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航空関係者などの有識者会議 航空機の都心上空の飛行解禁案を検討

フジテレビ系(FNN) 8月26日(火)20時8分配信

空のさらなる国際化に向けて、首都上空は、どう変わろうとしているのか。注目の話し合いで、大きな焦点となっているのは、飛行制限の解除と、それにともなう、ある心配だった。
近い将来、六本木ヒルズや東京都庁、そしてレインボーブリッジなどを望む東京都心の低空を、多くの航空機が飛ぶことになるかもしれない。
田村 明比古航空局長は「グローバルな『人』、『モノ』、『お金』、こういうものを、わが国に呼び込んでくると」と述べた。
26日午後、国や東京都、航空会社などが集まり、行われた有識者会議。
その席で、2020年の東京オリンピックまでに、羽田・成田両空港の発着数を拡大するため、航空機の都心上空の飛行を解禁する案が打ち出された。
これまで、羽田空港においては、騒音対策のため、東京都や神奈川県の上空を、高度およそ1,800メートル以上で飛行しなければならず、千葉県側から、東京湾上空を通過し、離着陸を行っている。
一方、新しいルート案では、東京北部から羽田空港へ向かって、高度およそ900メートルから降下開始。
新宿や渋谷、品川、港区などの上空を飛びながら、さらに降下し、4本ある羽田空港の滑走路のうち、AとCへ着陸する。
この新しい案では、4本の全滑走路を効率的に使えるなどから、年間の発着回数を最大で2万6,000回増やせるという。
旅行客は、「もっとここ(羽田)から、どんどん行ければいいなと思っているんですけど」、「(羽田から)どんどん、海外に行きやすくなるんじゃないですか」などと話した。
利便性が高まる一方、都心では、かなりの低空を航空機が飛ぶことになる。
多くの通勤客などが行き交う品川区付近では、上空400メートルを航空機が飛行することになる。
品川区で働く人は、「どれくらい音がするのか、お客さんの方が気にするかもわからないし」、「オスプレイが飛んでくるのと変わらないような、そんな雰囲気じゃないですか。落ちるようなこともないと思うけども、そういうことも考えるんじゃないですか、高度が低いっていうことは」などと話した。
轟音とともに住宅の真上を通過していく航空機。
東京・大田区では、2008年から早朝に限定して、航空機3便が、市街地の上空360メートルを飛行することが許可されている。
東京の上空を低空で飛んでいる航空機は、かなり大きく見えた。
騒音を測定すると、79dB。
地下鉄の車内と、同じ程度の騒がしさとなった。
大田区民は、「(上空を通過するのが)3機だから、我慢できるんじゃない?ということで、数が増えれば、騒音も、もちろんね」、「怖いじゃない、落っこちてきたりとか、今あるでしょ」などと話した。
6月、大田区の松原忠義区長は「区民生活に相当な影響が出てくるかなというふうに、われわれとしてはみているので、今後は、国の方と十分に協議をさせてほしいなと」と述べた。
地元から上がる、騒音を懸念する声。
福岡市では空を見上げると、飛行機がかなり低い高度を飛んでいるのがわかる。
有識者会議では、実際に、都心上空ルートが解禁された場合、住宅や学校の防音工事など騒音対策費として数十億円以上が必要になると指摘する一方、羽田空港の発着回数が飛躍的に増加し、将来的に5本目の滑走路建設も、実現に近づいていくという。
荒川区の西川 太一郎区議は「不安は、率直に言ってあると思います。これから、東京都と私ども23区一緒になって、具体的な丁寧な議論をしたいし」と述べた。
東京都心の空をめぐる議論は、これからが本番となる。

最終更新:8月26日(火)23時6分

Fuji News Network

 

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