3DP+射出成形は世界標準のための仕掛け
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さて今回は、自分が考える「試作品市場」について考察したいと思います。
実を言うと、今回の「OPM250L」と「LUMEX」との違いがよくわからなくて、IRに質問しました。
基本的にNC部分、モーター部分、ミーリングはソディックの世界最高峰の分野ですから、当然違うのは理解できます。
しかし、性能の違いではなく、機能面での違いでいうと、「金属3DP+ミーリング」までは基本的に同じ。
違うのは、その後にセットされる「V-LINE」射出成形機が付くか付かないか。
素人的に考えると、射出成形機って「大量生産用」のイメージがあったので、わざわざこの装置に付属させる理由を理解できませんでした。
ソディックのIRにもその目的については書かれてません。
でも、そんなことは少し頭捻れば明らかですよね。
実は、今回の3DPは正直最終メーカー用に開発されたのかと思ってましたが、「本当の目的」ってそういうことじゃなくて、既存の金型メーカーに対して大きなメリットを享受してもらうためのツールだということが「やっと理解できた」んです。
金型っていう世界は、本当に技術と経験や、また物理的な知識も必要な世界で、OPMがどんなに優れたソフトを開発しても、「金型」の世界で仕事してきた人間でしか「良い物」を作ることはできない。
自分も昔印刷会社にいたので、その辺のニュアンスはなんとなく理解できます。
それで、その射出成形機が付くとどのようなメリットを持つのか。
今まで、メーカーから依頼されていた金型は、一週間で1個しかできない。
それを、わざわざ別ラインにある本機の射出成形機でサンプリングする。
実に無駄な費用と時間を要してしまう。
しかし、「OPM250L」を利用すると、毎日サンプリングをノンストップで提供することができる。
おそらく、費用も時間も短くなるので、顧客のメーカーは今までの何倍ものサンプリングを得ることが可能になる。
当然、金型メーカーの売上は飛躍的に増大するはず。
すると、この流れは世界中に広がりますよね。
単に、今回の製品は「射出成型機」がLUMEXに付いただけではなくて、世界的に「試作品市場」を普及させるための「仕掛け」でもあったんです。
昔、牛乳ビンの蓋にちょっとでっぱりを付けただけで、大もうけしたのと同じです。
顧客の立場に立てば、とても簡単な理由だった。
これが、今回の商品が産業革命をもたらす理由です。
もしかして衰退する日本の金型産業界の救世主になるかもしれないです。
おそらくソディックが取得しようとする特許には、確実にこの射出成形をセットしたことが含まれてるはず。
まさに、世界標準になるための仕掛けだったんです。
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