パソコンの前で頭をかかえる男

Mac本体が起動しない時に、症状を見て「どこが原因なのか」「どうやって修復するか」「ハードディスクからデータは取り出せるか」を確認するためのフローチャートを作成しました。

Macが起動しない時の症状や対処法はWindowsとくらべてある程度パターン化されています。

以下のフローチャーの一番左には、「正常な時の起動の様子」、真ん中には「起動できない時のエラーなどの症状」、一番右には「対処法」を表示しています。

※ 以下の画像をクリックすると拡大表示されます。

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Macが起動しない時の確認フローチャート

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1. 起動しない時の症状の説明

①「ジャーン」の音がしない

Macは電源を入れると、仮にヘッドフォンやスピーカーをつないでいたとしても、必ずMac本体から「ジャーン」という音がします。

②ファンの回る大きな音がして画面に何も映らない

電源は入るものの、ファンが回る「ブオーン」という大きな音がして、画面に何も映らない場合は、Mac本体の基板が故障している可能性が高いです。

③リンゴマークが出ない

「ジャーン」という起動音の後に、普通ならリンゴマークが表示されますが、グレーの背景だけでリンゴマークが表示されない場合があります。

④画面に何も映らない

「ジャーン」という起動音の後でリンゴマークも、グレーの背景も、文字も、何も映らない時があります。

⑤「ピーッ」といった電子音が鳴る

電源が入った直後に「ピーッ」といった大きな電子音が鳴り続ける場合は、メモリの故障です。

⑥リンゴマークの下の歯車がグルグル回りっぱなしで先に進まない

リンゴマークの表示の下に歯車が表示されてグルグル回るのですが、これが回りっぱなしで先に進まない場合があります。

上記で解決できない場合は、内蔵HDD関連のトラブル・故障が考えられます。

⑦カーネルパニックの表示

※ クリックすると拡大されます。

Mac Lionまでのカーネルパニック

Mac OS 10.7 Lionまでのカーネルパニック

Mac OS 10.8 Mountain Lion以降のカーネルパニック

Mac OS 10.8 Mountain Lion以降のカーネルパニック

「カーネルパニック」というのは、画面いっぱいに英語や日本語の文字が書かれて、背景に電源スイッチのマークが表示された状態です。

いきなり画面いっぱいに文字がびっしりと表示されるので、初めて見た時はビックリすると思います。

上記で解決できない場合は、内蔵HDD関連のトラブル・故障が考えられます。

⑧フォルダ?マークがチカチカ表示

起動中にフォルダのアイコンの真ん中に?マークが点滅した状態で起動できない場合があります。

これは、内蔵HDD関連のトラブル・故障です。

2. 対処法の説明

以下の対処法を説明しますが、それでも解決できない場合は、Macから内蔵ハードディスクを取り出してデータ復旧したり、故障したハードディスクを交換する必要があります。

A) 基板・電源・メモリの故障を確認する

A-1からA-4まで、順番に対処してみてください。

A-1からA-4まで全て、ハードディスク以外のハードウエア的なトラブルを解決するための手段です。

A-1) PRAMクリア

「PRAMクリア」とは、Macの基板上に保存されている設定情報だと思って下さい。

Mac内部のハードディスク内に保存されている、個人が作成したデータやソフトは消えません。

A-2) SMCリセット

「SMCリセット」も、「PRAMクリア」と同様にMacの基板上に保存されている設定情報です。

これも、Mac内部のハードディスクにある、個人が作成したデータやソフトは消えません。

A-3) 増設メモリを外す

最近、Macの内蔵メモリを増設・交換した場合は、メモリのエラーを疑ってみる必要があります。

また、数年間使っているうちに、ある日突然エラーが出る場合もあります。

増設・交換したメモリを外してみて、起動できるかどうかチェックしてみましょう。

B) OSの破損・HDDの故障を確認する

B-1からB-2まで、順番に対処してみてください。

B-1では軽微なハードディスクのトラブルを修復、B-2では修復できない時にハードディスクが故障しているかを確認する方法です。

B-1) セーフブートをやってみる

「セーフブート(又はセーフモード)」とは、Mac内部のハードディスクに保存されている一時作成ファイルを掃除したり、ハードディスクの軽微な問題を解決するための起動方法です。

B-2) インストールDVD・リカバリ領域から起動

以下の記事では、インストールDVDが廃止されたOS X 10.7 Lion移行の手順です。

OS X 10.6 Snow Leopardまでは、Mac付属のインストールDVDを入れて「C」キーを押しっぱなしで起動して下さい。

「OS Xユーティリティ」や「ディスクユーティリティ」の使い方は一緒です。

C) 電源は入るが起動しないMacの内蔵ハードディスクからデータを取り出す

C-1からC-2まで、順番に対処してみてください。

「Macを2台も持っていない」「ケーブルが高すぎる」という方は、C-2を試してみてください。

これでもデータが取り出せない場合は、Macからハードディスクを取り外してのデータ復旧が必要になります。

C-1) ターゲットディスクモードで他のMacをつないでデータを取り出す

「ターゲットディスクモード」とは、2台のMacをケーブルでつないで、片方を通常に起動して、もう片方は外付けのハードディスクのように起動するモードのことです。

そのためには、つなぐ双方のMacにThunderboltかFireWireの端子が付いている必要があります。

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カテゴリ:エレクトロニクス


FireWireは、端子が「FireWire800」「FireWire400 9ピン」「FireWire400 6ピン」と3種類あるので、間違えないように。

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「ターゲットモード」の詳しい手順は、以下のリンク先の記事を見て下さい。

C-2) Mac OS Xをインストールした外付けハードディスクから起動する。

あらかじめ外付けのハードディスクにMac OS Xをインストールしておいて、そのハードディスクから起動することが出来ます。

運が良ければ、起動しなくなった内蔵ハードディスクがマウントされますので、そこからデータを取り出せるかもしれません。

詳しい手順は、以下のリンク先の記事を見て下さい。

D) HDDを取り出してデータを救出する

以上をやってみても直らない場合は、内蔵HDDを取り出してデータ復旧・復元したり、故障したHDDを交換する必要があります。

以下に、MacBook ProとMacBookのHDD交換についてのリンク先を載せていますが、「見てもやり方がよくわからない」「多少費用はかかっても手慣れた専門家に任せたい」という方は、当社に依頼して下さい。

また、内蔵HDDを取り出せたものの、データが読み込めない場合も、当社に依頼して下さい。

D-1) MacBook Pro

本体裏側のフタを外せられれば比較的簡単に内蔵HDDを取り出せます。

D-2) ポリカーボネート製の白/黒のMacBook

本体裏のバッテリを外せば内蔵HDDが交換できます。

D-3) iMac、Mac mini、MacBook Air

内蔵HDDを取り出す難易度が高いので、当社に依頼されることをオススメします。

連絡先は以下になります。