理研:竹市センター長交代へ 再生研改革案

毎日新聞 2014年08月27日 07時30分

理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの竹市雅俊センター長=山本晋撮影
理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの竹市雅俊センター長=山本晋撮影

 STAP細胞の論文不正問題を受け、理化学研究所は、筆頭著者の小保方晴子・研究ユニットリーダーらが所属する発生・再生科学総合研究センター(CDB・神戸市)を改組し、規模を大幅に縮小する改革案を固めた。竹市雅俊センター長は交代させ、後任は早ければ年内に決める。改組後の新組織の名称は「多細胞システム形成研究センター」とする方向で調整している。27日に研究不正防止の行動計画として発表する。

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った世界初の臨床研究に取り組む高橋政代・プロジェクトリーダーは新組織に残る。一方、CDBが担ってきた基礎的な発生生物学や再生医療といった幅広い研究分野のうち、一部の機能や研究者を理研内の他のセンターに移すなどして、新組織に所属する研究者数を大幅に減らす。

 STAP問題発覚後に設置された外部識者による理研の改革委員会(委員長=岸輝雄・東京大名誉教授)は、6月に公表した提言で、研究不正を誘発したり抑止できなかったりしたことの背景に「CDBの構造的な欠陥があった」と指摘。理研に対し、CDB解体や人事の一新、理研全体のガバナンス(組織統治)体制の見直しなどを求めていた。

 理研は、さまざまな優遇策が認められる特定国立研究開発法人に指定される見通しだったが、STAP問題によって関連法案の国会審議が先送りされている。政府は今年度中の法案成立を目指してきたが、改革実施に伴い、来年度に持ち越しとなる見通し。

 CDBは、2000年4月に神戸・ポートアイランドに設立された。STAP論文の共著者で、今月5日に自殺した笹井芳樹氏は13年から副センター長を務めていた。13年12月現在のスタッフは研究者、技術者、事務など計541人。【大場あい、千葉紀和】

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