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エデン 作者:川津 流一

第三章

9.魔剣

        *


 私は必死に両手の刃で敵の至るところを切りつける。
 しかし、強固な毛皮が私の刃を悉く阻み、深手を与えられない。せいぜいが浅く肉を削ぐのみだ。
 私の武器は、『鬼斬り包丁』と『名刀肉断』の二刀流。どちらもアイテムランクにしてAランクの逸品である。
 武器の性能から言えば、ボス級モンスター相手とは言えども十分に戦力となるはずだった。しかし、私のステータスの低さが敵に効果的なダメージを与えるのを阻害する。
 ボス級モンスターと、こうも正面切って戦闘を行うのは初めての経験だった。
 いつもなら私の攻撃も十分な牽制となるのに、今はそれが通用しない。思わず歯噛みする。
 偶然発見し修得したレア流派によって、生産系の調理士ながら戦闘アシストを受けられる身ではあるものの、素のステータスでは戦闘系流派のプレイヤーには到底適わない。今ほど己のステータスの低さを嘆くことは無かった。
 それでも塵も積もれば山となる。敵とて全くの無傷ではないのだ。深手を期待できない私の非力さを回数でカバーする。
 それに、私が手を緩めればあの子が……アリスが危ない。
 彼女の運動嫌いはよく知っている。
 完全に私へと注意を引きつけるのは無理だが、少しでもアリスへの注意を逸らすために私は刃を振るった。

 師範代さんは素晴らしい壁役だった。
 キングレオの巨体を真正面から受け止め、弾き飛ばす驚異的な筋力ステータス。直撃すれば私やアリスは即座に瀕死となるような猛攻を次々と受け流す洗練された技術。
 おかげで私やアリスは安心して攻撃に専念できる。
 正直、彼が始まりの街ダラスで馬鹿にされているプレイヤーだとは到底思えない。
 ゴールデンボアを一人で相当な数を狩っていたことにも驚いたが、まさかここまでのものだとは思わなかった。
 当初、三人でキングレオと戦うことに半ば絶望を感じてもいたのだが、それもすぐに払拭されている。

 ――このまま上手くいけば、私たち三人だけでキングレオを討伐できる!

 己の趣向のために生産系を選んだとはいえ、ゲームプレイヤーとしてボスモンスター討伐に憧れが無いとは言えない。
 だが調理士の道を選んだことで、その夢は諦めていたのだ。
 期せずして、諦めていた憧れを達成できる状況を目の前に、己の期待が膨らむのも無理はないだろう。
 しかし、そんな淡い期待は突然消えてなくなった。
 自分たちがどれだけ際どい綱渡りをしていたのかを失念していたのだ。

 キングレオの攻撃を一身に受け止めていた師範代さんが、特殊攻撃によって戦線離脱を余儀なくされた。

 運が悪いのか、それとも敵が巧みにも狙ったのか。ちょうどアリスが掛けた属性付与の効果が切れかけた瞬間を狙われた。
 あれでは自力での脱出は難しいだろう。
 彼がいなくなったことにより、どれだけ私たちは彼に頼っていたのかを思い知る。
 壁役のいない戦線はあっという間に崩壊し、私とアリスは必死に生き残るために逃げ続けた。
 師範代さんを拘束するあの攻撃が、どれだけ持続するのかはわからない。おそらくアリスが魔術を使えば、すぐに救い出せるとは思う。
 しかし、今の私たちには彼を解放する魔術行使をするだけの余裕が全くない。
 それどころか、そう遠くない未来にアリスの回避も限界が来る。

 ――何としても彼女だけは救いたい。

 幼い身でありながら仮想世界に閉じ込められ、頼る人もいない中で右往左往していたアリス。独りぼっちでお腹を空かせていた彼女。見かねて料理を振る舞った時に、はにかむような笑顔を見せた彼女。それ以来、私を父のように慕ってきた彼女。
 いつしか、私も彼女を娘のように可愛がってきた。アリスは人付き合いが苦手で表情こそ乏しいが、その内心は実に豊かな感情を持っている。
 この世界の突然の異常事態で家族にも会えず、周囲のプレイヤーも当初は自分のことだけで精一杯のものばかり。随分と心細い思いをしてきたようだ。
 彼女のようなプレイヤーは他にも大勢いることだろう。最新技術ながら、ゲームということで『エデン』には若年層もかなりの割合で参加していると聞いている。
 可能ならばそんなプレイヤーたちを支えてあげたいとは思っているが、私の手が届く範囲はとても狭い。私とて大人で、己のできる限度は十分わかっている。全てを救いたいなどという希望は、私にとって無理難題の誇大妄想にしか過ぎないのだ。
 それでもこんな非力な私だが、アリス一人くらいならば支えてあげられる。せめて彼女が笑顔でいられるように、彼女が必要としている間はずっと一緒にいようと思っていた。

