Financial Times

イタリアの民営化計画、恩恵を熟慮する首相

2014.08.27(水)  Financial Times

(2014年8月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

伊レンツィ内閣発足、経験不足に不安の声も

イタリアのマッテオ・レンツィ首相〔AFPBB News

メディアに精通したイタリアの若き首相、マッテオ・レンツィ氏(39歳)は25日、ツイッター上で、夏の休暇を終えて職務に復帰したことを伝えるメッセージを送った。休暇後にやらねばならない仕事のうち、未解決の課題の1つが、滞っている120億ユーロ規模の民営化計画だ。

 民営化計画と歳出削減計画は、レンツィ氏がエンリコ・レッタ前首相から丸ごと引き継いだ2つの課題だ。フィレンツェ市長だったレンツィ氏は今年2月、党内クーデターでレッタ氏を首相退任に追い込んだ。

 レッタ氏は欧州連合(EU)の支持を得て、2兆1000億ユーロを突破したイタリアの債務残高を減らす手段として、早期の資産売却を優先事項と見なしていた。

 1990年代後半以降ではイタリア最大の民営化計画と評されたプログラムの目玉は、イタリア郵政公社ポステ・イタリアーネの株式の40%を売却し、国庫に少なくとも40億ユーロの資金を確保するという政府の意図だった。

目玉のイタリア郵政公社上場計画を延期

 だが、今年6月に国営造船大手フィンカンティエリが市場へのデビューで躓くと、レンツィ氏はポステ・イタリアーネの上場計画を翻した。フィンカンティエリの新規公開価格は予想レンジの下限で設定され、機関投資家からの需要が鈍かったことから、同社は売り出し株数を3割強減らすことを余儀なくされた。

 イタリア航空管制公団(ENAV)と国営の輸出信用保険機関(SACE)の株式の49%を売却する計画も問題にぶつかった。今月の統計でイタリア経済が第2四半期に景気後退に逆戻りしたことが明らかになってから、投資家がイタリアへの投資に慎重になったためだ。

 レンツィ氏は今月、本紙(英フィナンシャル・タイムズ)とのインタビューで、フィンカンティエリの上場を経験した後、民営化が確実に「うまく、真剣に実行される」よう、時間をかけて民営化プロセスに取り組んでいると語った。

 「売却で国に利益をもたらす状態になった時に我々は(民営化を)やる。私は安く売却できるような立場にない。資産は適正価格で売りたい」とレンツィ氏は述べた。

 銀行筋は、ポステ・イタリアーネの上場を来年もしくは2016年まで控えることにしたレンツィ氏の措置は、ビジネスとして理にかなっていると話している。彼らいわく、最近ポステ・イタリアーネの最高経営責任者(CEO)に任命されたフランチェスコ・カイオ氏に徹底的な郵政事業のリストラに取り組む時間を与えることで、同氏は国有企業だったドイツポストや英ロイヤル・メールの上場の成功を真似られるかもしれないという。

 エコノミストらは、2008年以降3度目となるイタリ…
Premium Information
楽天SocialNewsに投稿!
このエントリーをはてなブックマークに追加

バックナンバー

Comment

アクセスランキング
プライバシーマーク

当社は、2010年1月に日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)より、個人情報について適切な取り扱いがおこなわれている企業に与えられる「プライバシーマーク」を取得いたしました。

Back To Top