木村司
2014年8月26日02時20分
■対馬丸撃沈70年〈5=完〉
生き残った体験は話さない。その長い沈黙を糸数裕子さん(89)が破ったのは三十三回忌の翌年。1977年、対馬丸が沈んだ鹿児島県沖の海上慰霊祭の場だった。
「あなたを恨むことはない。あのときの様子を聞かせてほしい」。遺族に声をかけられた。船室で十数人の遺族と対面。家族以外に初めて体験を語った。
〈あんまり悲しいことは言わなかった。船の中ではとても元気でした。あの日は朝から退避訓練があって、みんなへとへとになるまでやって。夕食が済んだらぐっすり眠っていました、と。
ご遺族からは、ありがとうございましたと言われました。様子を浮かべられるだけでいい、子どもたちはよく眠っていたんですねえ、と。少しだけ気持ちが軽くなったように思います。〉
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