 ――しかし、それもここまでか。

 アリスの限界を悟って、私は覚悟を決めた。
 相変わらずキングレオにとっての脅威度は彼女が一番高いようだ。可能ならば彼女を逃がしたかったが、私の実力では今の状況からキングレオの標的を私に変更するのは不可能であるらしい。
 既に敵も満身創痍で、あともう少しで倒せるだろうというのに倒しきれず逃げ回るしかない非力さが歯痒い。
 しかし、もはや倒すのが無理であるならば、少しでも奇跡が起こることを祈って彼女の命を繋げることに全力を尽くす。
 次の攻撃から私が身を持って彼女を庇うのだ。
 アリスの命が繋がるのは、僅かな間だけだろう。それでも……それでも、その間に何かが起こるかもしれない。
 もしかすると、師範代さんを拘束する特殊攻撃の効果が丁度切れる可能性もある。もしかすると、このエリアにいる他のパーティが救援に来てくれるかもしれない。
 全ては僅かな可能性の話だ。
 しかし、今の私にとってはそこに賭けるしかない。

 息も絶え絶えなアリスを背にして前に立つ。

「ミスト!?」

 私の行動に何かを悟ったのか、アリスはいつになく慌てた声をあげた。

「アリス……思えば、あなたとは色々な場所に行きましたね。あなたのおかげで、こんな世界でも私はとても楽しめました」

「……ダメ! 置いていかないで!」

 彼女の悲壮な叫びに思わず私の覚悟が鈍る。しかし、どうしようもないのだ。
 私の視線の先では、黄金の獅子が舌なめずりをしてこちらを見ている。
 優位を理解して、余裕を見せているつもりだろうか。
 私が決意を持って武器を構えると、獅子は攻撃を開始するために一歩踏み出した。
 凶悪な笑みを浮かべるキングレオの口元から、涎が滴るのをはっきりと目にする。
 もはや私には、死に対する恐怖はない。しかし、あれにアリスの幼い身体が噛み砕かれることを考えると、やるせなさと怒りで身体が震える。
 たとえ、ここが仮想世界だとしても、そんなことは許せる筈がない。

 ――アリス、どうかあなただけでも!

 私がそう願った、その瞬間だった。


 突然の爆発がその場を揺るがす。同時に飛来する爆風と熱波が私の身体を撫でた。
 私は腕で己を庇いながらもアリスの盾になるようにして、それをやり過ごす。

「何が……?」

 思わず私がその爆心地へと視線を向けると、異様な光景を目にした。
 無数の火の粉が舞い散る幻想的な世界。その中心に立つ一人のプレイヤーの姿。

「し、師範代さん……?」

 彼を覆っていたはずの岩石の牢獄は綺麗に吹き飛んでいた。今の爆発は、彼が周囲の岩石を吹き飛ばした結果というわけか。
 しかし、どうやって? それにこの火の粉は一体……?
 そこで私は気付く。
 彼が持つ剣がいつの間にか、先ほどまで持っていたものとは違っていた。
 深い闇のような漆黒の剣身。その中ほどにある黄金色の宝石は、不思議な輝きを放っている。
 一目で剣が持つ迫力に圧倒された。

「すいません、お待たせしました」

 彼は一言そう告げると、混乱する私を余所にキングレオへと視線を向ける。
 キングレオもまた異常事態を察知して新たな脅威と認識したのか、師範代さんを睨みつけて低く唸り声をあげていた。
 束の間の睨み合いが続く。
 高まる緊張に私は思わず喉を慣らした。ゴクリという音が思った以上に自分の中で大きく響く。

 やがて、ふとした拍子に両者は同時に駆け出した。

「あっ!?」

 私の驚きの声は風に消える。
 火の粉舞い散る中を疾走する師範代さんと、負った傷のダメージを微塵も見せずに力強く地を蹴るキングレオ。
 師範代さんが持つ漆黒の剣と、キングレオの爪撃が激突する。
 そして、キングレオは突然の悲鳴をあげた。

「ギィィアアア!」

 攻撃に使用した腕を庇い、獅子が後退する。それを追うように師範代さんが踏み込んでいく。
 見れば、いつの間にか師範代さんの持つ剣が真っ赤に赤熱していた。
 あれでキングレオの腕が焼かれたのだろうか。

「ググ、グオオォォォ!!」

 獅子の吼え声と共に周囲の地面が盛り上がり、無数の鋭い岩石の槍の穂先が姿を現す。そして、その全てが同時に師範代さんへと撃ち出された。
 追い詰められているせいか、放たれる特殊攻撃の規模も威力も最初に比べて随分増している。
 しかし、師範代さんの足は止まらない。
 視線すらも寄越さずに、師範代さんの腕が動く。赤熱した剣身が宙を猛烈な勢いで閃いた。
 飛来する槍を赤い閃光が迎撃する。
 私の感覚にして一瞬の内に岩石の槍は悉くが砕かれ、細かな破片と火の粉となって散った。

「お、おお……」

 素晴らしい武技を目にして、私の喉から感嘆が漏れる。
 迎撃の合間も一切足を止めなかった師範代さんは、再びキングレオの懐へと踏み込んでいた。
 敵はたまらず爪撃を振るう。
 しかし、師範代さんの動きは更に鋭さを増していた。

 ザンッ。

 斬撃音と共に獅子の黄金の腕が舞う。
 赤熱した剣身のせいか、断面からはほとんど血は吹き出していない。
 苦しめられた頑強な毛皮などものともしない所業に、私は驚きで目を丸くした。

