針」では避難準備重点区域内(30キロ圏内にある医療施設機関や社会福祉施設等は、入院患者・入所者の避難に関する計画をあらかじめ作成する」と具体的に明記をされました。医療機関や社会福祉施設等に丸投げをしているわけですが、行政は、30キロ県内である医療機関や社会福祉施設等が、本当に避難をさせることができるようにしっかり取り組むべきです。

京都府副知事にあったときは、京都はそれぞれ具体的なマッチングをしていると聞きました。しかし、愛媛県に行った時、伊方原発があるにもかかわらず、具体的なそのようなマッチングはしていないという回答を県庁の職員からもらいました。

政府は、30キロ圏での避難計画の作成を求めているのですから、国と自治体は、しっかりそれぞれマッチングをさせて、どうやって避難をさせるかについて予め計画を作るべきです。国は30キロ圏での避難計画作成が求められていますが、鹿児島県は要援護者については10キロ圏に限定する方針です。そして8月21日に参議院議員会館で開かれた行政交渉の中では、原子力規制庁は、5キロ圏とまで言い出してしまいました。
21日の交渉の中では、市民団体側から、「5キロ圏内の要援護者の施設の避難先を決めない理由は」、「調整する仕組みとは何か」という質問が出ました。これに対し、原子力規制庁の担当者は、「要援護者の状況や症状が変化するため決められない」「調整は県のコンピューターシステムによる」と答弁をしました。

苛酷事故が起きてから、県のコンピューターシステムでマッチングをすることなど全く不可能です。そんなことをやる暇はありません。
結局、置き去りにしてしまうという事では無いでしょうか。原発再稼働ありきで、障害のある人や、高齢者など弱者を切り捨てる政策は大問題です。

島根原発は、日本で唯一県庁所在地にある原発です。トンネルを抜けると先に原発がありますが、そのトンネルの入り口には老人病院があります。事故が起きればどうやって避難をするのでしょうか。全国の原発の30キロ圏内で、本当に病院や、福祉施設などから、完全に、安全に、避難をさせることができるのでしょうか。

東海第二原発の30キロ県内には100万人近い人がいます。これらの人たちをどうやって瞬時に避難をさせることができるのでしょうか。浜岡原発にしても、他の原発にしても、避難は極めて困難です。
伊方原発においては、愛媛県は、防災訓練をしました。その時に、天候は良かったものの、海が若干シケていて、船が出ることができませんでした。原発事故は、極めて天候が悪い時ももちろん発生しえます。
防災計画、避難計画は、絵に描いた餅ではないでしょうか。

原発事故が起きたら、逃げられない。原発事故が起きたらとりわけ、障害のある人や高齢者が置き去りにされる。
政府の出している対応方針すら守らずに、あらかじめどこに避難するという計画なしに、原発再稼働 は間違っています。

原発再稼働はありません。

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