豪富豪パーマー氏「中国は卑劣」発言を謝罪
2014年08月26日 18:37 発信地:シドニー/オーストラリア
このニュースをシェア
【8月26日 AFP】中国政府は「自国民に銃を向ける卑劣な奴ら」だなどと発言し、同政府や自国の政治家たちから厳しく非難されたオーストラリアの大富豪で政治家のクライブ・パーマー(Clive Palmer)氏が26日、謝罪した。
資源企業を保有する鉱山王で、昨年の総選挙ではパーマー統一党(Palmer United Party)の党首として議員にも当選したパーマー氏は、今月初めにテレビ放映された討論番組の中で、中国政府を「自国民に銃を向ける卑劣な奴ら」「この国(オーストラリア)を乗っ取ろうと企むろくでなし」などと激しくけなした。
中国はオーストラリア最大の貿易相手国。このためパーマー氏のコメントについて、先輩政治家たちは中国との関係を「著しく損ねるもの」だと非難し、一方、中国国営メディアは「豪政府を懲らしめてやるべきだ」と自国政府をせき立てた。こうした事態を受け、パーマー氏は26日に馬朝旭(Ma Zhaoxu)在豪中国大使に宛てた書簡で正式に謝罪した。
パーマー氏は、香港を拠点とする中国の国有複合企業、CITICパシフィック(Citic Pacific、中信泰富)が同じく国有の大型企業グループ、中国冶金科工集団(Metallurgical Group Corporation、MCC)と共にオーストラリアで手掛ける「中澳鉄鉱(Sino Iron)プロジェクト」と呼ばれる鉱山開発事業に関連し、長年にわたり採掘権と港湾事業権をめぐる法廷闘争に巻き込まれている。
CITICは、ウエスタンオーストラリア(Western Australia)州に位置する広大な畜産農場マーディー・ステーション(Mardie Station)で、パーマー氏との25年のリース契約に基づき、マグネタイト(磁鉄鉱)の採掘を行っている。だが、採掘した鉱石の配分や、この事業の輸出ターミナルであるプレストン港(Port Preston)の運営権をパーマー氏が保有する鉱山会社ミネラロジー(Mineralogy)が保有するか否かをめぐり、両者は対立を続けている。(c)AFP