「ギィアアアアアアア!」

 獅子の絶叫が辺りに響く。
 それを引き金にして、今度は周囲から壁が飛び出した。またもや彼を閉じ込めようというつもりだろうか。
 しかし、今更そんなものは彼には通用しないようだ。
 岩石の花弁が閉じる前に振るわれた剣が、再び全てを粉々にする。
 そして、師範代さんは剣を上段に構え悠然と獅子の眼前に踏み込んだ。
 それでもキングレオの足掻きはまだ終わらない。
 目を血走らせ、涎をまき散らしながら凶悪な顎が師範代さんを襲う。
 師範代さんはその場から動かない。
 獅子の顎が彼に届く直前、彼の身体が一回り大きく膨れ上がったかのように一瞬見えた。

 次の瞬間。

 ズドンっという轟音、そして空気を振るわせる衝撃と熱波が私の身体を突き抜ける。
 思わずよろめいた後に前方を見直すと、師範代さんは剣を真下へと振り切った状態だった。
 その前に立つ黄金の獅子は微動だにしない。
 しかし、獅子の背後には放射状に地面が捲り上がり、火の粉が舞っている。

「……」

「……すごい」

 理解を越えた凄まじいまでの剣術士の実力に私は声を失っていた。背後からは、珍しくもアリスの驚きの声までもが聞こえる。
 やがて、ズルリと音が聞こえてきそうな動きで獅子の身体が二つに割れた。バランスを失った身体は、そのまま地面に倒れ込む。
 ドウっという重い響きを聞いて、師範代さんはようやく上体を起こした。
 そして、剣を一振りして血糊を飛ばし、鞘へと収める。
 キングレオの死骸を見下ろすその背中は、途轍もなく大きいものに私には見えた。

 ボスモンスターと真っ向からぶつかり合えるステータス。凶悪な攻撃をものともしない凄まじい武技。そして、あの謎の剣。
 彼は、始まりの街ダラスで噂されるような無力な初心者流派の使い手などでは決してない。
 むしろ、その対極に位置する者であるように思える。
 その時ふと漠然と、彼こそがこの世界が孕む異常の元凶へと立ち向かうのではないかと感じた。
 そんな未来を、私は彼の背中に見たのだ。


        *


 何とか敵を倒し終えて、俺は一息つく。
 タイミングはかなり危なかった。もう少し俺が動き出すのが遅かったならば、ミストかアリスのどちらかを失っていたかもしれない。
 それに、これまでキングレオに与えて蓄積してきたダメージもかなり大きかったようだ。おかげで思った以上に早く仕留めることができた。俺が『龍剣ヴァリトール』を持ち出したとは言っても、万全の状態のキングレオ相手だったならばこうも簡単に決着はつけられなかっただろう。
 ともかく上手く間に合ってくれたことに安堵する。
 さて、それは良いとしてこの状況をどう説明しようか。

「二人とも大丈夫ですか?」

 とりあえず彼らの様子を確認する。
 呆然としていた二人だったが、俺が声を掛けるとハッとしたように反応した。

「え、ええ。私もアリスも無事です。大きな負傷もありません」

「……大丈夫」

「良かった……ええと、色々聞きたいことはあるでしょうが、まずはこの死骸を片付けて安全な場所に移動してからにしましょうか」

「そうですね。大きな負傷は無いとは言っても、消耗はしています。まずは状況を落ち着かせましょう」

「賛成」

 二人の承諾を得た俺は、彼らが応急処置的な回復をしている間にキングレオの死骸をカード化する。
 巨大な黄金の身体は白い輝きと共に消滅し、代わりにいくつかのアイテムカードが地面に散らばった。
 俺はそれを拾い上げると、軽く眺める。
 『黄金獅子の毛皮』に『黄金獅子の鬣』といった素材アイテムや、『ライオンハート』なんていう軽鎧もドロップしている。三人で分けるにしても中々良い臨時収入になりそうだ。
 アイテムカードをしっかり仕舞うと、ミストたちの回復を待って俺たちはその場を離れた。


「精霊武装……そんなアイテムがあったんですね。全く知りませんでした。それに特殊アビリティなんてものも……やはりまだまだこの世界は奥が深いですね」

 俺の説明を聞いて、興味深そうにミストが頷く。
 キングレオのドロップアイテムを回収した俺たちは、先ほどまでの戦闘現場から少し離れた場所まで移動してきた。
 そこで休憩がてら、俺の装備や【竜眼】について軽く説明をしたのだ。
 もちろん、ヴァリトール由来であることが丸わかりなアイテム名などを教えるのは控えた。伝えたのは、差し支えなさそうな表面上の情報だけだ。もっとも、それでも世間には広まっていない貴重な情報ではあるのだが、多少は仕方ないと割り切っている。

「ええ、俺が手に入れたのもほとんど偶然ですけどね。『エデン』にログインしてから、数年経ってもまだ驚かされてます。でも、おかげで最近はソロでも結構上手くやれてるんですよ」

 そこまで言って、俺は一旦言葉を切った。そして、再び続ける。

「ただ、今回も最初から使っていれば、あんなピンチにはならなかったかもしれません……すいませんでした」

 いくら臨時パーティとは言えども、俺が出し惜しみしたせいで余計な危機に陥ったのだ。謝るのが筋だろう。

「いえいえ。よく知りもしない相手に切り札を簡単に見せるのは、私もお勧めしません。あんな凄いものは特にね。師範代さんの行動は当然ですよ。それに、結果として皆無事だったのですから良いではありませんか」

