【カイロ=押野真也】パレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡り、ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルは26日、本格停戦で合意した。AFP通信が仲介役のエジプト政府関係者の話として伝えた。ハマスの報道官も停戦を発表した。7月から2カ月近く続いた双方の衝突は当面、停止する見通しとなった。
中東のメディアによると、停戦は日本時間27日午前1時に発効した。アッバス・パレスチナ自治政府議長も停戦合意を確認した。
ロイター通信などによると、今回の停戦合意では第1段階としてイスラエルとハマスが軍事行動を即時停止し、イスラエルが封鎖している境界を段階的に緩和する。国際的な監視団を受け入れ、ガザへの建設資材の搬入などもイスラエルは認めるもようだ。
ただハマスが求めていた空港の建設、イスラエル側が要求していたハマスの武装解除では合意できず、第2段階として交渉が継続される見通しだ。双方とも一定の譲歩を受け入れたかたちだ。
両者はこれまで衝突と停戦を繰り返しており、長期的な停戦が維持されるかは不透明で、今後、両者の衝突が再燃する可能性は残っている。停戦合意を持続するには、エジプトや米国など第三国の監視が重要な役割を担う。
イスラエルとハマスは、7月に本格衝突した。イスラエルはガザへの空爆に加え、地上部隊を投入、一般市民を含む2千人以上が死亡した。
イスラエルは地下トンネルの破壊など、軍事目標を一定程度果たしたため、停戦を受け入れたとみられる。一方ハマスは、今回の合意を「勝利だ」と称賛しているが、要求の一部しか受け入れられず、今後、ガザ市民から批判が高まる可能性もある。
今回の交渉ではこれまでとは異なり、エジプトはハマスに融和的な姿勢をとらなかった。
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