WBC世界ミドル級12位の村田諒太(28)=三迫=が26日、東京都内のジムで、同級22位でメキシコ・ミドル級王者のアドリアン・ルナ(24)=メキシコ=とのプロ第5戦(9月5日、東京・代々木第二体育館)に向けて3ラウンドのスパーリングを公開した。2階級上のライトヘビー級の黒人ボクサーをボッコボコに圧倒した。
村田の相手を務めたのは、WBCライトヘビー級25位のライオネル・トンプソン(29)=米国。1回は軽いパンチを交換し合う程度のマススパーだったが、2回途中に村田が「報道陣のことは気にしないで、いつものように自然にやろう」とトンプソンに耳打ちすると、そこから本気モード。村田が上下に強烈なパンチを見舞い、トンプソンは逃げ惑う展開。2回途中、ロープ際で村田がボディーの連打を打ち込むと、圧力に押されたトンプソンが尻もちをつくシーンも。
トンプソンは「効いたわけじゃないけど、試合ならダウンと取られてもおかしくないシーン。村田のパンチは肘にもらってもすごく効く。あれで、左ジャブを覚えられたら、手がつけられない」と真顔で証言。2012年9月にWBO世界ライトヘビー級王者セルゲイ・コバレフ(ロシア)とノンタイトル戦(3回TKO負け)で対戦した経験のあるトンプソンは「パワーなら村田とコバレフは同等。村田は(1階級上の)スーパーミドルはもちろんのこと、ライトヘビーでも世界を狙える」と絶賛した。
村田は「今、メイウエザーのようなアウトボクシングが主流。でも、僕はメイウエザーのような反射神経もないし、腕も長くない。あくまで、日本人のスタイル、村田諒太らしく戦っていきたい。9月5日の相手も簡単な相手じゃないけど、世界を目指す男がここでつまずいてられない」とキッパリ。豪快なKOが見られそうだ。 (竹下陽二)
この記事を印刷する