 ミストが軽く微笑みながらそう言ってくれた。
 俺はホッと一息つきながら、安堵の表情を浮かべる。

「そう言ってくれると助かります」

 と、そこまで無言だったアリスが突然口を開いた。

「……恒久的な属性付与は、武術系流派の使い手にとって凄まじいアドバンテージ。加えてあれだけのステータスと武技。ソロで高ランクダンジョンを踏破できるのも頷ける」

 彼女の発言に、俺は内心ギクリとしながらも不思議そうに首を傾げてみせた。

「高ランクダンジョンをソロで踏破? どこでそんな話を?」

「……最近噂になっている『黒騎士』。あなたのことだろう、師範代?」

「ぐっ!?」

 鋭い突っ込みに、思わず俺は呻き声をあげてしまう。

「見た目の装備こそ違うが、黒い剣に剣術士、単独の属性攻撃、ボスモンスターを圧倒する戦闘力、噂に符合する点が多過ぎる」

「はは、やはり師範代さんでしたか。私もそうじゃないかなと、さっきから思っていたんですよ」

 アリスに便乗するように、挙げ句にはミストまでそんなことを言い始めた。
 顔が引き攣るのを自覚する。
 さすがに『龍剣ヴァリトール』まで見せてしまっていては、隠し通すのは無理か。

「……先ほど話した内容も含めて、どうか内密に!」

 俺は覚悟を決めて二人に頼み込んだ。

「え? ああ、もちろんですよ。成り行きで知ってしまったとはいえ、人の秘密を言い触らすような真似はしません。安心してください」

「……恩は仇では返さない」

「ありがとう……」

 ミストもアリスも短い付き合いだが、信じられる相手だと感じた。そうでなければ、キングレオとの戦闘でも俺を置いてさっさと逃げていただろう。
 しかし、これで俺が新しい二つ名で呼ばれるような事態はなんとか防げそうだ。それに、なんだかんだと言っても秘密を打ち明けられる知り合いがいるのは気が楽になる。
 そんなことを考えて安心していたせいか、俺はすっかり油断していた。

「もう一ついいですか?」

「何でしょう?」

 ミストからの質問に、俺は二つ返事で気軽に答える。

「巨龍ヴァリトール……倒したのは師範代さんじゃないですか?」

「っ!?」

 絶句した俺の様子を見て、答えを悟ったのだろう。ミストは穏やかに微笑んだ。
 まさか直球で来るとは思わなかったので、再びわかりやすい態度を示してしまう。
 その話題には無関係なように説明したつもりだったが、彼には通用しなかったらしい。なぜいきなりそんな考えに至ったのだろうか。
 アリスなんて無表情が崩れて目を丸くして驚いていた。さすがの彼女もそこまでは予想していなかったらしい。

「やはりそうでしたか」

「あ、あの!」

 己の失敗を悟った俺が慌てて言い繕うとしたが、それよりも早くミストは手を挙げて俺の行動を制止した。

「こんな事を聞いておいて何ですが、はっきりとした答えを聞きたかったわけではないのです。それに、この事を口外するつもりはもちろんありません……良いですね、アリス?」

 ミストの視線を受けたアリスはハッとして、ぎこちなく首を縦に振る。

「……わかった。私は何も聞いていない」

 その様子を満足そうに眺めた後、ミストは俺へと再び向き直った。
 彼の考えが見えなくて、俺は困惑の表情を浮かべる。
 このまま俺からヴァリトールに関する明確な答えを聞かず、口外もしないというのは俺にとってはありがたいことだ。
 一体、何を考えているのか。
 そんな事を考える俺の前で、ミストは静かに語り出した。

「あなたが実力と功績を隠したがる気持ちはわかるんです。人の噂は無責任なものですからね。私もそれを嫌ってアリスと二人で世界を巡っているというのもあります。通常のモンスター相手ならば、私たちだけでも十分に戦えますからね」

「……」

「これまで、そうやってずっと生活してきたのですが、最近ふとした拍子に考えるんです。この生活はいつまで続くのか、いつになれば現実世界に帰れるんだろうか、とね」

 ミストがアリスへと視線を向ける。彼女は何か? とばかりに軽く首を傾げた。
 そんな彼女の様子に微笑みながら彼は続ける。

「先ほども話しましたよね、現実世界の記憶と感覚が薄れていること。やはり私は現実世界へ帰ることを望んでいるんです……この世界が始まってもう三年、グランドクエストももう終盤だと聞きます。終着点で何が待っているのかはわかりません。けど、そこで誰かがこの世界を終わらせてくれると思ってます」

 そこで、ミストは言葉を切った。
 やがて、ゆっくりと俺へと向き直る。

「そして……それは師範代さんではないかと思ったんですよ」

 ミストと俺の視線が交わる。
 突然の言葉と、思った以上に真剣な彼の目に俺は困惑を露わにした。

「俺……ですか」

「ええ。あ、強制しているわけではありませんよ。戦う師範代さんの姿に年甲斐もなく興奮してしまいましてね……あなたがいずれ、プレイヤーたちの先頭に立って大きな敵と戦う姿が見えた気がしたんです」

「……」

 プレイヤーたちの先頭……俺の脳裏に先日見たトップギルドのマスターたちの姿が思い起こされる。
 『シルバーナイツ』のヤクモ、『ブラッククロス』のジーク。
 俺が彼らと肩を並べて戦う日が来るのだろうか。
 だが、同時にゼファーの言葉をも思い出す。

 『ヤクモはお前の敵だ』

 あれは一体どういう意味なのか。彼と戦う日が来るのだろうか。
 俺が悩み始めると、ミストは軽快に笑い出した。

「ははは。また私の妄想です。どうも年を取ると変なことばかり考えてしまいましてね……ただ」

 彼は笑い声を止め、穏やかに微笑む。

「ただ、それだけあなたの姿は私には眩しかった。あなたが活躍する場所は、きっと他にある気がします」

 そんな彼の言葉を、俺は無言で受け止めた。





 その後、ミストたちももうダンジョンから戻るというので、俺たちは臨時パーティを組んだまま帰路についた。
 どうもキングレオが倒されるのが、ゴールデンボア大量発生の終了フラグらしい。なので俺たちがキングレオを倒してしまった以上、あのエリアにはゴールデンボアは出現せず、普通のシシルクボアしか出てこない。あそこに滞在する必要もなくなったというわけだ。

 そういえば、キングレオに運悪く襲われ俺たちの目の前で噛み砕かれたプレイヤーだが、一応遺品は回収してきている。
 パーティメンバーでもいるのかと、少し捜索もしたがそれらしいプレイヤーには出会わなかった。
 ミストの言っていたように、予想よりも随分早くキングレオが出現したため、他のプレイヤーたちは早々にあのエリアを立ち去ったようだ。さすがにボスモンスターを相手にするとなれば、多少の準備と覚悟は必要となる。態勢を立て直しに行ったのだろう。
 例のプレイヤーは、俺と同じように単騎でゴールデンボアを仕留めようとしていたプレイヤーなのか、それともパーティメンバーに見捨てられたのか、どちらなのかはわからない。繋がりの薄い臨時パーティとなると、非力なプレイヤーが囮に使われるという事例も無くはないのだ。
 通例ならば、プレイヤーの遺品はパーティメンバーが近くにいなければ発見者のものである。一応、関係者がいないことを確認した後で、遺品は分配した。

 帰路でも幾度かモンスターと遭遇し戦闘もこなしたが、無事にダンジョンから撤退し、シシルク大森林の入口まで戻ってきている。
 相変わらず入口広場はプレイヤーで溢れており、活気で満ちていた。あの隠しエリアの穏やかな風景がなんとも懐かしい。
 喧噪のおかげで周囲のプレイヤーは誰も俺たちに注意を向けることはない。一応、ここに来た初日のように装備で注目されるのを避けるために、俺はマントを被っている。
 戦闘で得たドロップアイテムについてだが、これも既に分配し終えている。キングレオから出たドロップアイテムの分配時に一悶着あったが、結局はきっちり三等分してそれぞれが受け取った。どうもミストとアリスがいまいち活躍できなかったことで恐縮していたらしい。
 パーティプレイによるダメージの蓄積は確実にあったので、いくら俺が止めを刺したとは言っても貢献度は皆同じだということで何とか納得してもらった。
 そんなこんなで、荷物の整理も終わり、別れの時間がやってくる。

「それでは、師範代さん。そろそろお別れですね」

「ええ。そっちはまだダラスには戻らないんでしたっけ?」

「はい。ちょっと東の方に足を延ばしてみようかと思ってましてね。もうすぐハイドラ鳥の卵が旬の頃ですから」

「ハイドラ鳥の卵? ハイドラ鳥って確かハイドラ洞窟に現れるモンスターの?」

 俺が脳裏でかのモンスターの姿を思い浮かべる。確かダチョウのように翼が退化して飛べなくなった鳥のようなモンスターだったはず。洞窟の中に好んで巣を作るという話を聞いた。

「そうです。もうすぐ産卵期ですから、運が良ければ卵が手に入ります」

「そ、そんなイベントがあったんだ……」

 さすがは噂の調理士。食材アイテム関係の情報にはかなり聡いようだ。

「ははは。これもまだまだ知っているプレイヤーはほとんどいないレア情報ですからね。取扱注意でお願いします」

 内緒話をするように囁いてきたミストに、俺は苦笑するしかない。

「わかりました。気をつけますよ」

「よろしい。またお会いできたら今度も腕を奮ってご馳走しますよ」

「はは、それは楽しみです」

 俺とミストがそんな談笑をしていると、突然横に引っ張られる感覚がした。ふと引っ張られた方向を見ると、アリスが俺のマントを摘まんでいる。

「……師範代」

「ん?」

「……今回はとても助かった。礼を言う」

 謝辞を述べられたが、彼女の表情はまるで変わらない。まあ、彼女のこの相変わらずの様子にも慣れてしまった。

「どういたしまして」

「……おかげでまだ彼と一緒にいることができる」

「……」

 その時の彼女の様子に俺は目を丸くした。ほんの一瞬だったが、アリスは嬉しそうに微笑んでいたのだ。
 元が整った容姿であるが故に、花が開いたような可愛らしい笑顔だった。普段の無表情とのギャップが凄まじい。
 ……なんだ、やろうと思えばそんな顔もできたのか。
 ミストが一緒にいる限り問題ないとは思っていたが、なんだか少し安堵した気分だった。

「それでは、またどこかでお会いしましょう」

「……バイバイ」

 こうして、調理士と小さな魔術士は去っていった。はたして、また彼らと巡り会うことはあるのだろうか。
 まあ、きっといつかは会えるはず。
 そんなことを考えて、俺は彼らに背を向けた。
 さあ、俺もダラスへと帰ろう。



 後日、ダラスに到着した俺はブラートの露店へと向かった。

「な、なんじゃこりゃ!?」

 露店広場の一角で、ブラートの叫びがあがる。
 一瞬近くを通るプレイヤーたちの注目を集めるも、すぐに興味は失われた。
 これくらいの騒ぎはよくあることなのだ。何も動きが無ければ、すぐに喧騒に紛れてしまう。

「なにってご要望の『ゴールデンボアの肉』だぞ」

「い、いやそれはわかるが、問題は数だよ! 確かに大量ゲットは目論んだけど、まさかここまでとは……」

 俺に手渡されたアイテムカードの束を眺めながら、ブラートは呻いた。

「ああ、普通はパーティ組んで戦って、数匹程度の成果らしいけどな」

「やっぱりそうだろ? まったく、最近のお前はどんどん常識から外れていくな……」

「ははは」

 呆れた表情を隠すことのない彼に、俺は笑うことしかできない。
 自分でも最近の逸脱振りはわかっているつもりだ。

「ははは、じゃねーよ。しかし、どうするかな。これだけ大量のレア食材仕入れたのがバレたら、変にやっかみを受けそうだ」

「じゃあ、身内で処分すればいいだろう?」

「……まあ、そうするのが良いか。よし! 師範代、リンさんたちを呼ぶんだ!」

 俺の提案を飲んだブラートが、リンたちの参加を要求してきた。
 まあ、以前も食事を共にしたのだから呼びたいのはわかる。

「わかった。声はかけてみるけど、期待するなよ?」

 最近ますますソロ活動に勤しんで各地を巡っていたおかげで、彼女たちとはしばらく会っていない。俺としても久し振りに会いたいとは思う。
 しかし、彼女たちは羨望されるトップギルドのプレイヤーで、尚且つ『エデン』でもアイドル的なプレイヤーだ。本来ならばそんな気軽に呼び出せるような相手ではない。

「いや、絶対連れてこい」

 そんなことはブラートもわかっている筈だが、妙に強気で俺に要求してくる。

「おいおい、ブラート?」

「そして、上手くシェリーちゃんも連れてくるんだ!」

「それが本音かよ」

 ブラートの叫びに、俺は思わずツッコミを入れていた。
 俺がジト目で睨んでいるのにもかかわらず、彼は興奮した様子で俺の両肩を掴んでくる。

「だって、せっかくリンさんたちと知り合いになれたんだぞ!? 一度で良いからシェリーちゃんと話してぇ!」

 ブラートがガクガクと俺を揺らしながら叫んだ。
 俺は呆れて、されるがままに身を任せる。

「ああもう、わかった! 頼んでみるから止めろ!」

「ホントか!? さすが我が親友!」

 いつまでも揺らし続けそうだったので、思わず了承してしまった。
 嬉しそうに確認するブラートに、俺は苦い顔をしながらも頷く。
 まあ、どうせ断られるだろう。
 俺がそんなことを考えているのも知らず、ブラートはもうシェリーちゃんとやらと会えるつもりでニヤニヤしていた。

「フヒ、フヒヒ……はっ! いかん、そうとわかればこんなことをしている暇はない!」

 気持ち悪い含み笑いをしていたブラートが、突然凄い勢いでこちらへと振り向く。

「うおっ!?」

「師範代! 俺はこれから他の食材を調達してくる! 後はよろしく頼むぞ!」

「あ、ああ」

 俺が戸惑うのも気にせず、ブラートは手早く店を畳むと、あっという間に雑踏の中へと消えた。
 後には俺がポツンと残される。
 しばらく唖然としていたが、何時までもここで突っ立っているわけにもいかないので歩き始めた。
 まあ、約束もしてしまったことだし、とりあえずは『シルバーナイツ』のギルドハウスに行ってみよう。

 相変わらず『シルバーナイツ』の面々には良く思われてないらしく、リンたちの呼び出しをお願いする際に邪険にされたものの、なんとか取り次ぎをしてもらう。
 リンたちがギルドハウスにいるのか少し不安だったが、丁度いてくれたようで運良く会えることができた。
 軽い雑談をしつつ例のお誘いをすると、彼女たちは喜んで参加してくれるという。
 一応ブラートのお願いも頼んでみると、二つ返事で引き受けてくれた。
 シェリーちゃんなるプレイヤーとは、彼女たちも仲が良いらしい。
 そうして数時間後、以前の食事会のように俺の拠点には何人ものプレイヤーが集まっていた。
 リン、ミーナ、キース、そして姐さん。それに加えて何故かハヤトたちもいる。リンたちが話してるのを聞きつけて付いてきたらしい。
 そして、なんとシェリーちゃんも来た。
 リンとミーナの中間くらいの背で、スラリとした細い身体が印象的だ。雰囲気からして大人しい感じの女性で、小動物を思わせる顔には、どことなく不安そうな表情が見え隠れしていた。それでも『銀騎士三美人』と言われるだけあって、かなりの美少女である。
 ブラートなどは、彼女の姿を目にした時から興奮しっぱなしだった。少しは落ち着け。
 そんなこんなで食事会は始まる。
 食べ盛りのハヤトたちがいたおかげで、大量にあった『ゴールデンボアの肉』はあっという間になくなった。むしろ足りなくなるほどで、ブラートがストックしようとしていた分まで放出されたが、彼は嫌な顔一つ見せずに調理して提供した。
 シェリーちゃんに会えたおかげで、他の細事はどうでもよくなったらしい。
 俺も久しぶりにリンたちや姐さんと談笑し、楽しい時間を過ごすことができた。
 かなり騒いでしまったが、俺の拠点には他のプレイヤーは泊まっていないので迷惑ではないだろう。
 そうして、ダラスでの夜は更けていった。

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  • 最終掲載日:2014/08/24 18:00
Knight's & Magic

メカヲタ社会人が異世界に転生。 その世界に存在する巨大な魔導兵器の乗り手となるべく、彼は情熱と怨念と執念で全力疾走を開始する……。

  • ファンタジー
  • 連載(全79部)
  • 6006 user
  • 最終掲載日:2014/08/05 00:55
イモータル×ソード

 愚直に「最強」を目指す傭兵オルタ・バッカス。しかし20年以上も傭兵として戦場に身を置いていた彼は中々芽を出さなかった。自らの才能の無さを嘆き、鍛練の傍ら才能と//

  • ファンタジー
  • 連載(全42部)
  • 5200 user
  • 最終掲載日:2014/08/12 07:32
風と異邦の精霊術師

 買い物帰りの自転車で、突っ込んだ先はファンタジー。異世界トリップ物です。  勢いで始めてしまった物語で、いきあたりばったり不定期更新です。  本作品には性//

  • ファンタジー
  • 連載(全121部)
  • 4488 user
  • 最終掲載日:2013/06/15 00:37
- Arcana Online -

【2012.4.2】本作の書籍化に伴い、第1章~第3章をダイジェスト版へ差し替えました。 --- 妹にお願いされ、この夏休みはとあるVRMMOのオープンβテスト//

  • SF
  • 連載(全31部)
  • 5187 user
  • 最終掲載日:2013/05/09 00:47
Only Sense Online

 センスと呼ばれる技能を成長させ、派生させ、ただ唯一のプレイをしろ。  夏休みに半強制的に始める初めてのVRMMOを体験する峻は、自分だけの冒険を始める【富士見//

  • SF
  • 連載(全254部)
  • 5241 user
  • 最終掲載日:2014/08/23 18:13
ライオットグラスパー ~異世界でスキル盗ってます~(旧:異世界で盗賊やってます)

現世で事故死してしまった主人公のアガツマセイジ。ある理由から死後の転生先を地球ではなく異世界に決めた彼は、盗賊の神技(ライオットグラスパー)というスキルを習得し//

  • ファンタジー
  • 連載(全71部)
  • 4417 user
  • 最終掲載日:2014/08/12 06:00
月が導く異世界道中

 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜//

  • ファンタジー
  • 連載(全207部)
  • 5187 user
  • 最終掲載日:2014/07/04 22:00
ニートだけどハロワにいったら異世界につれてかれた

 ニートの山野マサル(23)は、ハロワに行って面白そうな求人を見つける。【剣と魔法のファンタジー世界でテストプレイ。長期間、泊り込みのできる方。月給25万+歩合//

  • ファンタジー
  • 連載(全115部)
  • 4356 user
  • 最終掲載日:2014/08/26 21:00
THE NEW GATE

 ダンジョン【異界の門】。その最深部でシンは戦っていた。デスゲームと化したVRMMO【THE NEW GATE】の最後の敵と。激しい戦いに勝利し、囚われていたプ//

  • ファンタジー
  • 連載(全31部)
  • 5631 user
  • 最終掲載日:2014/08/26 00:01
無職転生 - 異世界行ったら本気だす -

34歳職歴無し住所不定無職童貞のニートは、ある日家を追い出され、人生を後悔している間にトラックに轢かれて死んでしまう。目覚めた時、彼は赤ん坊になっていた。どうや//

  • ファンタジー
  • 連載(全223部)
  • 6402 user
  • 最終掲載日:2014/08/26 19:00
異世界食堂

洋食のねこや。 オフィス街に程近いちんけな商店街の一角にある、雑居ビルの地下1階。 午前11時から15時までのランチタイムと、午後18時から21時までのディナー//

  • ファンタジー
  • 連載(全83部)
  • 4503 user
  • 最終掲載日:2014/08/23 00:00
フェアリーテイル・クロニクル ~空気読まない異世界ライフ~

 ゲームをしていたヘタレ男と美少女は、悪質なバグに引っかかって、無一文、鞄すらない初期装備の状態でゲームの世界に飛ばされてしまった。 「どうしよう……?」「ど//

  • ファンタジー
  • 連載(全116部)
  • 5421 user
  • 最終掲載日:2014/08/23 07:00
《Blade Online》

世界初のVRMMO《Blade Online》のサービスが開始された。しかしプレイヤーを待ち受けていたのはログアウト不能のデスゲームだった――。ゲームに囚われた//

  • ファンタジー
  • 完結済(全148部)
  • 4668 user
  • 最終掲載日:2014/08/05 00:00
フリーライフ ~異世界何でも屋奮闘記~

 魔力の有無で枝分かれした平行世界「アース」。その世界へと、1人の男が落っこちた。「ゲームをしてたはずなのに……」。幸いなことにVRMMORPG≪Another//

  • ファンタジー
  • 連載(全275部)
  • 4556 user
  • 最終掲載日:2014/08/23 00:21
ネクストライフ

山田隆司は雪山で命を落とした──と思ったら、見知らぬ場所にいた。 どうも、ゲームの中の世界らしい。 その割には知らない事が多いけど……困惑しつつも、最強クラスだ//

  • ファンタジー
  • 連載(全174部)
  • 5030 user
  • 最終掲載日:2014/08/24 22:28
異世界迷宮で奴隷ハーレムを

ゲームだと思っていたら異世界に飛び込んでしまった男の物語。迷宮のあるゲーム的な世界でチートな設定を使ってがんばります。そこは、身分差があり、奴隷もいる社会。とな//

  • ファンタジー
  • 連載(全205部)
  • 6009 user
  • 最終掲載日:2014/07/31 20:00
八男って、それはないでしょう! 

平凡な若手商社員である一宮信吾二十五歳は、明日も仕事だと思いながらベッドに入る。だが、目が覚めるとそこは自宅マンションの寝室ではなくて……。僻地に領地を持つ貧乏//

  • ファンタジー
  • 連載(全126部)
  • 5996 user
  • 最終掲載日:2014/08/24 22:42
ありふれた職業で世界最強

クラスごと異世界に召喚され、他のクラスメイトがチートなスペックと“天職”を有する中、一人平凡を地で行く主人公南雲ハジメ。彼の“天職”は“錬成師”、言い換えれば唯//

  • ファンタジー
  • 連載(全111部)
  • 4664 user
  • 最終掲載日:2014/08/23 18:00
こちら討伐クエスト斡旋窓口

自分では全く戦う気の無い転生主人公が、ギルド職員の窓口係りになって、淡々と冒険者を死地に送り出していたが、利用者の生存率が異様に高くて、獣人達から尊敬されたり、//

  • ファンタジー
  • 連載(全79部)
  • 4584 user
  • 最終掲載日:2014/07/09 08:00
勇者様のお師匠様

 両親を失いながらも騎士に憧れ、自らを鍛錬する貧しい少年ウィン・バード。しかし、騎士になるには絶望的なまでに魔力が少ない彼は、騎士試験を突破できず『万年騎士候補//

  • ファンタジー
  • 連載(全84部)
  • 5076 user
  • 最終掲載日:2014/08/08 00:00
ウォルテニア戦記【Web投稿版】

 青年が召喚された異世界は乱世だった。  絶対王政の世界。  選民意識に凝り固まった特権階級と世俗にまみれた宗教。  青年は自分の正義を胸に行動を起こす。 ※//

  • ファンタジー
  • 連載(全149部)
  • 4748 user
  • 最終掲載日:2014/05/27 23:23
理想のヒモ生活

月平均残業時間150時間オーバーの半ブラック企業に勤める山井善治郎は、気がつくと異世界に召喚されていた。善治郎を召喚したのは、善治郎の好みストライクど真ん中な、//

  • ファンタジー
  • 連載(全79部)
  • 5609 user
  • 最終掲載日:2014/08/23 17:08
この世界がゲームだと俺だけが知っている

バグ満載のため、ある意味人気のVRゲーム『New Communicate Online』(通称『猫耳猫オフライン』)。 その熱狂的なファンである相良操麻は、不思//

  • ファンタジー
  • 連載(全213部)
  • 5145 user
  • 最終掲載日:2014/07/03 03:39
最新のゲームは凄すぎだろ

世界初のVRMMORPG「Another World」をプレイする少年はゲームでは無く、似た異世界にトリップしているのだが全く気付く事がない。そんな彼が巻き起こ//

  • ファンタジー
  • 連載(全38部)
  • 4563 user
  • 最終掲載日:2014/08/15 21:00
ログ・ホライズン

MMORPG〈エルダー・テイル〉をプレイしていたプレイヤーは、ある日世界規模で、ゲームの舞台と酷似した異世界に転移してしまった。その数は日本では約三万人。各々が//

  • SF
  • 連載(全73部)
  • 5439 user
  • 最終掲載日:2014/06/07 18:00
盾の勇者の成り上がり

盾の勇者として異世界に召還された岩谷尚文。冒険三日目にして仲間に裏切られ、信頼と金銭を一度に失ってしまう。他者を信じられなくなった尚文が取った行動は……。サブタ//

  • ファンタジー
  • 連載(全558部)
  • 4819 user
  • 最終掲載日:2014/08/26 10:00
ワールドオーダー

なんの特徴もない天外孤独な三十路のおじさんが異世界にいって色々とするどこにでもあるようなお話。最強になれる能力、だが無敵ではない。そんなおじさんが頑張っていきま//

  • ファンタジー
  • 連載(全59部)
  • 4772 user
  • 最終掲載日:2014/06/21 00:00
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